第35話 前 初めてのお友達
アシュリーは私の友達、初めての同性の友達が出来た。嬉しい。子供の頃から、ずっと女友達が欲しかった。
私達は国境を目指してる。皆でお金を出し合ってムウ車を雇ったけど、少なくとも二週間はかかるんだそうだ。私達は食料と水を買い込み、旅に必要なものを買って、新首都を後にした。
ムウ車に乗ってから、ずっとアシュリーと話をする機会を探してたけど、いざ話をしようと、何を話せばいいのか分からなかった。
私が話そうとした時カイル兄さんはいつも気付いてくれて、焦らずゆっくり話そうと言ってくれる。カイル兄さんは私のことをよく分かってる。恐らく、カイル兄さんみたいに私を優しく接触してくれる人は今後の人生に現れることはない。なのに、私はカイル兄さんのために何出来るの? ただ依存するのは、もういや! だから、私、頑張る!
「あ、あの、アシュリー」
さん付けてなかった。馴れ馴れしいと思われるのかな?
「ケイリ、どうしたの?」
何を話せばいいの?
「ケイリ、ケイリのことよく知らなかったから心配したんだけど、よかった。昔、教会にいた子にそっくりだ」
「教会?」
「そう、こう見ても、私、修道女だったのよ。クッソ暑い夏でも、修道服を着てさ。あ、くすんね。くすん夏」
「アシュリー、どうして?」
「どうして何?」
カイル兄さんならどうしてだけで私が聞きたいことが分かるてくれるはずなんだけど。
「ここ、教会じゃない、のに」
「あ、どうして暑そうな神官服を着てると?」
「ち、違う。言葉遣い」
「ああ、そっちか。神父さんが煩かったから。それと…」
十秒くらい待ってあげたけど、何も言わなかった。話したくなかったかも。そうか、友達でも何もかも話せるわけではないのね。でもまあ、私もまだ、召喚獣のことをカイル兄さんに話していないし。
それ以来、なんかアシュリーに話しかけづらくなった。
時間が立って、ちょっと気になることが…。この旅路は想像したより厳しかった。水を無駄に出来ないから水浴びもできない。このことをカイル兄さんと商談したい時、アシュリーが必ずと言っていいほど話しかけてくる。話題もないのに話しかけてくるのが明らかに不自然。勘違いかもしれないが、アシュリーは私にカイル兄さんと話させたくないかも。もし本当にそうだとしたら、悲しい。そうか、アシュリーは私と友達になりたくてなった訳じゃないのか。




