第弍話:待ち合わせ
土曜日の朝の10時。俺は今、家の近くのコンビニに車で来ている。友達と飯に食いに行くためだ。
俺が住んでいる町はほとんどが山と田畑に囲まれている田舎町。
なので待ち合わせをする場所はコンビニか公園ぐらいしかない。
車で友達を待っていると初心者マークを付けた車が俺の横の駐車場に止まった。
「お〜す!旭ぁ〜久しぶりだな。」
彼の名前は浩一。浩一とは中学、高校と一緒で、高校時代では色々とバカな事をやって、一緒に停学処分まで受けたぐらいの仲だ。性格はとても面白い奴で、中々カッコイイ。そして羨ましい事に彼女持ちである。
「お〜っす!もち元気やで〜(笑)それで今日は誰が来るの?」
俺が浩一に聞くと浩一は、
「まだ旭以外は決まってないんだよなぁ〜これが。」
「マジっすか!?男2人で、飯食いに行くのはいくらなんでも悲し過ぎるっしょ!?」
「みんなに聞いたんだけど、忙しいって断られたんだよね〜」
「それじゃぁ〜女でも呼びますか!?(笑)」
俺が冗談で浩一に言うと浩一が、
「いいねぇ〜それじゃあ適当に聞いてみますわぁ〜」
そう言うと浩一は誰かに電話をしだした。
(浩一よ…お前彼女いるのにいいのか??)
と思ったが浩一はいつもこんな感じで言っても、
「問題ないっす!」
といつも答えるので、口にはださなかった。
「……それじゃあ、また後で連絡してなぁ〜」
と浩一が電話を切る。
「誰に電話してたん?」
俺が浩一に聞いた。
「春樹!会社で知り合った子と一緒に来るってさ。」
浩一が嬉しそうに言った。
「あぁ〜春樹さんかぁ〜」
加藤 春樹。
彼女とも浩一と一緒で中学、高校と一緒だった女友達である。性格もよく優秀。そして可愛いので、男女共にから人気は高かった。高校の時はクラスは3年間とも違ったが、それなりに話しはしていたのでそれなりに仲はよかった。なので、春樹が飯を一緒に食いに行くと浩一から聞いた時もこの時は何も思わなかった。
「そういえば、会社で知り会った子も一緒に来るって言ってたけど、どんな子なんやろうなぁ〜?」
「さぁな〜。ま、会ってからのお楽しみって事にして、俺らは先にファミレスに行ってますか!?」
と言って浩一は車のエンジンをかける。
「そうやな。それじゃ行きますか!」俺も車のエンジンをかけ、俺達2人はひと足先にファミレスに向かった。
―この時、俺は、
「春樹が会社で知り合った友達かぁ〜。どういう子かな?…ま、どういう子でもいいけどね〜。俺は飯が食えればなんでもいいや。」
と、ぐらいしか思っていなかった。しかし、その後、俺は運命的な出会いをする…。