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少年風景  作者: 砂臥 たまき
4/45

ノスタルジック・ヒーロー


行かないでって言えなくて

部屋で留守番をしてた冬

僕はちょっとした好奇心から

マッチに火をつけて火傷した


幸いそれ以上のことはなくて

僕がちょっと指先に

火傷しただけで済んだ


指先はジンジンしてとても痛かった

だけど僕は怒られるのが怖くて

布団の中で濡らしたハンカチを

こっそり指に巻いていたんだ


それはお気に入りのヒーローの

プリントされたハンカチで

泣きながら僕は主題歌を口ずさんだ


指先はジンジン痛いまま


火傷した指には痕は残らず

僕はそれを忘れてしまった


だけど久しぶりに思い出して



行かないでって言えてたら

火傷したって言えてたら

火傷の痕が残ってたら


なにか違ったのかなって


そんなくだらないことを

ちょっとだけ考えた



ヒーローは今もタンスの中にいるけど

もう出番はこない


僕はちょっとした好奇心から

今もまた痛い思いをしてる


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― 新着の感想 ―
[一言] >僕はちょっとした好奇心から >今もまた痛い思いをしてる この最後の二行が心に染みて来ました。
[一言] いつも思うのですが、何故砂臥さんは女性なのにこんなに思春期男子の鬱屈とした気持ちがわかるのかッ!! 今度思春期男子が主人公の現実世界恋愛小説を書いてみては?(無茶ブリ)
[一言] なんというか思春期の傷を広げられているような、懐かしい感情です。 たら、れば。あの時に比べてそう考えることが少なくなったかもしれません。 んっ? 訂正します。今でもよく考えてますね(汗)
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