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〜ありがとう〜  作者: 510
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第参話:出会い

「あぁ〜腹へった〜何食べよっかなぁ〜。」


俺と浩一はひと足先にファミレスに来ている。


「やっぱり、安くて、うまくて、量が多いのっしょ!(笑)」


メニューをみながら浩一が嬉しそうに言った。

(…さすが浩一やな…。まぁ、間違った考えじゃないけどな。)

俺と浩一がメニューを見ながら何を食べよか考えている時に、春樹の声がした。


「ごめ〜ん。遅れちゃって!」


春樹が申し訳なそうに現れた。


「いいよ。俺達も今来た所やでさ!」


俺が春樹に言った。


「ありがと。あ、紹介するね♪会社で知り合った、山田凜花りんかちゃん!」

――俺はこの時ことを今でも覚えている。初めて凜花を見た時俺は彼女に見とれてしまっていた。長く伸びた黒い髪、ほっそりした顔立ち。まさに凜花は俺の好みの子だった。――



「はじめまして。山田凜花です!よろしくね。」


彼女は微笑みながら俺達に挨拶した。

彼女の透き通るような可愛い声。笑うと僅かに見える八重歯。

(…ヤバイ。マジでタイプだ…。)


「どうも。俺、浩一言います。よろしく!」


と、俺が内心思っている間に先に浩一が凜花に挨拶していた。

その後に続いて俺も挨拶した。


「は、はじめまして。宍戸旭です。」

微妙に声が裏返った…しかも噛んだ…緊張してるのバレバレやん…情けねぇ〜


「二人ともよろしくね。」

そういって凜花はまた微笑んだ。お互いの自己紹介が終わった所で俺達4人は料理を注文。

ちなみに4人の席の位置は俺の右隣りが浩一。浩一の正面に春樹、そして俺の正面に凜花。


料理を食べながら今の心境や、仕事のグチなど色々な事を話した。

でも俺は内心、凜花が正面だったので嬉しいドキドキと緊張のドキドキでいっぱいいっぱいで何を話したのか覚えていないのが本心だった。

俺は高校の時に彼女はいたがこんなドキドキは一度もしなかった。今までに味わった事のないドキドキ感だ。


時間を忘れ話していると、既にファミレスに4時間近く俺達はいた。さすがにこれ以上はファミレスにいたら迷惑って事で俺達はファミレスを出た。

「んで、これからどうするだ??」


タバコを吸いながら浩一が言った。今は午後3時。

さすがにまだ帰るのは早い時間帯。


「う〜ん…そうやな〜どうしようかぁ??」



考える俺。といってもこの町は田舎町だ。行く所には限りがある。あるといったらカラオケ、ゲーセン、ボーリングぐらいだ。


「ねぇ!記念に4人でプリ撮らない??」「は?プリクラすか!?」


正直俺はプリクラが苦手…。俺が高校の時になぜか男だけでプリクラを撮るのが微妙に流行っていた。

しかし撮るとなぜかいつも同じような表情になってしまう。だからあまり好きではない。


「いいねぇ〜んじゃあプリ撮りに行きますかぁ!?」


(…浩一よ。なんでそんな乗り気なんだ?彼女にチクるぞ?)

なんて思ってたらいつの間にかゲーセンに到着。


そしてプリクラを撮った。やっぱり俺はいつもと同じ表情で写っていた。

(でも、凜花ちゃんと一緒にプリ撮れたから、よしとするかな)その後はゲーセンの喫茶店横でまた3時間ぐらい4人で話して、帰った。


今日は久しぶりに楽しかったと感じた一日だった。

ただ一つ心残りなのは凜花にアドを聞けなかったことぐらいだ。

今日一日の事を振り返っているうちに俺はいつしか眠っていた。



――あの時のプリクラは今も大切に持っているよ。初めて会った時の記念だからさ。

ずっとこれからも大切に持っていくよ。また君に出会えるその日が来るのを願って。

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