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第39話 前 トラウマ 

何でだろう? 目の前にいるのはケイリだ。僕が一番好きな女性で、信頼し、守りたい人だ。でも、何故か今はケイリのことが怖いんだ、どうしようもなく…。ケイリ、まさか本当に聖剣で僕を刺すんじゃないだろうね? あれ? でも、僕の血で聖剣を染めなければ、村人は救われない。

でも、怖いんだ。本当に怖いんだ! 早くここから出たい! でも、縄に縛れって動けない! 

「ケイリ、この縄を解いて! 何で僕が縛られなければならない」

「それはね、この聖剣を、カイル兄さんの胸を、貫くから」

「ケイリ?」

「さよなら、カイル兄さん」

「ケイリ、やめろ! どうしてこんなことを」

「カイル兄さんが、どうしても、って言ったから。さあ、カイル兄さん、安らかに、お眠り、ください」

「ケイリ、やめるんだ! ケイリ!」

ダメだ。ケイリがやめてくれない! ケイリは僕の言うことを聞いてくれない。…何故だ、ケイリ…。

腹が刺された後、僕の意識が遠のいて行った。

「良かった、起きたか」

「カイル兄さん、大丈夫?」

「うわ!?」

「…カイル兄さん?」

「くるな! あっちいけ!」

「カイル兄さん…」

「早く出ってけ!」

ケイリは悲しそうな顔をして外に出って行った。

「やったよ、カイル。呪いは十年ほど解けるらしいよ」

「…そうか」

「村人達がすごく喜んでいるよ」

「カイル、お前、もしかして…」

「ケイリの顔を見ると、昨日のことを思い出して、怖いんだ」

「ケイリから聞いた、事情を知ったカイルに裏切られたと思わせるには、恐怖を増大させる薬を飲むしかないって。でもカイル、どうやら昨日のことがお前のトラウマになったらしい」

…そうか、だからケイリはあんなに言い渋ったのか。ケイリは何も悪いことしてないんだ。僕のお願いを聞いただけ。事前に言ってくれれば…。いや、言ったら村のためにと思ってしまう、ケイリが裏切ったなんて思わなかったはず。なのに、僕は…。ケイリに謝らないと。

「カイル、また起きじゃダメ」

「起きでも大丈夫だよ! でめぇなめてんのか? 私の回復魔法がこの程度の怪我でも治せないと思ってんの? ボケナス」

「そうじゃないけど、そこまで言わなくても…」

「僕なら大丈夫。ケイリは外にいるのか」

「そうだけど」

ケイリの顔を見ると、また昨日のことを思い出してしまった。ダメ、ケイリに謝らないと。

『さあ、カイル兄さん、安らかに、お眠り、ください』

ダメだ、傷は治ったはずなのに傷口が痛む。

ケイリ、僕は…。


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