表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/396

62話 仕事帰り

用語説明w

魔導法学の三大基本作用力:精神の力である精力(じんりょく)、肉体の氣脈の力である氣力、霊体の力である霊力のこと

魔力:精力(じんりょく)と霊力の合力で魔法の源の力

輪力:霊力と氣力の合力で特技(スキル)の源の力

闘力:氣力と精力(じんりょく)の合力で闘氣(オーラ)の源の力


サイモン分隊長:MEB随伴分隊の分隊長。巨人族の血を低く巨漢で丸坊主。蒼い強化紋章を使う(固有特性)

フィーナ:二歳下でラーズの戸籍上の妹、龍神皇国のBランク騎士として就職している

サイモン分隊長と飲みに来た

相変わらずサイモン分隊長常連の居酒屋「四季」だ

つまみも悪くないので特に不満はない


グビッグビッ…

「Bランクモンスターは初だったんだろ? どうだったよ」


ゴクゴク…

「怖すぎました。かなり遠距離から炎吐いて狙撃してくるし、ただ逃げるだけだと思ってたら全然引き離せないし!」


グビグビ

「Bランクは俺達じゃ手に余るよな」


パクパク

「魔石装填型の小型杖に助けられましたよ。レベルの違う敵にもある程度効果あるし、引き寄せの魔石なんかは逃げる時にも使えますからね」


グビィ~、プッハァ…

「あー、確かに魔石の補助魔法効果は敵選ばず有効かもな」


ゴクッゴクッ

「そういえば現場で、Bランクの戦闘員の方からアドバイスもらったんですよ。ボルドーさんって言うんですけど。あ、おばちゃん、ビールお願いします!」


「お、ボルドーか。インファイトハンマーのボルドーだな、戦う所見れたのか?」


ガツガツ

「ちょっとだけですね。Bランクの戦闘員が四人いたんですけど、一回づつ攻撃しただけで仕留めちゃったんですから。凄すぎて何の参考にもなりませんでしたね」


「お前が囮やってる間に力溜めといてぶっぱなしたんだろ? 貢献できたってことだろ。むしろ包囲して集中攻撃できる配置が参考になるだろうが。お、おばちゃんありがとう」

ビールを受け取るサイモン分隊長


「…なるほど。火力ばかりに目が行って配置とか全然見てませんでした。逃げ回ってて見る余裕も無かったですし」


グビッ…グビッ…

「ま、それはしょうがないな。アドバイスって何言われたんだよ」


ゴクゴク

「テスノトリウをロケットハンマーでぶん殴ったんですけど、ダメージ与えられなくて方法無いかって聞いたんです。そうしたら、力学バリアの範囲内で火力出せればダメージ与えられるかもって教えてくれました。パイルバンカーをお勧めしてましたね」


グビグビ

「パイルバンカーか…。射出するパイルの素材を考えればロケットハンマーより火力出るかもしれないな」


ゴクッ…

「でもいきなり新しい武器買う金は無いんですよね。とりあえずは、ゼロ距離からのスナイパーライフルでやってみようかと思ってます。破壊できる半径は小さいですけどね」


プッハァ~

「いいと思うけぜ。けどよ、俺達でBランクのモンスターなんて普通は相手にしないからな。させられても戦死者出るだけだしよ? しっかり、Cランク相手での部隊行動を身につけることの方が大事だぜ」


フハァ~

「確かにそうですね。今回はBランクの戦闘を間近に見れて刺激になりましたけど、二度やりたくないですしね」


…また飲み過ぎた

サイモン分隊長、飲むペースが早いから引っ張られていつも飲み過ぎちゃうんだよな




・・・・・・




ちょっと千鳥足…

過去の豪傑で酒に酔ったところを襲われた奴がいるらしいが、確かに酔っぱらってると抵抗なんて出来ないと思う


「ただいまー」

俺はドアを開けて、自分に家に入る


「お帰りー」


フィーナが俺を見て答える

シャワー後らしく、髪が濡れている


ドキッ…


…今ドキッとしたのか、俺?

いかんいかん、何を考えてるんだ

フィーナがちょっと色っぽく見えてしまうなんて


いや、フィーナはかわいいし、それは認めている

だが、兄である俺がフィーナをそういう目で見てしまうというのは…、酔ってるってことだな、うん



「どうしたの?」


「な、何でもないよ! 俺もシャワー浴びてこよう」


「まだ浴室温かいから入った方がいいよ」

フィーナはそう言って缶ジュースを飲み始めた




シャワーを浴びてサッパリした


「今日は飲み過ぎた…。水がぶ飲みして寝るよ」


「さっき、207号室のホセさんからゲーオジュースもらったんだけど飲む?」


「ホセさん、よくお土産くれるけどまた出張?」

俺は頷きながら答える


ホセさんは、同じアパートの住人だ

ノーマンのおっさんでビジネスマンらしく、よく出張に行っている


「そうみたい、出張多い人だよね。何の仕事なのか未だに分からないけど」

フィーナがゲーオジュースのピンク色の缶を渡してくれる


今度会ったらお礼を言わないとな

このアパートは、ちょうどいい近所付き合いがある

多くもなく、全く無いわけでもなく、ちょうどいい

このバランスは大事だと思う


「ごくっ」

…甘っ! ゲーオジュース甘っ!

ゲーオは、ウルの南半球の国のフルーツだった気がする



「サイキックの調子はどうなの?」

フィーナが思い出したように聞いてくる


サイキックが発現したばかりの俺は、前回のサイキック訓練で知恵熱と頭痛にやられたんだ

あれはきつかった


「また、精力(じんりょく)を感じる訓練をやったけど、今回は大丈夫だったよ。少し控えめにやってもらったこともあるけど」


「よかったじゃん、慣れてきたんじゃない?」


「そうだね。あと、いずれサイキックの使い方のイメージを考えた方がいいって言われたよ」


「イメージって、精力(じんりょく)の使い方のイメージってこと?」


「そうそう、それ。俺のサイキックはテレキネシスらしいから、とりあえず一個の物を持ち上げられればいいかなって思ってるんだけど」


「うん、最初は一つの物を動かせてからでいいと思うよ。それができてから、いろいろ練習すればいいし」


「ちなみにフィーナのサイキックって何ができるの? 今まで気にしたこと無かったから聞いたことなかったよな」


「私はテレキネシスもテレパスも使えるハイブリッド型だよ。どっちかっていうとテレパスが得意で、相手の脳内にこっちのイメージをぶつけるハック型が得意かな」


「何か使い方が怖い」


ハック型って何だ

テレキネシスとテレパスってどっちも使えるんだな…


「魔力や輪力…つまり、魔法や特技(スキル)での精神属性系統の効果って強力だけど、防御方法が確立してるから対策できちゃうでしょ? でも、テレパスによる精神系統の効果って対策難しいから使い所多いのよ。ラーズも慣れてきたら試してみるのもありだよ」

フィーナは当たり前のように説明する


いや、絶対簡単に出来るようになるわけないよね?

フィーナだから出来てるだけだよね?


「ま、慣れたらね…。俺の場合は、まず知恵熱出ないようにするレベルだからな」


サイキックの訓練は、無理すると頭痛でやられる

ゆっくりやろう


しかし、フィーナってやっぱり凄いな

Bランクの戦闘員で魔法のエキスパート

更に、希少な能力であるサイキックまで使いこなすって…


ま、せっかく俺にも希少なサイキックが発現したんだ

地道に頑張ろう


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ