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God forgive━親の残した絆

魔術試験は終わった。


結果、俺たちのてにいれた水晶は8個。


かなり優秀な方だ。


ランクの発表は、知能、体力のテストが終わってからの発表となる。


━そして今、俺は自分の家の前にいる。


樹理華、月野、星野そして来須。


俺を入れて5人でいる。


親には「友人を連れていく」と言ってある。


「ちーくんの家、ひさしぶり~」


元気にそう言ってるのは樹理華。


「誓の家って大きいんだね。」


ハモってそう言ってるのは双子。


「ママに会えるんだね…」


泣きそうな目で言ってるのは来須。


「じゃあ、行くか。」


俺は門を開けた。


「「「おかえりなさいませ、誓坊ちゃん。 いらっしゃいませ。」」」


声をそろえて言う使用人。


樹理華以外は結構驚いていた。


「誓の家って本当にお金持だったんだね…。」


月野が言う。


「ただ、家が古いだけだよ。」


俺が言う。


来須は来須で「ママ、ママ。」とブツブツ言っている。


「いらっしゃい。」


奥から俺の母親が出てきた。


きずなさん、お久しぶりです。」


「久しぶりね、樹理華ちゃん。」


樹理華は以前にも母に何回かあったことがあるので顔なじみだ。


「美人…あっ、えっとはじめまして。誓君の同級生の神崎月野です。」


月野がぺこりと頭を下げる。


「月野の双子の兄の神崎星野です。」


星野も頭を下げる。


「…神崎…。…はじめまして、誓の母です。」


「私は誓君と小学校から同じだった来須水脈です。」


母は驚いたような表情を一瞬して、すぐに笑顔をつくり「はじめまして」と言った。


「風音ちゃんを呼んできなさい。」


「かしこまりました。」


母は来須の名字と顔立ちで察したのか近くにいた使用人に、風音さんを呼ぶよう命令した。


しばらくすると樹理華の髪より薄い緑色の髪の毛をした女性が出てきた。


「水脈…?水脈なの!!!?」


そう、彼女こそ来須水脈の母にして、元聖天使の来須風音。


「ママ!!ママ!!!!」


来須は泣きながらママ、と何回も叫んでいた。


だから、誰もが次に起こる出来事を想像していなかった。


来須が風音さんに近づくと、つい抱擁し合うんだろうなと思っていたが…


「ふざけんじゃねーぞ、バカかお前は!!!」


来須が暴言とともに風音さんに平手打ちをした。


「ええええ?」


俺はつい声をあげて驚いてしまった。


「ごめんね…ごめんね。」


と泣いて謝る風音さんに、


「ごめんで済む話と済まない話があるんだよ!!」


と来須がキレる。


「うわぁ…」


みんな呆然とその光景を見ている。


「さあ、親子の話しあいに入るなんて野暮よね。奥の部屋に行きましょう。」


母がそういい、みんな奥の部屋に移動した。


5年以上ぶりに再会したんだ。


話すことなんて山ほどあるだろう。


だから、今はそっとしておこう━



「そうだ、樹理華ちゃん!!」


母が急に樹理華に話題を振った。


「はい?」


「まだ、言ってなかったから今言うわね。聖天使就任おめでとう。」


「ありがとうございます!絆さん。」


その後、俺たちは客間に入った。


何故か星野だけ母に違う場所に来てほしいと言われ、母と別室にいる。


「星野くん、絆さんと何話してるんだろ?」


樹理華が不安そうな顔で言う。


「世間話?」


「バカじゃないの?世間話ならここですればいいでしょ!」


樹理華に逆ギレ?された。


「ねえ誓。」


黙っていた月野が話し始めた。


「誓のお母さんって、どこの学校出身の人?」


「いきなりだな、おい。確か幼稚園からエスカレーター式で大学まで行った、って聞いてるけど?」


「それって桜泉さくらいずみ学園?」


「ああ、確かそんな感じの学校。」


月野の眉がピクッと動いた。


「失礼だけど、歳聞いてもいい?」


「別にいいけど、確か…36?」


月野がガタッと机を揺らした。


「本当に…?本当に!!!?」


「本当だけど?とりあえず落ち着け。」


「うん…」


「で、何があった?」


「誓のお母さんね、あたしの名字に反応してたの。それでもしかしたら父さんとママの知り合いかもしれないと思って…あたしの両親も桜泉で36歳なの。父さんは生きてたら36ってことだけど。」


「なんか、親がらみの話し多くね?」


「私もそう思った。それってさ、なんか仕組まれてるんじゃないの?」



そのとき、ガラッと扉が開いた。


星野と母さんが入ってきた。


母さんの目は少し腫れていて泣いたようだった。


「星野くん!!」


樹理華が真っ先に星野に駆け寄った。


母さんが何かをじっと見ているようだった。


母さんの視線の先に月野がいた。


「ホントにそっくりね…夢野ちゃんに…」


月野が身体をピクッとさせた。


「夢野って…やっぱり…」


「うん。私はあなたたちのお母さん夢野ちゃんと、お父さんのそらくんと同級生だったの…。水脈ちゃんのお母さん、風音ちゃん、樹理華ちゃんのお母さんの麻理華まりかちゃんも…。」


「…樹理華のお母さんって」


確か、樹理華のお母さんは…


病死されていたはず…


「病死?…そんなわけないじゃない!麻理華ちゃんは殺されたのよ!!」


殺された…?


「この国に!!!!!!」


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