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真夜中のラブレター
あの子への想いを綴った
真夜中のラブレター
興奮して 寝付けなくて
寝坊して 机に置き去り
思い出して走って家に帰る
部屋はいつもと同じ様に散らかっていて
僕はホッとしたけれど
読み直して あまりの恥ずかしい文面に
即座にそれをビリビリに破り
ベッドでのたうち回った
そのあときっかけを失ったまま
なにも伝えることはなく
あの子の隣には違うクラスの男
もしあの時まかり間違って
ウッカリ勢いで出していたとして
あの子の隣には僕がいたのかな とか
そりゃあホンの少しくらいは
考えない訳ではないけれど
とりあえず今思うことはひとつ
ラブレターを書くとしても
真夜中はオススメしない
ちなみに彼は気付いていませんが、お母さんはしっかりと読んでいるのです。
いつも掃除機をかけたあと、散らかした状態に戻して部屋を出ているのです。