第5話
1年経った…
私は彼が亡くなった事に酷くショックを受けて
いわゆるニートをしていた
彼の悪口を言っていた会社には行きたくなくて
会社を辞めて、少し貯めたお金で生活していた
ある日、私はいつも通り部屋で携帯を弄っていた
そして携帯が鳴った
「…誰?今良いところなの…に?」
そこには、私のよく知っている彼の名前が表示されていた…
(流石にイタズラ電話にしてはタチが悪すぎないっ⁉︎)
とても不愉快な気持ちになった
でももしかしたら彼の声が聞けるかもしれない
少しでも、ほんの僅かに彼の声が聞けるかもしれない
誘拐犯とか彼の周りの人が私の携帯に繋がらないから
彼の電話を利用して私と話がしたいだけかもしれない
でも、それでも懐かしく、愛しい彼の携帯から電話が
来た、それだけで私は、電話に出るという事を即決した
そう……いつも通りに彼に対する気を許した喋り方で…
「もしも〜し
どしたの?」
いつも通り、彼に対する喋り方で…
「あ、もしもし?」
違った。彼じゃない
可愛らしい彼じゃない声
でも不思議。さっきまで不愉快だったのに…何か懐かしくて聞くだけで
嬉しくなる声…
でも彼の携帯を使っているの。絶対まともじゃない奴に違いない!
私は警戒している様子を見せない完全な疑問符が見えるような声で
彼の携帯から聞こえて来た声の持ち主に返す
「…誰ですか?」
見てくれてありがとうございます!