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安いプライドに捧ぐ
好きなものに囲まれて培ってきた僕の感性
まさに脈々と流れる僕の血液の中には
彼等の言葉が息づいていて
いつだってそれは臆病な僕の背中を
少しだけ押してくれた
だけど歩いたのは僕
歩くと決めたのも僕
彼等の言葉が僕を生かしたとしても
僕の言葉は僕自身の言葉
くだらない嫉妬に苦しんで
つまらない自分に嫌になりながら
紡いだ僕の日々は僕だけのもの
そこに価値なんかないと
そこに意味なんかないと
そんなことはわかってるんだ
壁に描いた落書きが汚れと同化して
見えなくなるのと同じように
人目に触れることなく消えてしまって
そんなチープなだけの例えしか思い浮かばない
クソみたいにそんなものを並べただけの
誰の心にも残らないそんな言葉だとしても
僕の言葉は僕
全身全霊ではないズルさがそうさせて
中途半端だと嘲笑されても
僕の言葉は僕
ただの彼等の模倣で
なにひとつ価値のない亜流
そうだとしても
僕の言葉は僕
僕の言葉は僕