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29話 故障物品の購入手配

用語説明w

ホバーブーツ:圧縮空気を放出して高速移動ができるブーツ


ゼヌ小隊長:1991小隊の小隊長

メイル:1991小隊の経理と庶務担当隊員

エマ:医療担当隊員。回復魔法を使える(固有特性)

サイモン分隊長:MEB随伴分隊の分隊長。巨人族の血を低く巨漢で丸坊主。蒼い強化紋章を使う(固有特性)

カヤノ:MEB随伴分隊の隊員。思念誘導弾を使い、飛行ユニットによる空中戦が得意なサイキッカー(固有特性)


エマが回復魔法をかけながら難しい顔をしている

「右踵骨骨折、アキレス腱断裂、左腓骨骨折、膝前十字靭帯損傷、両足の大腿骨、頸骨、中足骨に複数の亀裂骨折…」


「怪我の数多いな…。めっちゃ痛かった訳だね」


「ホバーブーツのクッション性能に助けられた…」


「うん。でもホバーブーツが衝撃で完全に壊れちゃったんだよね」


靭帯の再生手術を施し、医療用カプセルに六時間入り、回復を終える

エマの施術と回復魔法込みで、七時間で治療が終了


ありがたやー


医療用カプセルの回復溶液は凄い

最近常連になってるな


「運動は最低24時間は控えて…」


「いつもありがとう、助かるよ」

俺はお礼を言って医療室を出る



「ラーズ、治療は終わり?大丈夫だったの」

中庭にカヤノがいた


サイモン分隊長もいるな


「エマに治療してもらいました。しばらく様子見ですけど」


「ラーズ、お前の杖は拾えたぞ。スナイパーライフルは落ちた衝撃で銃身が曲がってもうダメだ。新しいのを注文しとけ」


「サイモン分隊長ありがとうございます。ホバーブーツも完全に壊れたんで一緒に注文できますかね?」


「カヤノのサイキッカー装備もそうだが、特殊装備は来るの遅いんだよな。でも注文は出来るはずからメイルに聞いてみな」


「はい。あと、サイモン分隊長とカヤノ、今回はごめんなさい。私の完全なミスでした」


「気にしないで。ミスをフォローし合うのがチームよ」


「おう、次は気を付けりゃいい。だが、何に気を取られてたんだよ?」

サイモン分隊長が俺の頭をわしゃわしゃする


「か、カヤノの空中戦を初めて見て…凄すぎて目を奪われました」


「仲間に目を奪われて隙作るって、バカなのか?」



バッチーーーーン!


「痛ってーーーーーーー!」



「やっだー! もう、目を奪われるとか何言ってんの!?」


「ち、ちょっと、ビンタが全力すぎません? まさか照れ隠しですか?」


「サイキッカーは感情の起伏がある方が強力なサイキックを使えるらしいぞ」

サイモン分隊長がニヤニヤして言う


「やだ、恥ずかしい!」



ビッターーーーン!


「痛ーーーー!」



今度は背中をビンタされた

サイキッカーめんどくさいよ!


危ないので早々にこの場を離れメイルの所に向かおう



・・・・・・



食堂にゼヌ小隊長とメイルがいた

女二人でお茶中らしい


「ラーズ、足はもういいの?」

ゼヌ小隊長が手を挙げてくる


「エマと医療カプセルのおかげでほぼ完治です。」


「でも、しばらく安静でしょ?」

メイルが紅茶を飲みながら言う


猫耳の獣人は猫舌という都市伝説は嘘っぽいな


「一応二十四時間は経過観察みたいです」


「じゃ、あたしの仕事手伝ってくれない? 購入物品の入力だけ全然終わってないのよ」


「夕方まで勤務時間ですからいいですよ。私もちょうどお願いがあったんですよ」


「お願い? じゃあ、入力しながら聞くね」

そう言ってメイルは立ち上がる


すると、ゼヌ小隊長が俺を呼び止めた

「ラーズ、明日は休みでいいわよ」


「いいんですか?」


「無理してもしょうがないわ。ラーズはうちの貴重な戦力なんだから、しっかり怪我治してきてね」


「はい、ありがとうございます」



俺とメイルは経理室に移動すると、早速入力処理にかかる

レシートの山だが二人なら終わるだろう


「で、お願いってなんなの?」

メイルが書類の束の向こうから聞いてくる


「私のスナイパーライフルとホバーブーツが壊れちゃったんですよ。注文してもらえないかなって」


「スナイパーライフルかぁ。軍の正規品は在庫切れなんだけど、クエストで拾われたイズミFがあるから使ってみる?」


「イズミって、ボトルアクション式で一発一発装填するやつですよね。戦闘で使えますかね?」


「そのかわり、命中精度と威力がピカイチだよ。弾も劣化ウラン炸裂弾や疑似アダマンタイト芯徹甲弾で規格が合うのあるし」


「なんか凄そうっすね。俺は基本、アサルトライフル使ってるんで使い分ければ面白いかも…」


「売り払おうと思ってたから、使っていいよ? 新たに正規品買うより安いかもしれないし」


「じゃあ、使ってみます」


「オッケー、用意しとくよ」


新しいスナイパーライフルか

練習しなきゃな


「ホバーブーツは至急取り寄せるよ」


「いいんですか?」


「だって、あれないとラーズの戦力凄いダウンするでしょ?」


「そうなんですよ…。唯一の取り柄みたいなもんです」

実際、ホバーブーツの機動力のおかげで生き残れてるだけだよな


「うん。それは分かってるし、評価もしてるからね。最優先で取り寄せるからまっててね」


「助かりますよ ありがとうございます」


カタカタ


カタカタ


カタカタ…


つ、疲れたぁ

まだ残ってるな


「ねえ、ラーズ。今二人で金額いれてるけどどうやって一つのファイルにするの?」


「え、コピーして貼り付けるだけですよ」


「だって、日付順にしないといけないんだよ」


「自動で並べ替えができますよ」


「え!? そんな事できるの!」


「いや、よく今まで経理できてましたね!?」


カタカタ


カタカタ


カタカタ…


も、もう少しだ

頑張ろう


「メイル、そういえば今回、俺が大失敗したのにあまり怒られなかったんだけど…そんなもんですか?」


「え、だってミスでしょ?次から気を付ければいいし、ミスが治らないヤツは死んでいくだけだもん、怒らないよ」


「そ、そういうもんかぁ」


「みんないろいろな奴と組んでるからね。言って分からないヤツは組まないか死んでいくかだし。ラーズ自身がちゃんと反省すればそれで終わりだよ」


戦場ならではのドライさなのかもしれないな


「ま、自分と仲間を危険に晒さないってのは大原則だけど、ラーズはちゃんと理解してると思うし。油断大敵、いい勉強したじゃない」


「絶対に忘れないと思います…」



そしてようやく…

「終わったー!」

「やったー!」


「後は、コピペしてソートして…完成!」


「完璧! ラーズありがとー助かったよ」


「いえいえ。ホバーブーツの面倒みてもらえたお礼ですよ」


こうして、勤務が終わった


あぁ、家に帰るのが…

フィーナに合うのが怖い…

また怪我したこと言われるのかなぁ




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