きっと見つかる
そこから、数日俺はあらゆる手段を使って香西朋華を探し続けた。でも、見つかることはなかった。
あいつは、殆ど自分がいた証拠を残さずに出て行ってしまった為この辺じゃ何も情報が得られなかった。
俺はついに諦めようかなと思った時だった。俺はあいつが言った一文を思い出した。
(私は79時間23分17……18秒前に崎守研究所で生まれました)
「崎守……研究所」
一か八かで、俺は崎守研究所のHPを調べた。
そこでは、遺伝子実験の部類になる研究を中心とした世界最先端の実験を行っていると記されていた。
ボーっとしながら捜していると、裏ページを発見した。
そこをクリックした所、暗証番号数字5桁その後に英語11桁を入力しなければ
それ以上先には進めないものだった。
俺は、今更になって後悔した。
もしかしたら、香西朋華のシリアルナンバーが暗証番号である確率が高かったからだ。
仕方ないから、俺は00000、aaaaaaaaaaaから一桁一ケタ順番に打ち込んでみた。
でも、03963、arstuomczxp辺りで諦めだした。
こんなことやってたら、限がない……。なんか、ヒント言ってくれてないかなぁ。あいつ……。
その日は結局諦めてしまった。
4日後、俺はとある人気のない廃村に来ていた。
何故か。言わなくても勘のいい人たちは気がつくだろ?
俺は、暗証番号を見つけ出した。答えは『89421、akomot iasak』だった。
理由はまず数字はあいつのシリアルナンバーだと思われる数字だったから。
何故って? 俺の問いに香西朋華は以前こう言っていた。
(じゃぁ、成功しなかったに部類分けされる奴は何人いるんだ?)
(12,497体になります)
12,497体の後に出来た成功品。なら、普通に考えてあいつが出来た番号は12,498体目。
そしたら、どうだろうか? 丁度五桁の数字だったのだ。
で、最初は正直に『12498』と入れたが、間違っている。の一言で、
また考え直しかと思った時、たまたま思いついたのだ。
数字を逆にしてみてはどうだ? と。
そしたら、見事に当たったわけだ。
その原理で英語の所には全てを日本語読みと逆転させて奴の名前のローマ字表記をし、見事正解させた。
改めてサイトの記述内容を見る。そこにはこう記されていた。
『○月□日。10:00~
△×県の元・花笠村でクリエイティッド・ヒューマンの実験を行う。
対象者は、死刑囚を129名を使用する。危険が高まる為、細心の注意を払い実験に臨む事』
その情報をもとに今日、この地に立っている訳。
多分、今日を逃すと二度とあのHPにはアクセス出来なくさせられる。
仮に出来ても、暗証番号を変えられる。チャンスは一度だけだった。
9:43。奴らは黒の車で来た。先に出たのはこの前の白衣3人組だ。その直後、その車の中から
―――――――香西朋華は確かにそこに現れた。