第3話
まあ起きるんですけどね
ふと時計を見ると、もう11時近くになっていた
「あ、仕事…」
そう言って、自分の女の子の様な声でショックを受けた
「夢じゃなかったのか…どうしよっかな」
俺は今まで経験して来なかった事に戸惑いながら
今の状況を確認しないといけないな、と思いつつ
いつも朝ご飯を適当に食べながら会社に行く準備をしている
リビングに向かった
リビングに着いて
いつもと違う視点で自分の身長が小さくなった事を自覚しながら
テーブルに置いてある鏡を見る
そこには
生まれたばかりの赤子の様に綺麗な肌に
今にもキラキラしだしそうな綺麗な銀髪
そしてエメラルドの様に綺麗な緑色の目で
こちらをどこか疲れた顔で見ている美少女の姿があった
すると美少女は驚いた顔をした
自分も驚いた顔をした自覚があったのでこの顔をした顔が自分のものであること
が分かった瞬間、俺は大体のことが分かった
つまり、まとめると俺は、性転換したんだと思う
しかも凄い美少女にだ。分かったけど状況が飲み込めないなぁ⁉︎
なんで俺が…とか考えていたらふと、この状況がすごく不味い状況な事に
気づいてきた
だって、今の俺は、ぶかぶかの服を太ももぐらいまで垂らして着ているのだ
服の下はパンツしか履いていない
しかも男物のパンツだ…まあ、当たり前なんだが
逆に女物のパンツを履いていたら
変態か犯罪者だろう
それはともかく、今の俺は
外に出られるような格好では無いことが非常に不味い
状況を確認なんて
外に出た方が家でこもっているより早いに決まっている
……まあ状況にもよるが…
それにこの服は
俺が中学3年生の頃に
母からプレゼントとして貰った物だ
つまり、この服から分かることは
1つ、俺の身長は中学3年生の男の子位だという事
2つ、この服はもう着れないから実家で大切に置いてるのに、俺はその服を
今、一人暮らしの俺の家で着ているという事
3つ、2から分かるように、誰かが
俺を女の子にして、この服を着せて、俺の家まで運んだ上で
なんらかの手段を用いて俺を生き返らせたか、もしくは、生き返らせたのではなく
俺をキャッチした人から俺を攫って、この3つの事をしたかだ
1は、まあ男子より女子の方が身長が低いし
俺が女になったらこんなものという事だろう
2は…一回実家に行ってみないと分かることは少ないかな
3については推測だが、まあ一応
ない話でも無いだろう……生き返らせる方は流石にないか
まあ、人を生き返らせる事なんて出来たら
世間は黙っちゃいない
つまりは、俺は死んでいない誘拐パターンの方が確率は高い
誘拐されたのに家に居るのも変な話だが…
まあ、こんな事を考えていても仕方ない
どうやったら、外に出られるか考えた方が良いだろうな
でもなぁ〜……友達か家族に相談するぐらいしか
手段が無いよなぁ…
仕方ない…
こうなったら、頼れる(笑)のアイツに頼ってみるかな…
そう考え、「アイツ」に電話する
……
プルルr
ガチャ!
(はええな!おい!)
「もしもし?
どしたの〜?」
「あ、もしもし? カナ〜?
少し相談に乗って欲しいから、俺の家来てくれ〜」
「………誰ですか?」
「あ…やべ」
…やってしまった。さっきまで自分でこの声に驚いてたのに何やってんだ俺。
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