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第36話 前 呪い

「ケイリ、あのさ」

「どうしたの? アシュリーさん、話題が、なければ、無理に、話かけなくても、いいのに」

「……」


 どうせ私なんかと友達になりたいやつなんて、いないのだから。私と友達になっても意味ないから?


 「ケイリ、聞いて、確か私は別の目的でケイリと話をしたけど、ケイリと友達になりたいのはうそじゃない。えい、こっち来い!」

 「ちょ、アシュリーさん」

 「おい、カイル、昔話するならケイリも混ぜろよ。幼馴染だろう」

 「アシュリー、お前…」

 「なんだメイ、ケイリのこと嫌いとでも?」

 「そうじゃないけど」

 「ならいいじゃない」


 メイさんは不満そうな顔してる。メアリーはクスクス笑ってる。こうして私は辺境についた。


 「ようこそ、呪いの聖剣の街へ」

 「呪いの聖剣?」

 「なんだ? 知らないのか? 有名だぞ。昔、ここでは一年一度の聖剣祭りが開かれるんだよ。選ばれし勇者が聖剣を手にすると、聖剣が光る。その勇者の補佐をするために、この街の一番の腕利きが選ばれ、鍛冶屋が鍛える一番の武器を持たせるんだ。ところが、第十二代目から聖剣に選ばれし勇者は例外なく、全員勇者補佐に聖剣を奪われて殺された訳よ」

 「え? じゃあ、補佐の制度をやめたら?」

 「やめたさ。それ以来、聖剣は二度と光ったことはなかった」

 「光らなかったら使えないのか」

 「そう、本来の威力を発揮出来なくなる」

 「それなら、聖剣を奪っても意味ないじゃないか? どうして勇者補佐は聖剣を奪うようとするのか」

 「それが分からないのさ。勇者補佐も、聖剣を奪っても意味がないくらいわかるてはずさ。もしかしたら、聖剣は勇者の血を吸いたくで勇者を選んだかもしれない」

 「聖剣と言うより妖刀の方が近いんじゃ」

 「いや、聖剣はちゃんと対魔力を持ってて魔族やアンデットに対する効果は絶大だよ。それに、見た目にしていかにも聖なる武器って感じだ。どうだ、一度見てみようか」

 「おお」


 綺麗! 真っ白な剣だ。世の中にこんな綺麗なものあるのね。


 「どうだ? 一度握っては?」

 「え?」

 「聖剣が光ったら持って帰ってもいいぞ」

 「要らないって。そんな伝説を聞かされて、わざわざ聖剣を握るバカあるか」

 「いや。結構あるんだよ。せっかくこんな辺境の街まで来たし」

 「じゃあ、ちょっとだけ」

 

 え? 握るの? 選ばれたら死んちゃうよ。


 最初に聖剣を握るのはアシュリー、メアリーと私も握らなかった。メイは握ったけど光らなかった。そうして、カイル兄さん。


 「ひ、光ったね」


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