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練習試合前

まさかの初戦は地区最強!

「まさか地区最強の相手と戦うことになるとは・・・マジか・・・」

純也は昨日顧問からもらった練習試合の用紙を見ながらありえないと思っていた

「地区最強ということはそれなりに強い高校なんですか?」

桃は純也のその驚愕の表情とみんなの反応を見て

そんなに強い高校なのかと疑問に思っていた

「強いよ・・・地区最強ってだけじゃなく全国でもベスト8には絶対に入る強豪だ」

そう疑問に答えてくれたのは宗孝だった

「特に一番警戒しなくちゃいけないのは二年でMFの五十嵐 仁(いがらし じん)・・・

 あのレベルの奴は全国でもそうはいないだろうな・・・」

どうやら宗孝はその五十嵐 仁という人を高く認めているようだった

「去年も確か二試合目で当たってボロ負けしたもんね」

そう庄司は去年の試合の事を思い出していた

「しかも今回は正GKがいない状況・・・結果は悲惨なものになりそうっすね」

錦次は今回の練習試合ではちゃんとしたGKがいない分

去年以上にボロ負けすると考えていた

「だが!挑戦がきた以上はそれを受ける他ない!それが格上だと言うのなら尚のこと!

 相手から盗めるものは全て盗み!そして地区予選で圧倒的に勝利するのだぁぁぁ!」

と部長である匠真は練習試合に燃えているのだが

「・・・そもそもメンバーが揃ってないから練習試合すらできないのでは?」

ここで最もまともなメンバーである瑛が確信を言ってしまった



「「「・・・そうだったぁぁぁぁぁ!!」」」



「どうする?四十万の言う通りメンバーがいないんじゃ試合すらできないぞ?

 断りの電話を入れてもらうように先生に言ってもらうか?」

純也はメンバーが揃っていない以上この練習試合を断ろうと考える

「確かにそうせざるおえないが・・・しかし・・・

 こんな貴重な機会をオメオメ逃すわけにも・・・!」

匠真も断ざるえない状況だと言うことはわかってはいるがかと言って

この部は弱小なので早々こんな強豪と戦ってもらえることもないので

諦めきれずにいた

「こうなったらなんとかして部員を確保するか・・・!しかし・・・!」

匠真はこうなった以上他に方法がないか一生懸命考える

「あの〜他の部活の人に一日だけ頼んで出てもらうのはダメなんですか?」

すると桃が誰か知人にこういう事を頼める人がいないのか聞いてきた

「出てもらうこと自体はアリだけど・・・生憎サッカーはおろか

 スポーツ自体をまともにやっている奴は知り合いにいないんだよな〜・・・」

何度も言っているがここは進学校であるためみんな勉強一筋

まともにやってきた運動は学校の体育ぐらいなのだ

「そんな素人にいきなり試合に出ろというのは酷な話だしな・・・

 練習させるにしても時間をとってもらえるかどうか・・・」

宗孝は無理やり参加させるのに素人だからと言って

時間を取らせてまで練習に参加させるわけにはいかないと思っていた

「そうなると・・・やはり断るしか方法がないわけか・・・」

誰しもが諦めて断るしかないと思っているその時だった



「いいや!諦めるにはまだ早ぁぁぁぁい!!」



「そうは言うが匠真・・・何か他に良い方法があるのか?」

純也はまだ諦めないと言っている匠真の考えを聞くことにした

「ある!方法はただ一つ!先輩達に協力してもらおう!!」

何と匠真が提案してきたのは卒業していった先輩を頼るというものだった

「おいおい・・・今あの人達は大学生だぞ・・・そんな余裕がどこにあるんだよ?

 たとえ余裕があったにしても卒業生だぞ?どうやって言い訳するつもりだ?」

純也は先輩達が今暇かどうかわからないしたとえ来れたとしても

どうやって在学生だと騙すつもりなのか確認する

「それはあれだ!・・・留年したことにしよう!!」



「お前・・・何気に失礼だぞ・・・」



「ええい!背に腹はかえられんのだからしょうがないだろうが!

 とにかく!すぐさま先輩達に連絡を取ってみるぞ!!」

匠真はそれ以外に方法がないのでダメで元々と先輩達に連絡を取ってみることにした

「はぁ・・・てかまず顧問の先生が許すわけないだろ・・・」

純也はその前に顧問の先生から許可してもらえるわけがないと思いながら

とりあえず今回のことを話しに向かうと

「別にいいんじゃね?特に何も言われてないし」

顧問の先生から返ってきたのはとんでもない一言だった

「いやいや先生・・・普通そこは止める所でしょうが・・・」

純也はそこは顧問としては止めるべきだろうと言うと

「先方としては試合ができればそれでいいからな〜別に卒業生だろうと関係ないだろ?

 おまけにウチは弱小校なんだからメンバーの顔なんて

 まともに覚えてもらってないよ」

顧問の先生に言われて確かにその通りだと思ってしまった

(確かに向こうは俺達の顔なんてまともに覚えてなんてないはずだ・・・

 だとしたら卒業した先輩たちであっても十分に騙せるはず!)

とそう純也は考えているとふとした疑問が出てきた

(待てよ・・・だとしたらなんで桐山高校は俺達に練習試合を持ちかけてきたんだ?

 あそこほどの強豪だったら他にもいっぱいあるだろうに・・・)

純也は何か理由があるのかもしれないと一瞬考えたがそんなに深い理由はないと思い

それ以上考えるのをやめた

「まぁとにかく俺は特に何か言うわけじゃないからお前達の好きにしろ」

そう言って顧問の先生は職員室を後にしていったので

純也もグラウンドに戻ることにした



「・・・で?この状況は何?」

グラウンドに戻ってきた純也を待っていたのはスマホを持ったまま

地面に伏しているサッカー部の部長がいた

「どうやらほとんどの先輩達に用事があるらしく断られたらしいっすよ?」

すると練習を途中で切り上げてきた錦次が状況を教える

「はぁ・・・だから言っただろ?先輩達は大学に進学したばっかりなんだから

 俺達に構う余裕なんてないって」

純也はそれを聞いて予想どおりだったなと思っていた

「いやまだだ!まだあと一人だけ残っている!!」

するとそれを聞いた匠真はまだ一人だけ残っていると言い

最後の望みを乗せてその人に電話をかける

「・・・あっ!お久しぶりです先輩!

 実は近々桐山高校との練習試合があるのですが

 新入部員が足りずこのままでは受けれないんです!

 なので先輩にその試合に出て欲しいのですが!どうでしょうか?!」

匠真は今の状況を事細かにその先輩に説明し答えを待っていると

「・・・!本当にいいんですか?!ありがとうございます!!

 では場所と日時は後で送ります!!」

どうやら匠真の反応を見る限りその先輩はその試合に出てくれるらしい

匠真は電話を切りそっと胸を撫で下ろしていた

「よっしゃぁ!これで練習試合ができるぞ!!」

匠真はは喜びながら早速練習だと言って

グラウンドにいるみんなの元へと走って行った

「どうやらこのままいけば練習試合には参加できそうだな

 ・・・?そういえば喜乃夢は?」

純也はこれでようやく練習試合ができると思って周りを見ると

マネージャーである桃がどこにもいないことに気がついた

「それなら俺がお願いしてあいつのところに行ってもらってます!」



「あいつ?」



一方その頃・・・



「はぁ・・・またあんたか・・・何度言われてもサッカー部には入らないぞ?」

図書室にいた蓮は近づいてきたその人物を見てそう言った

その人物は大翔に頼まれてここに来ていた桃だった

「今日はお願いしに来たわけじゃないよ!今日はねこれを君に渡しに来たんだよ!」

そう言って桃が取り出した紙を蓮は渋々受け取りその内容を見ると

そこには近日中に行われる桐山高校との練習試合の場所と時刻が書かれていた

「ふぅん・・・で?こんなもの見せられたって俺は別に見になんて行かないけど?」

蓮はその紙を受け取っても練習試合を見にはいかないと言っていた

「別にいいよ!私はただ帰家くんに言われて届けにきただけだから・・・

 でもやっぱり私は来てほしいかな・・・行町くんのプレー見てみたいしね!

 それじゃあ私はもう行くね!」

そう言って桃は図書室を後にした

残された蓮は受け取った紙をじっと見ていた

「サッカーか・・・もう何年もやってないのにできるわけないだろうが・・・」

そう言いながら蓮は自分がサッカーをしていた頃を思い出していた

(そうだな・・・昔はあいつと一緒にサッカーしてたな・・・

 動き回るのが嫌だからずっとGKだけやって・・・あいつが相手のチームにいる時は

 忙しかったからサボろうとしたっけ・・・懐かしいな・・・)

蓮はいつも大翔とサッカーをしておりその度にGKをしていた

たまに敵味方で別れることもあったがそうしてやっているといつの間にか

クラスで一人だった自分が人の輪の中に入っていた

蓮の中では唯一サッカーだけが人とのコミニュケーションをとれるものだったのだ

「・・・今更何を思い出してるんだろうな・・・俺は・・・」



「すみません!遅れました!!」

桃は急いでグラウンドに戻ってきて純也に頭を下げた

「いや事情は帰家から聞いている・・・どうだった?」

純也は蓮に会いに行ったことを聞いていたので問題ないと言い

向こうはどんな感じだったかのか確認する

「紙は受け取ってくれましたけど・・・来るかどうかまではわかりません・・・」

そう言った桃の顔は浮かなくおそらく来ないであろうと純也は思った

「でも大丈夫です!きっと行町くんは来てくれるはずです!!」

しかしすぐに桃は気持ちを切り替えて大丈夫だと自分やみんなに言い聞かせた

「・・・そうだな・・・だとしたら今回の練習試合は無様なものにできないな」

純也はその元気さを見て自分達も負けてはいられないと再び練習に戻っていく

(ありがとう喜乃夢さん・・・これであいつはもう一度サッカーを!)

大翔もこの試合次第では蓮がもう一度サッカーをしてくれるはずだと思い

より一層練習に励んだ

(そうです!行町くんが見に来てくれるのなら

 みなさんの試合を見てもう一度サッカーをしてみたくなるはずです!

 私はそう信じていますよ!!)

桃は図書室の方を見ながらただひたすらに蓮を信じることを決めた



「うぉぉぉぉぉ!打倒桐山高校!!」



「「「おぉぉぉぉぉ!!」」」

いよいよ次回は試合です!

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