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83話 対多数クエスト

用語説明w

PIT:PIT:個人用情報端末、要はスマホ。多目的多層メモリを搭載している

シグノイア純正陸戦銃:アサルトライフルと砲の二連装銃

巻物:使い切りの呪文紙で魔法が一つ封印されている

モ魔:モバイル型呪文発動装置。巻物の魔法を発動できる

倉デバイス:仮想空間魔術を封入し、体積を無視して一定質量を収納できる


サイモン分隊長:MEB随伴分隊の分隊長。巨人族の血を低く巨漢で丸坊主。蒼い強化紋章を使う(固有特性)


昨日は二日酔いで非番を無駄にしてしまった

やりたいこといっぱいあったのに…


飲み会の最後はグダグダだった

フィーナとカヤノが何かの話題で盛り上がってる横で、サイモン分隊長につられて飲み過ぎてしまった



今日はサイモン分隊長とクエストを受注

金を稼いで、センサー系の装備を早く揃えたいんだ


「サイモン分隊長、新武器ですか?」


「いや、以前買ったんだが倉庫で眠ってた奴だ。今日は俺も攻撃の手数を出した方がいいと思ってよ」


サイモン分隊長の手には、大きめのガトリング砲があった

両手持ちで使う重火器なので、盾をメインに戦闘を組み立てるサイモン分隊長にしては珍しい


今日は多数のモンスターが相手だからだろう


今回のクエストは、キラーマンティスの討伐だ

先ほど一匹撃ち殺したが、1.5メートルほどの大きいカマキリって感じだ


キラーマンティス:Eランクモンスター

単体では脅威が少ないが群れを作るので注意

微量の魔属性を帯びている


キラーマンティスが繁殖しており、五十匹ほどの討伐依頼が出されたのだ


「この先に広場がある。林に入ると木の上からも攻撃されるから、なるべく広場内でケリをつけるぞ」


「了解です」


広場の真ん中まで来ると、俺は引きずっていたキラーマンティスに液体燃料をぶっかける


「それじゃ燃やしますよ?」


「おう、いいぞ」


俺は火を付けてキラーマンティスの死体を燃やす

嫌な臭いが煙と共に立ち込めてきた


「データ、敵の接近を教えてくれ。それとモ魔を使うからPITのタスク管理も頼むな」


「ご主人、任せてよ!」


キラーマンティスは、同族の焼けた臭いに集まる習性がある

昔からこの方法で集めて罠にかけるらしい


今回の罠は、俺たちの弾丸祭りだ


「来たぞ! 射線が交わらないように気を付けろよ」


「了解です!」


臭いにつられたキラーマンティスが林から出てくるのが見える




ダダダッ ダダダッ!


数発の弾丸が、キラーマンティスに命中し呆気なく倒れる




「ご主人! 東方向に三匹!」



データの声に振り向き、射撃


ダダダッ!


同時にサイモン分隊長がガトリングを向ける


ヴォォォォ…



うおぉぉっ、た、弾数が違う

射撃音が連続しすぎてて変な音がする!


障害物のない場所で、遠距離攻撃の無い敵に銃は強すぎる

攻撃されない位置から一方的に攻撃できるのだから




……







余裕を持って、順調に対処していく

しかし、だんだんとキラーマンティスが数を増してきた


「サイモン分隊長! とっくに五十匹超えてませんか!?」

俺はモ魔で巻物を読み込みながらインカムで叫ぶ


「数を見誤った! ここは逃げ道がない、数を減らすしかないぞ!」


そう、ここは林に困まれた野原

そして、周囲の林から満遍なくキラーマンティスさんがやって来るのだ


「くそ! 数が多い!」


ちょっと距離を詰められてきた

俺はモ魔を実行する



ビュオォォォォォ!


小さい竜巻が立ち上がり、三、四匹のキラーマンティスが巻き込まれる



ダダダッ!


だめ押しの射撃で、何匹かを撃ち殺す



魔導師がいれば範囲攻撃で一気に数を減らせるのだが、いないものはしょうがない

モ魔のバッテリーを捨てて交換、巻物をセットしてロード!



ダダダッ ダダダッ ダダダッ!


その間に近づいてきたキラーマンティスを射撃で止める



「データ、ロードが終わったら斜め前の塊に魔法をに撃て!」


「…ご主人、撃つよ!」


魔法の発動をデータに任せて、俺はアサルトライフルを撃ち続ける



ゴオォォォォォ…



また、何匹かのキラーマンティスを巻き込み竜巻が巻き起こり、その後ろのキラーマンティスが足止めされる



ダダダダダダッ!


右側のキラーマンティスをアサルトライフルで射殺



竜巻でキラーマンティスを足止めしている間に、モ魔のバッテリー交換! 巻物交換! ついでにアサルトライフルのマガジン交換!



ダダダッ ダダダッ!


ゴォォォォォ!


ドッゴーーーン!



竜巻と射撃、たまにハンドグレネードでキラーマンティスを減らす


はい、モ魔のバッテリー交換、巻物交換、アサルトライフルのマガジン交換!



ガシュッ!



手が足りなくなったら、ショットガン!



ダダダッ ダダダッ!


ゴォォォォォ!



そして、竜巻と射撃!


銃の射撃は、発射された弾丸が一瞬で対象を破壊して効果が終わる

しかし、範囲魔法は「効果時間」が存在する

俺が好んで使っている風属性竜巻魔法の巻物は、約5秒ほど竜巻が構成され続ける


攻撃と同時に足止めができるのは大きなメリットだ

銃にはない範囲魔法の利点だろう




………




……







ほい、モ魔のバッテリー交換、巻物交換、アサルトライフルのマガジン交換!



ダダダッ ダダッ!


ビュォォォォォ!




……







ふう、バッテリー交換、巻物交換、マガジン交換!



ダダダダダダッ!


ゴゴォォォォォ!







めんどくせぇぇぇ!


「データ! モ魔の装填って自動化できないのか!?」


「ご主人、アバターなんかじゃ無理だよ! でも、外部稼働ユニットのモ魔機能付き買ってくれればできるよ!」


「外部稼働ユニットってロボットみたいな奴だろ!? 今度見に行こう!」


「ご主人! 了解だよ!」



ガガガガッ…


ゴォォォォォ…




……







ようやくキラーマンティスが途切れ、そして生き残りが逃げていった


「あー、やっと終わったな」

サイモン分隊長が伸びをする


「はい…、これ、百匹越えてるんじゃないですか?」


倉デバイスが無かったらとっくに弾が尽きていた

持てる物資の量を増やせるというのは、地味だがとても素晴らしいと思う


「ああ、報告して調査上申あげておこう。さすがにこの数はおかしい、もしかしたらハカルの工作員が繁殖させてるかもしれねえからな」


「帰ったら上申の書類作りますよ…ゴホッ ゴホッ!」


なんか喉が痛い、咳も出るし風邪か?


「ラーズ、回復薬飲んどけよ。キラーマンティスの体は魔属性を帯びてるから、細かい組織を吸い込むと気管支がやられるぞ。回復薬の聖属性でしっかり中和するんだぞ」


「あ、なるほど! 魔属性吸い込んで軽い呪いみたいになってるんですね…」

そう言って、俺は回復薬を飲む


初期なら回復薬が効くが、完全な呪い状態や魔属性中毒症状になってしまったら専門の治療が必要になってしまう


まだまだ知らないことが多い

どんどん実戦に出て経験を積まなきゃな



さて、そろそろゼヌ小隊長が呼んでくれる暗殺者の先生も来るみたいだ

気合い入れていかないとな



ブクマ、評価、本物にありがとうございます

読んでもらえて嬉しいです


次回から、修行回に入って行きたいと思います

まったりやりますので、読んでもらえたら嬉しいです

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