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36話 新鎧フェムトゥ

用語説明w

フェムトゥ:外骨格型ウェアラブルアーマー、身体の状態を常にチェックし、骨折を関知した場合は触手を肉体に指して骨を接ぐ機能もある

イズミF:ボトルアクション式のスナイパーライフル。命中率が高く多くの弾種に対応している


サイモン分隊長:MEB随伴分隊の分隊長。巨人族の血を低く巨漢で丸坊主。蒼い強化紋章を使う(固有特性)

シリントゥ整備長:整備班の整備長。ドワーフのおっさん

「訓練では、スナイパーライフル結構当たるんですけどね」


「隊の射撃場は丘をくり抜いてるだろ?風が入って来ないから当たるんだよ」


「風の影響結構ありますよね。鎧サイの時、たかだか百メートル位でもずれましたからね」


「ずれるよなぁ…。でも、うちの小隊でスナイパーライフル使うのは俺とラーズだけだから、使えるようになってもらうしかないけどな」


「二人だけって少なすぎません!?」

狙撃ってかなりの頻度で使うよね


「そのかわりカヤノやジードは遠距離からの殲滅が出来るからよ。使い分けだよな」


「カヤノは思念誘導弾ですか?」


「そうだ。思念誘導弾は結構遠くまで届くのに弾数が多いから殲滅出来る。ジードは爆破魔法を付加して弓が使えるぜ」


「カヤノのサイキックって万能ですよね。ジードもいろんなこと出来るし凄いっすね」


「二人とも性格がぶっ飛んでる所が玉に傷ってやつだよな」


「あっはっはっは! 確かに!」

サイモン分隊長と昼食中だ


まもなく、シリントゥ整備長に手配してもらった俺の外骨格型鎧が届く

商品名を「フェムトゥ R3」という


楽しみすぎる

俺のフェムトゥ…早く会いたいぜ


「楽しそうだな、顔が腹立つぜ」

サイモン分隊長が、サラダを口に詰め込みながら言ってくる


「ひ、酷くないですか?」


言いながらニヤニヤが止まらない

この鎧は凄い悩んで決めたから、来るのが楽しみでしょうがないんだ


「ま、鎧が楽しみなのは分かるが、後は呪いの強さだよな。防衛軍のアーマーに比べたら、防御力や保護力は段違いだからそこは期待できるだろうしな」



防御力とはその鎧の硬度

保護力とは、吹っ飛ばされたときなどの人体の保護力を示す


違いとして例をあげると…

防御力が高く、保護力がほぼ無いプレートアーマーを着てトラックに跳ねられるとどうなるか?


プレートアーマーは傷つくだけで凹まない

だがそのプレートアーマーの中で、人体は肉塊に変わってるって感じだ


外骨格型は、防御力よりも保護力を重視したタイプで、高速で動く俺のホバーブーツと相性がいい



そろそろ届く頃かな?

俺はサイモン分隊長中庭に行く


泉竜神社の宮司さんには連絡済みだから、まもなく来るだろう



・・・・・・



「お、来てるじゃねーか」

サイモン分隊長が指を指す


宅配業者がトラックから直方体の木箱を下ろし、シリントゥ整備長が書類にサインをしている

ちょうど人が入るくらいの大きさだ


「やっと来たな」

シリントゥ整備長が、早速木箱を開け始める


「はい。後は呪いがどうなってるかですね…!」


手際よく釘が抜かれ、蓋が開く


黒っぽい灰色の鎧

足首から下、手首から先、首から上が無い人の形をした鎧だ


「これがフェムトゥですか…」


「ああ、そうだ。これがヘルメットだな」


ヘルメットはフルフェイス型で、目と口の部分が開いているタイプだ


被れるのかな?


「おいぃぃぃ! 呪いだって言ってんだろ!」

シリントゥ整備長が焦って止めた


「おぁっ! う、浮かれて完全に忘れてました!」

危なく被ってしまうところだった…



「こんにちはー」

泉竜神社の宮司さんが来た


「お、これが呪われた鎧ですね?」


「そうなんですよ。今届きました」


「早速見ちゃっていいですか?」


「はい、お願いします」


宮司さんは、メーターから伸びた複数の電極を鎧の胸や手足に当て、更にお札を十枚くらい貼っていく

なんだかキョンシーの心電図を計っているみたいだ


「宮司さんよ、このメーターはなんなんだ?」

シリントゥ整備長が興味を持ったようだ


「これは、微弱な霊波を検出します。霊力を持ったお札を貼ると、呪いの霊的構造に干渉し、その変化で呪いを検査してるんです」

宮司さんがメーターを見ながら答える


「ほぉ…。面白いな」



十分ほどで宮司さんが検査を終えたようだ

「呪いの種類は魔属性の侵食タイプですね。完全な徐霊は時間かかりますし、費用も五十万ゴルド以上はかかるかと思います」


「五十万ゴルドって、結構かかりますね…」


「侵食タイプの呪いは、その霊的質量の大部分を呪いの維持に使ってるんです。その分害は少ないんですが、消すのは難しいタイプですね」


「なるほど、勉強になります。霊札スイッチは使えそうですか?」


「大丈夫です。五千ゴルドと一万ゴルドの霊札をお渡しするので、合う方を買っていただければと思います」


「ありがとうございます、今回のお代と合わせていくらですか?」


「二万ゴルドでいいですよ」


「え、霊札で一万五千ゴルドするのに安すぎませんか?」

呪いの出張検査で三万はすると思うけど


「いつも私たちの生活を守ってもらってますしサービスですよ。今後もご贔屓にお願いします」


サービスされちゃった

助かります



・・・・・・



こうして、フェムトゥ R3 が正式に俺の鎧となった

後は、フィーナに借金を返すだけだ


「サイモン分隊長、どんどんクエストやりたいんでお願いします!」


どんどん稼がなきゃ


「それはいいけどよ、先に一人立ちしなきゃな」


「一人立ちって何ですか?」


「あ? 一人でクエストを受注するのに条件があるだろ? それが終わると一人立ちって事だ」


「は…初耳です。条件は何なんですか?」


「あれ、言ってなかったか? 十回クエストに参加、近接武器、銃、砲、モ魔、魔石を使ってクエストをクリアだったかな。全部が終われば見習いが終了して一人立ちってことだな」


「あ、だから前に無理やり刃物でノムルウルフと戦わせたんですか!?」


「そりゃそうだ。意味無くやらせるかって」


「次からはちゃんと説明もお願いします…」


「どうせ全部こなさなきゃいけないんだ、同じだろうが」


「説明は必要ですって! 訓練でも命に関わる内容なんですから」

意味も分からず、制約つけてモンスターと戦うなんて怖すぎるって


「まあ、近接武器以外は普段使ってるからすぐ終わらせられるだろうけどよ、クエスト回数が全然足りないよな」


確かにまだ四回しかクエストに行ってない


「何でですかね? ちょっと参加頻度上げなきゃっすね」


「だってお前怪我して休んでばっかりじゃねーか」


「うぐっ…!」


た、確かに

最近防衛作戦に参加して怪我→医療カプセル→休み、のサイクルができてたな


だが、新装備で怪我が減ればクエストにもどんどん行けるはずだ

どんどんクエスト行こう、フェムトゥの性能チェックも兼ねて




…ついに、固有特性と固有装備の二つが揃った

これは大きな進歩だ


そろそろ見習い兵士も卒業したいしな






隊員人事記録(固有装備登録につき更新)


氏名 ラーズ・オーティル

人種 竜人

所属 1991小隊

称号 見習い兵士

戦闘ランク F

固有装備 なし → フェムトゥ R3 ←New!

固有特性 ナノマシン統合集積システム

得意戦闘

・攻撃: 中距離の射撃、杖とモ魔の魔法

・ホバーブーツでの高機動戦闘


固有装備と固有特性が揃いました

これで一章終了になります

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