第二世代の能力。
「お姉さまより遥かに能力が上の『第二世代』が我々なんですものぉ~♪」
楽しそうに口元だけを笑わせ声も晴れやかな物にさせながら、神上エリナは言った。
「第二……世代?」
「そうですのぉ。我々は貴方の母君からは産み出されていない。貴方を元に、全ての能力を限界まで引き上げて創られた物ですのぉ」
やはりさっきの眼は笑わないあの顔で、神上エリナは喋る。
「そして、聖華は我々の第二世代の創造されし者内最強の存在ですのぉ。所詮は、第一世代のお姉さまが勝てるはずありませんのぉ」
「我々の指示に従い大人しく同行しなさい」
機械のような冷たい声。感情を一切感じない冷酷な顔。
室式聖華は、同じ創造されし者とは思えない……まるで、最初に会った香西朋華のような感覚だった。
「拒否します。その命令」
「何故ですか。この命令は、我々からでも増しては貴方の母君からでもない。あのお方からのものです。我々が逆らうことのできないあの方からの……」
「私の所有者はもうあの方ではない。私の、所有者は。鷹也様です」
「そうですか」
そう言って、勢いよく室式聖華が腕を振りおろした時、室式聖華と神上エリナの動きが突然止まった。
「……。了解ですのぉ」
「了解」
「?」
「命拾いしましたわね。でも、次来た時はそうはいきませんわよ?」
そう言って、瞬間移動をするように去っていった。
その日の夜。
「お前は寝ないのか?」
「はい。見張りを」
「お前だって奴らの狙いの内なんだぞ!? 大人しく家にいた方が……」
そう言って止めようとすると、香西朋華は首を横に振って口を開いた。
「家を破壊する可能性もありますよ。彼女たちなら」
「とんでもねぇ破壊兵器だな、おい」
「あの方の目的ですからね。それが」
「あの方?」
「……。何でもございません。ささ、早く寝ないと明日起きれませんよ」
「……」
「御休みなさいませ。鷹也様」
そこで意識が途切れた。