23. 生徒会室へ呼び出し
相川と風間の件が片付き翌朝、私はいつも通り学校へと向かった。
「どうしよう~・・・・・・」
いつもの様に校門前には数人の男子生徒がいた。
「今日は裏から入るか」
正門から入るのを辞め裏門に向かった。
「うげっ!!」
裏門の入口にも数人の男子学生が門の前にいた。
何でだよっ!!
毎朝毎朝、門の前で待ってるなんて暇人が!
これでは学校の中に入るコトが出来ない。
「仕方無い、各なる手は・・・・・・」
学校の敷地内には仕切りとなるフェンスがグルリと張られている。そのフェンスをよじ登り校内へ侵入し、視覚をついて忍び足で学校内に入った。
何で、こんなコトするかって?
いやいや、いちいちアイツ等の相手なんてしていられるか! たまに相手をしてストレス発散するのが自分にとっても相手にとっても丁度良いんだよ。
教室の扉を開けると笑顔で迎える相川がいた。
「おはよう武藤さん」
数学と書かれた教科書を握って待っていたようだ。
「お、おはよう・・・・・・」
席に着くなり教科書を広げる相川に聞いてみた。
「何、してるの?」
「朝礼が始まるまでの間、私が武藤さんに勉強を教えてあげる!」
・・・・・・はぁ?
いやいや、頼んでませんよ相川さん。
「いや、いいよ」
「遠慮しなくていいから」
いや、遠慮とかじゃなくて! 何なの一体?
私が困惑していると相川がとんでもないコトを言い出した。
「私も昨日の夜、色々考えたの、どうすれば武藤さんにとって良いか」
目を点にして聞いていた。
「それで他のコトに力を入れれば良いんだって気づいたの」
目を輝かせ相川が告げた。
「というコトで休み時間等、空いた時間は私が勉強を見てあげるわ!」
「・・・・・・いや、いいよ、てゆうか何でそうなるんだ?」
「まずは勉強の方に力を入れよう!」
入れようって笑顔で言うけど私は承諾してませんよ、相川さん! 昨日連れ回したコトに怒っているのか?
「いいよ、そんなコトしなくて!」
「何言ってるのよ、ここで頑張らないでいつ頑張るのよ?」
机をバンッ!! と叩き前にのけ反る体制で言って来た。教室の中にいる他の生徒達は驚きコッチを見ていた。
目を見開き鼻息荒く詰め寄る相川が怖い。
「き、気が向いたら・・・・・・ね」
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン
朝礼の予鈴で助かった。
頬を膨らませ相川がコッチを見ている。
「おはよー席に着けー」
クラスの担当教師が朝礼を始めた。
納得いかないのかコッチを睨みながら渋々、席に着いた。
「今日は珍しく朝からいるな武藤」
名差しはやめてくれ~・・・・・・
「午後もその調子なら言うコト無いんだがな~、それじゃあ朝礼は終わり!」
担当教師は朝礼が終わると出ていった。
「さぁ一限目が始まるまでの時間を使って勉ーーー・・・・・・」
立ち上がり私の所まで足早に近づいてくる相川の期待を裏切った。
ピンポンパンポーン~・・・・・・
『生徒会より呼び出しです、一年の武藤、武藤蘭香さん至急生徒会室へお越し下さい』
生徒会からの呼び出しーーー・・・・・・
相川を見ると頬を膨らませ真っ赤になってプルプル震えてる。
「今度は何をやったの?!!」
待て待て、何でやらかした前提で話しているんだ。何もしてないぞ!
「何もしてないって・・・・・・まだ」
「まだって何よ、まだって!」
顔が近いですよ相川さん。アップはキツイですよ~。
「私も一緒に行くから来なさい!」
耳を引っ張り教室を出て生徒会室へ連れて行かれた。
「イタタッ・・・・・・痛いって、そんな引っ張らなくても行くって」
ズンズンと生徒会室の前まで連れていかれ、相川は扉を開けた。
「すいません相川です、武藤さんを連れて来ました!」
部屋の中には生徒会長と生徒委員がいた。
「呼び出して申し訳無い」
「さぁ言いなさい、何をしたのか!」
まだその話し終わってなかったのかよ。
「だから何もしてないって言ってるじゃん!」
ヒートアップする相川に圧されたじろぐと生徒会会長が相川を止めた。
「相川くん、その辺にしてくれ」
「彼女を庇うんですか?」
「相川さん、落ち着いて」
生徒委員の一人が相川を宥めた。
「武藤くんを呼んだのは私の方からお願いがあったからだ」
お願い? と目を点にする相川が東生徒会長に聞いた。
「武藤さんが悪いコトしたから呼ばれたんじゃあ?」
「いいや、もしそうなら私じゃなくて生徒指導の方から呼び出される筈では?」
私は目を細め相川を見た。
「・・・・・・えっと、ごめんね」
何も言わずジィ~っと相川を見た。
「な、何よ、疑われる様なコトする貴女が悪いんでしょ!!」
え? 何、逆ギレ?
「これで分かっただろ、何もしてないって」
襟首を掴んでいた相川の手を払い制服を直した。
納得がいかないのか目線を反らし口をへの字にして不機嫌な顔で側にいた。
「それでお願いというのは?」
用件を聞き出し手早く済ませようと本題に入った。まぁ、呼び出した内容については大体検討は着いている。
「武藤くんにお願いしたいのは前に言った選抜選手の件だ」
だろうなとは思った。
側で聞いていた相川の瞳がまた輝き出した。
「そうよ武藤さんは才能があるんだから、これを機に部活に入って力をいれたら良いわ」
そうしましょ、その方が良いわとグイグイ詰め寄って来る。腕を掴み強引に迫る相川の顔が怖い。
怖い、怖い、相川の顔が怖い! 互いの鼻先が触れてしまう位の距離感に耐えられずゆっくり背中からのけ反り、逆エビ反り体制で相川のマシンガントークから逃れようとした。
暴走気味の相川を東生徒会長が止めた。
「相川くん、その辺に」
「でも、彼女が学校に貢献出来る機会じゃないですか!」
おい、何が貢献だ! 勝手に話しを進めるな。そもそも貢献云々言うんなら、風紀委員の役職でありながら何もしてないお前に言われたくない!
「そういうコトは強制するモノではないよ」と東生徒会長は相川に言うと相川はシュンとなった。
東生徒会長は咳払いを一つして話しの続きを始めた。
「改めて、もう一度お願いしたい、考えて貰えないだろうか?」
私はタメ息を一つした。
「申し訳ありませんがその話し辞退します」
「理由を聞いても良いかね」
東生徒会長は辞退する理由を聞いて来た。他の生徒だったら代表選手に選ばれたらその場で跳び跳ねたり小躍りしたくなる程、喜ぶ話しだろうけど私は違う。
「まぁ簡潔に言うなら、これ以上恨みゴトを増やしたくないからです」
恨みゴト? と相川は首を捻った。
「既にいる選手と交代させたら、その人の恨み事を買うことになる。」
只でさえ学校にいる間は不良達に目を付けられて大変なのにこれ以上の無駄な争い事は避けたい。
「これ以上学校内が居心地悪いのはゴメンです」
東生徒会長は少しの間、沈黙したかと思えば静かに口を開いた。
「君にも色々あるようだが私達も引く訳にはいかないのだよ」
東生徒会長が合図すると一人が立ち上がり扉を開けると部屋に入って来た。
「紹介しよう彼らは選抜の選手達だ」
私の前に現れたのは選抜選手の主要人物達だった。




