第二世代
その時、部屋中にインターフォンの音が鳴り響く。俺は逃げる様に玄関へと走り去った。
弱い自分が嫌になった。
ドアを開けるとそこには、
12,3歳くらいの金髪緑眼、白人ツインテール少女と
17,8歳くらいの銀髪赤眼、これまた白人のショート髪の少女が立っていた。
「桝井鷹也ですのぉ?」
口を開いたのは金髪少女の方だった。
「? ああ」
「見つけましたのぉ~。桝井鷹也、貴方、香西朋華。いえ、12,498号をお持ちですわよねぇ?」
「お、お前ら、奴に何の用だっ!?」
「あたくしたちは、貴方と彼女。両方に用がありますのぉ。所有者のご命令ですのぉ。大人しく我々に同行しなさい」
「……嫌だと言ったら?」
彼女は静かに笑い、呟いた。
「当然、力ずくでも連れて行くつもりですのぉ」
そう言うと、金髪は女の子が引っ張ってるとは思えない力で俺の左腕を引っ張り、引きずり出そうとしてきた。銀髪は動こうとせず、ただじっと開けられたドアの向こうを見ていた。
「さぁ。桝井鷹也、大人しくあたくしに捕まるんですのぉ」
「捕まれって……、もう既に捕まってるじゃん!」
「そんな呑気なこと、言ってる場合ではございませんよ。鷹也様」
すうっと、足音もたてずに香西朋華は現れた。すると、力を一切抜くことなく、香西朋華に話しかけた。
「初めましてぇ。朋華お姉さまぁ。あたくし、シリアルナンバー13,508。神上エリナですわぁ。こちらの方は、シリアルナンバー15,000。室式聖華ですのぉ」
紹介された聖華と呼ばれる女は何もしゃべらず、息してるのかさえ怪しい感じで、ただ香西朋華の方を見ていた。
「そちらの方から、手を退けなさい。私の大切な方から……」
「お姉さまぁ。闘う気でいらっしゃるんですのぉ? 無駄な事をするんじゃありませんわぁ」
ガンッと、勢いのいい音がした。
「なっ……」
「あたくしたちは、あくまでもお姉さまの後に出来あがった創造されし者なんですからぁ」
「そして」
「お姉さまより遥かに能力が上の『第二世代』が我々なんですものぉ~♪」
楽しそうに口元だけを笑わせ声も晴れやかな物にさせながら、神上エリナは言った。