表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〜ありがとう〜  作者: 510
6/6

第伍話:コンビニ店員

凜花からメールが来た日(正確には飯を食いに行った日)から俺は毎日の用にメールをしている。

内容はいつも下らない話し。会社の話しや、身近で起こった事など色々メールをしている。

毎日が平凡でつまらなかった俺にとって凜花とのメールはとても楽しかった。

次第に俺は凜花を好きになっていった。



就職して1ヶ月が経った。俺は仕事に大分慣れてきた。初めは中々上手くいかなく、主任によく怒られていたが最近は逆に色々とアドバイスをしてくれる。

今日も一日を終えた。


「お疲れ様…」


暗い声で言ってきたのは俺と同期に入社した、古島吉城。こいつを一言でいうと

「地味」

だ。よく学校のクラスにいる、根暗系だ。


「あぁ…お疲れ」


俺はあまり吉城と関わりたくないからいつも適当に返事をする。

そして、吉城は仕事をやりだす。俺が働いている所は2勤交代制だ。

その後俺はそそくさと会社を出る。

車に乗り、エンジンをかける前にメールが来ていないかチェックする。もちろん凜花からのメールをだ。しかし、メールは来ていない。今は午後4時過ぎ。


「まだ仕事中かぁ〜」


溜め息をつきながら独り言を…。。。

最近はいつもこんな感じに凜花からのメールを待っている。寝る事よりも仕事をする事よりも、ダチと遊ぶ事よりも凜花とメールをしている事が今の俺には1番だった。

一応をセンターにも問い合わせをするが当然の事ながらメールは来ていなかった。


「ま、しょうがないかぁ〜」


と自分に言い聞かせ俺は車のエンジンをかける。


「あ!そういゃあタバコないなぁ〜。コンビニにでも寄るかなぁ〜」


何気なく俺は帰り道のコンビニに寄る。


「あ…い、いらっしゃいませ〜」


高校生バイトの店員さんが挨拶。しかも何故か微妙な噛み。まぁ吉城みたいに暗く挨拶されるよりマシかな。そんな事を考えながら俺はパンとジュースを選んで持ってレジへ。


「セッタのソフトパック」

店員さんに俺は普通に言う。(ホントは未成年やからダメなんだけどね)


「は、はい。ご、合計780円になります。」


(普通に売ってくれたし。ラッキ〜!!そして、何故か知らないけど、さっきからめっさ噛んでいるんですけど。新人さんか?)

俺は小銭がなかったから1000円札を出した。そして、お釣りを貰う時に、


「あ、あの…し、宍戸先輩ですよね??」


「え?」


いきなり店員の女の子に名前を呼ばれたから俺はビックリした。


「わ、私、先輩と同じ高校で2年の鈴木友香です。」


「……」

…思いだし中( -"-)

(こんな子いったけなぁ〜。う〜ん…いたような気がしなくもないけどな…)


俺が頑張って思いだしていると、


「わ、分からなくて当然ですよね。一度も話した事ないですから。」


彼女は寂しい顔をして言った。


「ごめんなぁ〜」


「ぜ、全然いいですよ。気にしないで下さい。」


…そんな事言われて気にします。


俺は人の顔や名前を覚えるのが苦手なのだ。高校時代は後輩の名前はほとんど知らない。知っているのはほんの一握りなのだ。



「ホンマ、ゴメンな!!それじゃバイト頑張ってな。」


俺の後ろに他の客が迷惑そうな顔で待っていたのに気付いたので俺は逃げるようにコンビニを出た。。。


「あ、ありがとうございました。」


彼女は最後まで噛んでいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ