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第二章第四話 イケメンは正義

生で戦いを直面したら、きっとすごく怖いですよね。

問答無用で襲ってきた村人数人をアイツが侍のような立ち回りで斬って、

おんぶは間に合わなさそうだからと私の手を引いて逃げようと走り出したら、

やはりそっちにも計画があったようで、

今はまさに森と真っ逆方向へ続く道で囲まれた。


「実に残念だのう。寝てる間に縛ろうと思ったら、まだ起きとるとは。」

村長の優しい顔はそのままだけど、今は怖いとしか思えない。


「知らねーよそっちの都合。死にたくなけりゃ道を開けろ。」いつも表向きの優等生な口調が消えた。イライラしてるのが、力強く繋いでいる手で感じ取れる。


「よかろう。代わりにお嬢ちゃんはこっちに寄越しな。五人も斬っといて何の詫びもくれないのは無礼すぎると思わんか?」

周りからヒヒ、ヘヘと気持ち悪い笑声が響く。


「それはできない相談だな。俺にはこいつが必要だ。機嫌もまだうまく取れてねーのに、更に嫌われたくないのでね。」と剣を取り直した。それでも手は離してくれなかった。

できるなら両手で戦って欲しいけど、その間誰かに攫われたらもっと困る、と思いついたら黙って状況を見ることにした。


「女は生きてるなら傷付けても構わん。かかれ!」

優しいお爺さんの姿などもうどこにもいない。映画の中の悪党がまだ可愛いような、怖い目つきで叫んだ。


*************************



結果から言うと、

アイツの剣先は今まさにクシェ村長の首筋から1センチあるかどうかの距離に置いてある。


十数人の大人の男性がいたのに、

私を庇いながら片手でなんとか全員戦闘不能まで切り刻んだ。命が失った人もいそうなまで。

アイツはたぶん少しはケガしてると思うけど、まだまだ戦えるような気迫を感じ取れる。


こんなのあり?!こんな感じの強さ、もうどこかの主人公みたいになってるよ。


村の男性はもうほぼ倒されたか、

村長に名前呼ばれて、荷物を運んで来たのが涙目で震えている中年の女性二人だった。


「文句がなけりゃこのまま村を出るぞ。いいよな、村長さん?」

訂正します、まるで村を襲う賊のようなアイツが、荷物を背負っては剣を握り直した。


「女子供の命だけは…」

このまま出るって言ったのに、何言ってますか村長さん…。


「強盗やるよりちゃんと畑作れよ。じゃな。」


少し震えてる手に右手が引っ張られた。

もう、今はこの手に頼るしかない。

さっきの生々しい戦闘シーンで腰を抜けたまでは行かなかったけど、体がまだ緊張して震えて上手く動かせないまま。

昨日も休めなかったせいか、今だけならちょっと一人ではやっていけなさそうな気がしてきた。

色んな意味で怖いけど、この世界に慣れるまで、暫くアイツに付いていくことを決めた。



遠い空が白くなり出す。


「俺、人間を殺してしまったなぁ…」空を見上げているアイツの横顔をちょっと覗いてみた。


「イケメンだから許されるよ、たぶん。」それしかかける言葉がない気持ちがある。可愛いは正義だから、かっこいいも然り、と思ってるから。


いきなりこっちに振り向いた黒い瞳に朝日の光が差して、少しブラウン色がついた。


「そう?じゃあ何しても許してもらえるな!」


予告なしに私のほっぺたがつままれた。


そして、

「ありがとう。」

ここはキスだろうとツッコまれそうですが、

やはりもう少しそういう雰囲気になったからにしたいと思います。

ファストキスは乙女としてこだわってみたいです、ね!


今更ですが、もし日本語的におかしいと思われるところがあれば、教えていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします!

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