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31話 装備を考える

用語説明w

ロケットハンマー:ハンマーの打突部にロケットの噴射口あり、ジェットが噴射の勢いで対象を粉砕する武器


ロゼッタ:MEB随伴分隊の隊員。片手剣使いで高い身体能力を持つ(固有特性)

シリントゥ整備長:整備班ぼ班長。ドワーフのおっさん

MEBのハンガーに行くとシリントゥ整備長がお茶を飲んでいた


「おう、ラーズ。また怪我したんだってな」


「落下して足折りましたよ」


「キラークロウだってな。上空に持っていかれると上級者でも死ぬ場合があるからな、足ぐらいで済んでよかったじゃないか」


「今回は自分の油断が原因なので大反省中です」


「はっはっは! 反省できるのも生きてる証だな」

シリントゥ整備長が俺にもお茶を入れてくれる


「頂きます」

喉乾いてたから美味しい


MEBハンガーの一角は工房になっていて、装備のカスタムや簡単な加工が出来る

整備班のシリントゥ、クルス、ホンは簡単な金属加工や魔法付加などができ、ある程度のカスタムをしてくれる


「整備長、金が用意できたんで鎧を買いたいんです」


「お、もう貯まったのか? 早ぇじゃねえか」


「借金ですよ。妹も社会人やってて貯金を貸してくれたんです」


「ほー、兄思いだな」


「最近、怪我が多過ぎて問い詰められましてね…。金貸すから怪我無くせって言われちゃいました」


「確かに、一般人からすると防衛軍の怪我の頻度は異常に見えるかもな」


「俺も早く鎧欲しかったので有りがたいんですけどね。妹に借金って、兄とか男のプライドが許せなくて…」


「ま、生存率が上がるのは間違いないからな。借金して装備整えてクエストで金を返す。冒険者の時代からの王道だからいいんじゃないか?」


「そうっすね。早く装備整えて金稼いで借金返さないとですよ」


百万ゴルドの借金だからな

防衛作戦の合間にクエストをガンガンこなさないといけない

フィーナに借りたとはいえ、甘え続けたくはない


「で、鎧は決まったのか?」


俺はPITでホームページのアドレスを整備長に送信する

「これ見てください。条件機能は、外骨格型、接骨機能、対衝撃、対刃物、対銃弾、魔法耐性で探しています」


「ほう、二百万か…。機能的にはいいと思うがな」


「ただ、予算は百七十万ゴルドしかないんですよ。あと、腰にPITや倉デバイスつけられるケース付きが欲しいんですけど」


「隊のルートで探せば、百五十万くらいまでは下がりそうだがな。脳ミソ防御はいいのか?」


「の、脳ミソ防御?」


「なんだ、知らねぇのか? 外骨格型でこれつけなかったらもったいねえぞ」



脳ミソ防御


脳ミソを物理的に守る…というものではなく、感覚や認識に干渉される種類の攻撃から脳ミソを守る機能だ


例えば、幻覚作用のある毒物、睡眠や混乱などの状態異常、テレパスなどによる感覚のハッキングなどだ


外骨格型鎧は、インナーが人工皮膚のような作りになっている

これに各種センサーが入っていて、心拍数、呼吸、血圧、脳波までもがチェックできる

状態異常のような状況になれば体に影響が出て各数値が乱れ、これを検知して警告を出したり毒消しを使ったりができる

常に体の状態をチェックするウェアラブルウェアって感じだ


この機能を通称脳ミソ防御と言っているそうだ


外骨格型アーマーに専用のコンピューターを内蔵するのだが、素材内部に取り付けるため後付けができないないらしい



「凄い機能ですね、欲しいです! 戦闘中に混乱したり昏睡したらほぼ死にますからね」


「分かった。予算内で探しとくからな」


「ありがとうございます!」


新装備、早く買えるといいな

楽しみだ



・・・・・・



「ラーズ、何してるのぉ?」

ロゼッタが中庭にいた


「ロケットハンマーの練習をしようと思ったんですよ」


「あれ、ロケットハンマーなんて使ってたっけぇ?」


「譲ってもらったんですよ」


防衛軍を引退したジャンからの餞別だ

ロケットハンマー、通称戦車壊し


「へー。面白そうだから使って見せてよぉ」


「まだそんなに上手くないですからね?」


ロゼッタは近接武器の青い片手剣を使っている

近接武器の専門家の意見を聞かせてもらっちゃおう


俺は訓練用のドラム缶を前に、ロケットハンマーを右側に傾け振りかぶるように構える


息を吐いて力みを無くす


ひゅっ


ガアァン!


息を鋭く吐いてドラム缶の左側にハンマーを叩きつける

ドラム缶が倒れると同時にハンマーを切り返し、スイッチを入れる


ボッ!


ドガァッ!


ロケットハンマーの打突部が加速し、倒れたドラム缶が突き刺さる


「おー、自分の力で振って、戻しの二擊目をジェットの力で振るのねぇ。いいじゃない?」


「ハンマー使ったことがないんですが、重いからいきなり振りかぶらないといけないじゃないですか。大降りになっちゃうから小型や対人だと当たらない気がするんですよね」


「対人や小型は銃があるでしょぉ? 大型や装甲系の敵と使い分けがいいと思うよぉ」


ついでだからロゼッタに相談してみよう

「俺、ノムルウルフ相手にロングソードで戦ったんですけど、一番有効だったのが突きだったんですよ。ハンマーに突き用の刃付けたらどうかなって思ったんですけど」


「うーん、確かに突きができれば、大振りの隙はなくなるよねぇ。そこから打撃につなげられればぁ…」


「ですよね、良さそうじゃないですか?」


「でも、近接武器で戦う理由ってなんなのぉ?」


「え…?」


「だって、基本は遠距離攻撃が出来る銃やモ魔、杖でしょぉ? 遠距離で突破できない装甲がある場合に、ランチャーかロケットハンマーの火力がいるわけだしぃ、それ以外でハンマー使う場面ってあまりないと思うよぉ」


た、確かに…

ロゼッタは固有特性と認められるほどの身体能力があるからこそ近接武器の攻撃力を発揮できている


それが無いなら遠距離攻撃を使わない理由をってないんだよな



やはり、使い分けってことなのかな

でも今のままじゃ、ロケットハンマーは装甲を壊すときにしか使いどころがないんだよな…



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