第48話
人にとっては不快な感じの内容になるかも?
カナこと、島村夏菜子は拗ねていた。
あまりに重くドロッとした普通ではない感情を抱いてはいるが、
その感情の湧きどころは拗ねているの一言で済むだろう。
昼寄りの朝に蛍の様子を見に行ったら蛍はいなく、
そういう事もあるかと、連絡を飛ばしても返って来ず、
意固地になって返信が返って来るまでメールを送る。
これが真相である。
真相(笑)である。
そのあと、空が暮れてきた辺りで連絡は来たものの、
このまま返して終わり、じゃ気が済まない!と
なった結果、放置というやられた事をやり返すという、
子供のような事をしているのである。
もう一度言おう、真相(笑)である。
ドロドロと、黒い感情が湧き上がっている。
ニマニマと、顔がニヤついてしまう。
メールの受信欄には蛍から寄せられる心配のメッセージ。
それも5件も。
ああ。どうだ!
これが私が抱いた感情だ!
きっと蛍の事だ。
心配でこの家にも押しかけて来るだろう。
その時にネタバラシして、彼と心配し合ったと言い合い、
二人で心配した分いっぱいくっついていっぱい話し合って
いっぱいいっぱい……
ずっと一緒にいよう。
来たる未来に頬を三日月に歪め、クフッと笑う。
そして、
ピンポーン!
来た、そう考え椅子に座ったまま背筋を意図せず伸ばす。
ガチャガチャ!
扉が開いた音がする。
鍵はかけていたので蛍で確定だろう。
足音が近づいて来る!
夏菜子の焦る気持ちが汗となって現れる。
そして、
ガチャリッ!と目の前の扉が開く。
ああ!来た!
彼は怒るかもしれない。優しい人だから人一倍心配して。
でもそれも良い。怒られたあとに私も心配してたんだよと打ち明け、
仲良く抱擁を交わすのも良い。
そして夏菜子は蛍に話しかけようとする……そして
その綺麗な翠の眼から流れる一筋の雫を見て、言葉を失った。
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