謎の行列
金曜日になると現れるゾロゾロと歩く13人程の黒装束の集団。
その集団は列をなして歩いていた。
藤山はそれを目で追って見ると自分の家の近くにあるが、一度も入った事も無い小さなレストランに入って行った。
藤山は何度も行列に声を掛けてみたいと思っているが、勇気を振り絞ることが出来ない。
一体奴らは小さなレストランで何をしているのか、好奇心は日に日に強くなる一方だった。
最後に黒装束の連中を見てから一週間後、藤山は遂に今までしたかったことを実行する事にした。
あいつらが来る時間帯は大体決まって、午後の3時ごろであるのだ。
午後の2時半に家の窓からレストランのあたりの様子を伺っていると毎週金曜日に、足音が近づいてくるのが分かった。
藤山は急いで靴を履き、黒装束の集まりに小走りで近づいた。
連中は近づく人物に気づき、先頭のリーダーらしき仰々しいアクセサリーを付けた人物が片手を上げ、後ろに止まるように合図を送った。
先頭の者に軽く会釈をし軽い自己紹介を済ませると、藤山は意を決して口を開く。
「私の名前は藤山藤男と言います。もし宜しければそちらが金曜日にレストランでいつも何をしているのか教えてくれませんか」
自己紹介と質問をし終わってリーダーらしき人物がまるで品定めをする様に藤山を一瞥した。
先頭の人物は、ママラと名乗り、迷惑そうにその場を後にして、レストランに入って行った。
その日の夜、藤山は布団の中で、一体あの黒装束のクー•クラックス•クランのような連中は何をしているの気かになって夜の2時半まで、眠りにつく事が出来なかった。
一週間後の早朝。藤山宛に一つの段ボールが届いた。
最近通販で買い物をした覚えはないが、興味本位でダンボールを手で乱雑に開けた。
箱の中には一通の手紙と、あの連中が来ていた目の付近以外、一切体を露出することの無い黒装束が入っていた。