第38話 前 開き直る
「ケイリ、そんなこと僕がさせると思う?」
カイル兄さん、私の意図を気づいて、私から聖剣を取り上げた。でも、私、息が出来ない、一刻も早く皆に伝えたいのに…
「息出来ないみたい」
「アシュリー、治せるのか」
「ダメだ。そんなことがあり得るのか。まるでケイリの体が呼吸を拒んでるようだ。でも大丈夫、私が魔法で強制的にケイリを呼吸させればいい」
「そうなこと出来るのか」
「出来るよ」
一命は取り留めたけど、今はアシュリー頼って呼吸してるからまだ喋られない。でも一刻も早くカイル兄さんに知らせないと。
この人達カイル兄さんの命を狙ってる。私を聖剣でカイル兄さんを殺すように仕向けた。気をつけてって伝えたい。まずは村長に指差して、次は私、聖剣、カイル兄さんの順番で指差した。
「そういうことか」
「わかるんかい!」
「ケイリを元通りにしろ! さもなければ…」
「さもなければ、何? ちょ、剣を収めてください! 冗談だよ。もう術止めていいぞ」
「いいのか?」
「もういいよ。バレたし」
息できるようになった。
「さて、村長。説明してもらうか」
「分かった。説明する。実は、呪われたのは聖剣ではなく、この村だ」
「どういうことだ?」
「実ははじめて勇者補佐に殺された勇者は十二代目で、親友の勇者補佐に殺されたそうだ。詳しいことはわからないが村のせいと言って勇者は死ぬ前に村に呪いをかけた。満月の夜に、村の誰かが魔物になって村の皆を襲うんだ。満月の夜に、家族が魔物になるかもしれないと思うと…。お前は想像出来るのか、これは一体どれだけ恐ろしい呪いなのか。でも、そんな我々も救いがあった。ある日、魔法使いがこの村にやってきた。呪いのことを話したら呪いの謎を解明してくれた。この呪いは聖剣を媒介にして働いてるんだ。裏切られし勇者の血で聖剣を染めれば十年ほど呪いから解放されるのだ」
「だからケイリを操って…」
「ああ、そうさ。あの魔法使いは2つの魔法具を作ってくれた。一つ目は神聖な力に弱い魔法生命体を作る魔法具。二つ目は精神操作出来る魔法具だ。僕達は魔法具で魔法生命体を呼び出し、ギルドに依頼を出して、勇者になりそうな人を集めてた。そして、新しい勇者が誕生する度勇者が信頼してる仲間に勇者を殺させてきた」
「むごいな」
「仕方無かったんだ! 想像してよ! お前の仲間がお前が寝てる時バケモノになってお前を襲うのを! はぁ、もういいよ。どうせもう失敗したんだ。さっさと聖剣を置いてこの村から出ってけ!」
「え? また手があるのに?」




