表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ですペア ~平凡な一般兵の苦悩~ 魔法、実弾兵器、スキル、ブレス、オーラ、召喚…即死級攻撃が多すぎる!  作者: ロロア
五章 戦闘スタイルと武器? どっちも完成させるに決まってるだろ
172/396

155話 黒竜討伐の後

用語説明w

ヴァヴェル:魔属性装備である外骨格型ウェアラブルアーマー。身体の状態チェックと内部触手による接骨機能、聖・風属性軽減効果、魔属性による認識阻害効果を持つ

ロケットハンマー:ハンマーの打突部にロケットの噴射口あり、ジェット噴射の勢いで対象を粉砕する武器

イズミF:ボトルアクション式のスナイパーライフル。命中率が高く多くの弾種に対応している


ゼヌ小隊長:1991小隊の小隊長

ジード:情報担当の魔族の男性隊員、補助魔法が得意

エマ:医療担当隊員。回復魔法を使える(固有特性)

セフィリア:龍神皇国騎士団に所属、B+の戦闘力を持つ。ラーズの遠い親戚で、五歳年上の憧れの竜人女性


ゼヌ小隊長がセフィ姉と話している

ジードが言うには、今回の()()()()を作成中とのことだ


魔属性環境の調査中にBランクと思われる何者かの襲撃を受けた

だが、襲撃者は同じくBランク以上と思われる者と争っており、戦闘後にどちらも逃走した

襲撃者はこの戦闘で負傷しており、血液を採取することが出来た

負傷した隊員の救護措置を行ってから黒竜の洞窟を調査したところ、黒竜がいなくなっていることが確認できた


…こんなところだろうか?


風の道化師の血痕をエマが採取した

今は観測拠点内でカヤノの治療に当たっている


俺はサイモン分隊長の怪我の応急措置だ

フィーナは龍神皇国からこっそり入国している回収班を引き連れて、黒竜の素材を回収中らしい



…先程のセフィ姉と風の道化師の戦闘が頭から離れない

セフィ姉の身体能力や攻撃方法は凄かった、圧倒的だった

だが、俺が目を奪われたのはそこじゃない


風の道化師が突っ込んできたとき、セフィ姉は膝を()()ようにして自重を推進力に使い、風の道化師の鎌をギリギリで見切って脇腹を切った


あの身体操作は武術の動きだ

ターレスのような、闘氣(オーラ)で強化された身体能力に頼るスタイルとは違う

紙一重の見切りといい、セフィ姉は合理的な達人の動きと闘氣(オーラ)を両立しているのだ


セフィ姉はドラグネル流剣術の達人でもあるので、ああいう身体操作ができるのだろう

俺はBランクにはない持ち味として武術の身体操作を身に付けようとしていたのだが、セフィ姉は一般兵の俺を越える身体操作、普通のBランクを越える闘氣(オーラ)や能力を持っていた


敵わないな…



「ラーズ、考え事か?」

サイモン分隊長に言われて、はっと我に返る


「いえ、さっきの戦いを見て、凄かったなーって思いまして」


「…そうだな」

サイモン分隊長も頷く


「ラーズ、俺はもう大丈夫だからよ、セフィリアさんと話してこい。ここで別れるんだろ? お礼言っといてくれ」


「あ、はい。分かりました」


俺はセフィ姉の所に向かう

セフィ姉とフィーナは身分を偽っての不法入国なので、長居はせずにここで別れて龍神皇国に帰るそうだ


俺達は森の調査で時間を潰し、黒竜の素材の搬送が終わった頃に黒竜の不在を発見する流れだ



セフィ姉が戻ってきた


「セフィ姉、ありがとう。お陰で誰も死なずに済んだよ」


Bランクはやはり強い

俺達じゃ相手にするのは無理だった


「いいのよ。本当はぱっとピエロを捕まえて、ラーズに格好いいところ見せたかったのだけどねー…」

セフィ姉がため息をつく


くそっ、美人はそういう仕草がいちいちかわいいんだ!


「格好いいところは充分見れたよ」


俺がセフィ姉から目を逸らしながら言うと、セフィ姉が真剣な顔をする


「あのピエロは、神らしきものの教団って言ってたんでしょ? 気をつけなさい、その教団は神らしきものを復活させるという名目で、各地で信者を増やす活動をしているの。そして、思想に関係なくテロに加担するケースが多いわ」


「神らしきものの復活って…、そんな教団があるの?」


「要は有名な神らしきものの影響力を使って信者を集め、依頼を受けて各国の現体制を批判しているカルト・テロ組織よ。神らしきものは置いておいていいけど、Bランク戦闘員を擁していることは見過ごせないわね」


セフィ姉は、珍しく怒ったような口調をした

いい感情を持っていないようだ


龍神皇国でも活動をしているらしく、セフィ姉も組織壊滅を目指しているそうだ


カルト・テロ組織…

バックアップ組織と関係ありそうだな

とんでもない情報が飛び出して来ちゃったよ



そろそろ、セフィ姉とフィーナはここを出発して龍神皇国に向かうことになった

黒竜の素材回収と後処理は、黒竜の洞窟で処理している龍神皇国の処理班があと三時間ほどで終わらせるそうだ


「ガウ…」 「ヒャンッ」


フィーナが黒竜の洞窟から連れて来てくれたフォウルとリィが、別れを惜しむように遊んでいる

フォウルはすでに小竜に戻ってしまっており、セフィ姉とフィーナが龍神皇国に連れて行き健康に影響がないか検査をしてくれることになった


「フォウル、ありがとな。お前のおかげで黒竜を眠らせてやることができたよ」


「ガウ…」


「な、フォウル。大きくなったお前が本当のお前なのか?」

俺はフォウルを撫でながら聞いてみる


「ガウ?」

フォウルが首を傾げる


いや、分かんねーのかよ!?

記憶も無くなる呪いなのか?


「…まぁいいか。検査が終わったらシグノイアに来ないか? 俺の手伝いしてくれよ。大きくなくたって、サンダーブレスは一発吐けるんだし」


「ガウー」

フォウルが頷いた


だが、こいつは気分屋だからな

期待しないで待っていよう



サイモン分隊長とカヤノは、セフィ姉、フィーナ、エマの三重回復魔法であっという間に完治していた


「凄い…」 「治っちまった!」


カヤノとサイモン分隊長が驚いている

さすがBランクの回復魔法だ


エマの回復魔法もかなりの腕らしい


「あ、ありがとう…ございます……」

セフィ姉とフィーナがエマの回復魔法を褒めており、龍神皇国に医療研修に来ないかと誘っていた



そして、別れの時間になった


「じゃあね、ラーズ。後でお家で」

フィーナが手を振る


仕事で会うフィーナは、自宅でのフィーナと違って見える

当たり前か


「ああ。でも、フィーナもいちいち龍神皇国に戻って、またシグノイアに帰ってくるって大変だな」


「時間的にはそこまでかからないし、出入国も慣れたら簡単だよ。それより今日のご飯は期待してるよ?」


「分かった分かった。でも、今日はほとんどセフィ姉が働いちゃって、フィーナの出番がほとんどなかったじゃん」


「うぅっ…、だ、だってセフィ姉にあんなにやる気出されたら…。敵がBランク一人くらいじゃ私の出る幕なんかないよ。黒竜の話もなんか竜族の内輪の話で全然分からないし…」


うん、セフィ姉凄かったな…

でも、黒竜の望み通りにできたから良かった



セフィ姉も俺の所に来てくれた


「ラーズ、またね。もっと帰省の数増やしなさいよ?」


「うーん…、戦争が終わらないことにはね。一応公務員だしさ」


セフィ姉がじっと俺の顔を見る


「また、しばらく会えなさそうだから聞いておくわね。ラーズ、チャクラ封印練の期間があと数年で終わるんでしょう? 力が戻ったら、今度こそ私の所に来てくれる?」


「え? うーん…、チャクラ封印練って、力が増す()()しれないってだけで、効果がそれほど無い可能性もあるらしいんだ。だから…」


「だから?」


「俺が自分の力と能力に自信を持てて、セフィ姉の役に立てると思ったら龍神皇国の騎士団を受けてみるよ。甘えたくないしね」


セフィ姉は、ふっとため息をつく


「私は、ラーズが役に立つとか、そういう理由で来て欲しいわけじゃないのよ? …でも、気長に待つとするわ。いい仲間、いい同僚と巡り会えたようだしね」


そう言ってセフィ姉は、ゼヌ小隊長達1991小隊を振り返る


「うん、いい仲間だよ」


俺の言葉に、微笑みながらセフィ姉が頷いた


「ゼヌさんは、敵がBランクと分かるとすぐに私達に参戦をお願いしたし、ジードさんもすぐに防衛軍の本部に応援を頼んでいたし的確な判断だったと思うわ。戦闘員の二人の練度も高いし、いい部隊ね」


龍神皇国の騎士団という大規模な組織の幹部からの高評価、やっぱり1991小隊は凄いってことだ




「セフィリアさん、ありがとうございました」

ゼヌ小隊長が頭を下げる


「こちらこそ、黒竜の素材を譲って頂いてありがとうございました。回収が終わったらゼヌさんに連絡が入るようになっていますので」


ゼヌ小隊長とセフィ姉が握手をする

これで、セフィ姉やフィーナとの国を越えた秘密の合同作戦が終わった


俺達は、去っていくセフィ姉とフィーナの背中を見送る

二人は何度か振り向いて手を振ってくれた




・・・・・・




「みんなお疲れ様、セフィリアさん達のおかげで助かったわね。連絡が来るまで休んでいてね」


俺達に声をかけてから、ゼヌ小隊長は隊舎に連絡を取り始めた


「いやー、お前の姉ちゃん凄かったな! 正直、Bランク相手でいろいろ覚悟したんだが、圧倒的だったじゃないか」

サイモン分隊長が思いだし興奮をしている


「ええ、さすが龍神皇国の騎士団の幹部だけありますよね」


「フィーナちゃんも戦ったら凄いんだろうけど、出番が無かったもんね」

カヤノはかなり疲れた顔だ



Bランクの、風の道化師は強かった

俺達じゃ手も足も出なかった


下手すると、絶望感はバンパイアよりも上だったかもしれない

勝つなんて考えられない、生き残れて良かったってレベルだ


だが、おかげで俺に足りないものが分かった

俺には、闘氣(オーラ)の防御を突破する瞬間火力が全然足りていない


闘氣(オーラ)を一瞬でも突破できなければ勝負にもならない

ロケットハンマーは、前にBランクモンスターにダメージを与えられなかったし、ライフル用の疑似アダマンタイト芯の徹甲弾でも厳しいかもしれない

これらを越える瞬間火力が必要だ



「…やっぱり新しい武器が必要か。スサノヲに相談してみるか…」


「あ? 何言ってるんだ?」


サイモン分隊長が俺の一人言を聞き返すが、俺は火力の出し方を考えることに夢中で気がつかなかった





ブクマが一気に増えてる!評価まで!読んで頂き本当にありがとうございます

おかげさまで評価200ポイント行きました

嬉しすぎる…

モチベ頂いたので明日も投稿させていただきます

(閑話です)

読んでもらえたら嬉しいです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ