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ですペア ~平凡な一般兵の苦悩~ 魔法、実弾兵器、スキル、ブレス、オーラ、召喚…即死級攻撃が多すぎる!  作者: ロロア
五章 戦闘スタイルと武器? どっちも完成させるに決まってるだろ
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144話 久しぶりの防衛作戦

用語説明w

MEB:多目的身体拡張機構の略称。二足歩行型乗込み式ロボット

イズミF:ボトルアクション式のスナイパーライフル。命中率が高く多くの弾種に対応している


ジード:情報担当の魔族の男性隊員、補助魔法が得意

リロ:MEBパイロットの魚人隊員。十歳程度の容姿をしている

カヤノ:MEB随伴分隊の女性隊員。思念誘導弾を使い、飛行ユニットによる空中戦が得意なサイキッカー(固有特性)


今日は久しぶりの防衛作戦だ


ゼヌ小隊長から、


「特別クエストは、あと二回消化出来れば一旦終わりよ。中隊本部と話を着けてきたわ」


と言われた直後に、防衛作戦が発令されたので俺も参加することになったのだ



今回のモンスターはデーモンベアだ

魔界から召喚された悪魔の一種で、熊に似た外見の強力なモンスターだ


下半身が蛇の人型のモンスターであるラミアのシャーマンが召喚に成功したらしいのだが、召喚直後に召喚者がデーモンベアに撲殺されたらしい

現在は、デーモンベアがラミアを支配し、引き連れて町を襲ってきているらしい



「なんでラミアはそんな危ない奴を召喚したんだろ?」


「うーん、召喚してみたら意図せず手に負えないものが出てきちゃったって感じなんじゃないかな。それで、支配されちゃったっていう…」

リロがちょっとかわいそうだね、と同情している



今回は、カヤノ、リロ、俺が戦闘担当、ジードが情報担当だ

リロのMEBでデーモンベアの対処を予定している


ラミアは魔法が得意で、補助魔法や攻撃魔法でデーモンベアを援護してくる

援護ありのデーモンベアは厄介だ


「こちら情報担当、やはり引き離す方が良さそうだ。ラーズが頼む、リロは合図があるまで待機だ。狙撃も待て」

ジードからの指示がくる


「MEB1了解」 「遊撃2了解」


ラミアの集団の側には、既にカヤノ、リィ、データ2がスタンバイ済み

俺がデーモンベアを誘導してラミアから引き離してリロに引き継ぐ、同時にカヤノがラミア部隊を襲撃、俺は臨機応変に補助に回る



「では、作戦を開始しろ」


「了解」


ジードの合図と、リロのMEBの親指を立てたグッドラックサインでで俺は動いた



俺は、デーモンベアから十五メートルほどの距離に姿を表す


「ゴガアァァァァァァァァァァ!」


デーモンベアが大声で威嚇の咆哮を上げる

これは、俺への威嚇と同時に支配したラミアへの威嚇でも有るのだろう


デーモンベアに補助魔法、恐らく防御魔法と魔法防御がかけられ、俺には土属性と冷属性の投射魔法が飛んでくる



ガガガガガッ!


ボシュボシボシュ…



アサルトライフルを撃ち込むも、防御魔法に止められる

更に、突っ込んできたデーモンベアが三秒ほどで俺に到達する



「うわっ!」


ズゴォォッ!



爪が大地を抉る

俺はサイドステップで躱す


「データ、イズミFを取り出してくれ!」

モ魔で竜巻魔法を読み込みながら指示を出す


突進力が凄い!



「ガァァァ!」


ズガッ! ズゴォッ! ザシュッ!



連続爪攻撃をホバージェットで下がりながら避け、風属性竜巻魔法(小)を発動



ゴオォォォォォォ!


「グゴォッ!」



竜巻がデーモンベアを切り刻むが、ラミアが使った魔法防御の効果で軽減されている


だが、魔法防御と防御魔法は消費させたはずだ

俺は陸戦銃を手放し、倉デバイスからイズミFを取り出す



ドォンッ!



頭の右上辺りにライフル弾が命中するが、デーモンベアは止まらない

一気に突っ込んで来る

こいつ、動きが早すぎる!


イズミFを手放し、浮かしていた陸戦銃を把持する



ガガガガガッ… ドゴォッ!


「ぐあっ!」



近距離からのアサルトライフルの射撃でもデーモンベアは止まらず、更に加速して距離を詰める

予想外の加速に反応が遅れ、右の前足による凪ぎ払いをまともに受ける羽目になった


俺はなんとか反応し、ラウンドシールドで受けたる

だが、ラウンドシールド()()()()、体がとんでもない勢いで吹っ飛ばされた

吹っ飛ばされた先は水が溜まっていて、浅い池になっていた



バシュッ…… ドッパァァァァァン!



水平方向に体が飛ばされ、体が水面をバウンド

二回目の着水で池に叩きつけられた


「…う……」


やばい、脳震盪を起こしている

しかも、この勢いで叩きつけられると、水面がコンクリートのように固く感じる

まともに受け身を取れていなかったため、体のどっかがイカれた気がする


激痛が体の中を走り回るが、なんとか体を起こす

水深は膝上といったところだ


「ご主人! デーモンベアが接近中だよ!」


データの警告に顔を上げる

三半規管が悲鳴を上げており、歪んだ視界の先にデーモンペアの姿が見える


銃を手放してしまい武器がない、俺は少し先にハンドグレネードを落とす

そして、引き寄せの魔石を装填した小型杖を取り出す



「ガアァァァァァァ!」


デーモンベアが突っ込んでくる



俺は、タイミング見計らって、ハンドグレネードの起爆スイッチを押す



ドッパァァーーーーン!



ハンドグレネードが、デーモンベアを水柱に巻き込んで爆発

俺は小型杖を振り、池の側の樹木に引き寄せの魔法弾を当てる



ビョオォォォォン!



着弾地点からの引き寄せる力で、俺の体が池から引っ張り出される


「ご主人、デーモンベアとラミア部隊との引き離し距離が目標距離を越えたよ!」

データからの嬉しい報告


「遊撃2から情報1、目標距離クリアです! 観測はAI!」


「情報1了解。遊撃1、ラミアの殲滅を開始しろ!」


ジードからラミアの殲滅指令が下りる

やっとだぜ!


「遊撃1、了解。遊撃2宛、補助戦力に指令願います」


カヤノが了解した

ラミアは任せよう


「遊撃2了解。データ2、リィ、カヤノの指揮下に入りラミアの殲滅に従事しろ、以上!」


俺はインカムでの通話を切り上げる

なぜなら、目の前に激怒したデーモンベアが迫ってきているからだ



「グガァァァァッ!」


めっちゃ怒ってる!

さっきより心なしか突進が早くなってる


殺気を纏い、まるで背中に滅の文字が浮かんでいるようだ

怖ぇーよ!



「ラーズ、こっちに!」

リロのMEBが木の向こう側の開けた場所に見える



「グガァァァァッ!」


「うわぁぁぁっ!」



俺はデーモンベアの爪から全速力で逃げる



バキッ ズガッ ドドドドドッ!


「うおぉぉぉ!?」



直線距離なら、俺のホバーブーツの方が早い

だが、木の間を抜けると、木を避けるための減速が必要になってしまい、木をなぎ倒しながら直線で突っ込んでくるデーモンベアに追い付かれて爪で切りつけられる


だが、なんとか森から出た!

後はリロの所に逃げるだけだ


森から出る直前、俺は小さく丸い陶器をデーモンベアに投げつける



パリンッ


「グギャアァァァァァ!」



陶器が頭に当たり、中の液体がかかる

デーモンベアが悲鳴を上げた


おっ、効くじゃん!


陶器の中に入っていたものは、泉竜神社で買った聖水だ

この隙に、俺はリロのMEBと合流する


「ラーズ、お疲れ! 後は任せて」


リロが頼もしく言う

リロの青く塗装されたMEBは、左手に盾、右手にパイルバンカーを装備している


よし、俺は補助に徹する

攻撃はリロに任せればいいだろう



「グオォォッ」


デーモンベアが爪を振るう



ガッ!


リロのMEBが盾で爪を止める

そして右腕の拳をデーモンベアに触れさせ…



ドゴォッ!


「グギャアァァッ!」



パイルバンカーで射出される杭がデーモンベアの左肩を抉った


凄い…

デーモンベアと体格が負けていない、力負けもない

この状況だと防具や格闘技術を持ったMEBが圧倒的だ

体格、サイズ、パワーの差を埋められれば、ここまで有利になるのか


俺はデーモンベアに接近、拘束の魔法弾と軟化の魔法弾を当てる


リロは、パイルバンカーの薬莢を射出しながら、右手でデーモンベアの後頭部を掴む

そして、自分の体に引き付けながら、右足でデーモンベアの左足を払う


足払いだ



スパンッ


「グゴッ!?」



足を払われて体勢を崩しデーモンベアは横向きに倒れた

ちょうど、リロのMEBの目の前の地面に頭を置くように


リロは、デーモンベアの頭に右拳を添える



ドゴンッ!



デーモンベアは、頭を撃ち抜かれて絶命したのだった





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