13/28
競技用ラクダでの逃走
悲鳴と怒号の中で
川岸は死体で血の赤に染まり
圧倒的な軍勢と無敵を誇ったはずのサラディンの軍
今や崩れ去り、初戦で病を抱えた16歳の少年王に
してやられた。
戦場では
戦士であって
采配の妙を心得ている戦上手なサラディンだが
勢いに負け、馬さえ失う。
「してやられた!」
「王、サラディン様、此処はお逃げ下さいませ」
「うむ、あの競技用に持って来たラクダがあるな」
「では一旦、此処は引くついて来られる者達は共に来い!」
命からがら逃走する事になり 総軍は完全に崩れ
多くの戦死者を出す
その中には彼の甥もいた。
敗走…軍の立て直しにはやや時がかかる。
しかしながら、完敗という状況は
長い戦の中で一度きりであった。




