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Dream wake up━天使と人と死神と…

麻理華がいなくなってから、夢野と風音は出産を終えた。


風音の娘は父と同じ青天使。


水脈と名づけられた。


水脈を産んだ風音は、先代の死から急遽緑の聖天使に任命された。


夢野の産んだ子供たちは…


天使だった。


私達は自分の子供を人間にしようと決めていた。


そもそも私の家は人間しか産んではいけなかったが、なにより人間でよかったと思うこともおおかったからだ。


私は桜泉とりかごのなかしかしらない。


だから誓を人間にしたことを後で後悔することになる。


夢野も天使処置は行っていないはず。


なのに生まれてきたのだ。


神の使い…


天使オリジナルが。


夢野は研究所に回される生活を送り、宙は必死に夢野を守ろうとしていた。


守ろうとしていた…


なのに彼は…


失踪した。


夢野は心を正常に保てなくなっていった。


宇宙そらと夢。


宙と夢野。


子供は星野と月野。


そう生まれる前から決めていた幸せな二人が天使によって引き裂かれた。


宙はいまだに見つかっていない。


どこでなにをしているのだろうか…


壊れた夢野を研究者達はまるで物のように扱った。


「人間が…」


「人間の分際で…」


私達は知らなかった。


桜泉学園とりかごは安全なんだと。


きけんにでて知った。


とりかごにうんざりしていた私達は安全すぎて気づけなかったんだ。


人間と天使を平等に扱うところなんて無い。


それを知った風音は訴え続けた。


聖天使という立場から国へ訴え続けた。


私もそれを全力で応援した。


だけど…


国は風音を排除した。


天使のくせに人間なんかとつるんでいるから…


風音を私の家でかくまうのと同時に夢野を連れ出そうとした。



病院に風音の能力で忍び込み夢野の病室まで行った。


「どうやって連れ出す?」


「風音の力で夢野を浮かせられないかしら?」


「了解。」


風音は詠唱なしで夢野の体を浮かせた。


「じゃあ行きましょう。」


私達が病室を後にしようとすると…


「まって、何かいる。」


何かの気配がした。


振り返ると…


そこには黒い何かがあった。


「なに…?」


「オマエタチハシニタイノカ?オマエタチハコロサレタイノカ?」


お前達は死にたいのか、お前達は殺されたいのか。


黒い物体は私達にそう問いかけた。


「何?」


私は内心すごく怖かった。


だけど怖がってるだけじゃ進めない。


「ソノムスメガココカラサルコト、スナワチセカイノオワリ。」


何を言っているんだろうか…?


「テンシハミナ、オチル。ソシテワレワエノナカマトナル。」


「天使が堕ちる…?」


「アアソウダ。ワタシハマダジガヲモッテイルガ、ソウナガクハナイ。ハヤクムスメヲオイテココカラサレ。」


「あなたはなんなの?」


風音が問いかける。


「ワタシハ、ダテンシ。モウスグアクマトナルダロウ。イソゲ。」


言い終わると堕天使と名乗った物体がうめき出した。


「ウワァ…ギャーーーー。オノレニンゲン。コロスコロスコロスコロス。」


「絆、下がって!」


「うん!」


「我欲するは敵を貫く力…風よ!我が敵を貫け!!!!」


風音が詠唱を終えると突風が黒い物体を襲った。


「やった…?」


「イタイイタイイタイイタイ!!!!」


「まだ生きてる?」


「我欲するは敵を粉砕する力、神より受けし力、かの者への粛清として顕現させる…」


粉砕魔法。


かなり高度で詠唱が長い。


だけど詠唱さえ終わればどんな敵でも倒す力を持つ。


だから詠唱時間を稼がないと!


「あなたの望みは何なの?」


足が震えている。


怖い、怖い!!


「ニンゲンコロス」


近づいてくる、


怖い!怖いよ!!


まだなの!!


「あなたは何で人間を憎むの?」


「ニンゲンコロス」


だめだ、逃げないと。


でも逃げたら詠唱中の風音のところへ行ってしまう。


がんばれ私!!


「人を殺したって意味なんて無いわ!」


もうだめだ。


私もここで死ぬのかな…


アクマに殺されるのかな…


麻理華…


「お前の居場所はここじゃない。帰れ!」


聞きなれた声。


最近は聞いていなかったな…


この声は…


「宙!?」


黒いローブをかぶった宙が私の前に立っていた。


「宙、なんで!!!?」


「ニンゲンコロス」


「あいにくと俺は人間じゃないんでね。」


そういうと宙は手から鎌をだし、アクマを切った。


「オマエシニガミ…」


そういうとアクマは消えた。


「宙?宙よね。どこ行ってたのよ!みんな心配してたんだから!!」


風音が詠唱をやめこっちに走ってくる。


「悪い、俺はもうここにいていい存在じゃない。じゃあ、夢野と子供を頼む…」


それだけ言うと宙は消えてしまった。


まるで手品のようにその場から消えた。


「どういうこと?」


「私に聞かれても…」


『シニガミ』、アクマはそういっていた。


『死神』…


『悪魔』…


『私は悪魔に対抗できる能力の開発を…』


麻理華が博士に言っていた。


「悪魔ってなんなの…?死神ってなんなの…?」







これが私の物語。


これがあなたたちの親の物語。




読んでくださりありがとうございます。


挿絵(By みてみん)

ラクガキ提供は小萌さんです。


10分未満の作品だとかw

小都吹片瀬ことぶきかたせ

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