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種目決め

今回は種目を決めるところから始まります

相先監督に渡された練習ノートのメニューをこなしつつ

蓮達は最初の体育祭に向けて準備を始めていた

「それじゃあまずは体育祭で何の種目に出るか

 各々決めてもらいたいと思います」

そして蓮と鉄平のクラスでは今まさに

何の種目に出るかを決めようとしている所だった

(何の種目に出たいかって・・・

 そもそもロクな種目がねぇじゃねぇかよ・・・)

蓮は黒板に書かれている種目一覧を見てロクなものがないと思っていた

それもそのはず体育祭と言っておきながら

書かれている種目はほとんど動かなくていいものが多かったのだ

(まぁいいか・・・とにかく目立たなくていいものを選ばないとな・・・)

蓮はとりあえず種目の内容自体は置いておき

なるべく目立たなくていい種目を選ぼうと思っていたのだが

「そういえば行町くんと楠くんはサッカー部だったね!

 それじゃ二人にはそれなりに動く種目に参加してもらおうか!」

なぜか学級委員の生徒が二人がサッカー部だったことを覚えており

その結果として蓮と鉄平は問答無用で目立つ種目に突っ込まれてしまった

(・・・マジかよ・・・)

蓮はまさかの事態に思わず項垂れてしまうのだった

こうして色々な話が進んでいき

とりあえずのホームルームが終わった



「なんで俺がサッカー部に入ったことを知ってるんだよ

 あの野郎・・・」

蓮は先ほどの学級委員が自分のことを知っていたことに腹を立てていた

「しょうがないよ・・・これが僕達体育会系の宿命みたいなものだから・・・」

鉄平も今回のことには少々ショックを受けておりあまり元気がなかった

「お〜い!二人とも〜!!」

二人がゆっくりと歩いていると後ろから声が聞こえてきて

振り返ってみるとそこにはちょうど教室から出てきた大翔と桃がいた

「二人とももう出る種目は決まった?」

二人は近づいてきてすぐに体育祭で出る種目について聞いてきた

「ほとんど強制的に動く種目入れられたよ・・・」

少なくとも蓮と鉄平はほとんどの種目に出ると言っても過言ではないだろう

「そっちはどの種目に出るんだ?」

蓮は逆に二人がどんな種目に出るのか聞くと

「私は借り物競争とパン食い競争とリレーだよ!」

なぜか桃の選んだ種目は走るものがほとんどだった

「・・・なぁ・・・なんでそんなに走り回るのが多いんだ?」

蓮は素直になぜそこまで走り回るのが多いのか聞く

「だってせっかくの高校初の体育祭だもん!楽しまないと損じゃん!!」

どうやら桃は高校に入って初の体育祭にテンションが上がっているようだった

「そっそうか・・・」

そのあまりのテンションに三人は思わずたじろいでしまった

「まぁいいや・・・それでお前は何に出るんだ?」

次に蓮は大翔に何の種目に出るのか聞く

「たぶん二人と一緒・・・むしろ多いくらいだよ・・・」

どうやら大翔のクラスもサッカー部と言う理由で全て託したらしい

「何だろう・・・体育祭ってこんなに辛い行事だったっけ?」

その大翔のつぶやきに思わず蓮と鉄平は同情してしまうのだった



「そういえば思ったことがあるんだけどさ」

四人は集まって昼食を取っていると

大翔が急に何か思ったらしく喋り始めた

「急にどうしたんだ?」

蓮はいきなりどうしたのか聞く

「いやさ・・・玉入れって普通は手で持って投げて入れるじゃん?

 あれって蹴って入れちゃあダメなのかな?」

何と大翔は玉入れを手で投げるのではなく蹴って入れようと考えていたのだ

「いやさすがにそれはやっちゃダメですからね?!」

この中で唯一の常識人である鉄平はその行為はやっちゃダメだと釘を刺す

「「えっ?やっちゃダメなの?!」」

するとやはりと言うべきか蓮と桃もそれはやっちゃダメなのかと

がっくりしていた

「・・・何で三人ともやろうとしているんですか・・・」

その反応を見てしまった鉄平は

この三人はまともではないと初めて理解するのだった

「そういえば蓮くんと楠くんて一緒のクラスだったんだね?」

すると桃は今更感が満載の問いを投げかけた

「ああ・・・知ったのはつい最近だがな・・・」

どうやら蓮達自身知ったのは最近のことだったらしい

「いや最近って・・・入学してからもう一ヶ月は経ってるんだけど?」

大翔の言う通りすでに同じ教室になってかなりの時間が経っており

その間になぜ気づかなかったのか疑問に思っていると

「「勉強しか見えてなかったから」」

どうやら二人とも自分のクラスに対してそこまで興味がなかったらしい

((この二人・・・クラスで浮いてないよね?))

そしてその答えを聞いた大翔と桃は親のような心境になったのだった



「そういえば先輩達はなんの種目に参加するのかな?」

桃はサッカー部の先輩達がなんの種目に出るのか気になっていた

「確かに・・・あの人達ならほとんどの種目に参加できそうだし・・・」

大翔も唯一の体育会系の部でありそれなりにそつなくこなせそうなので

逆に何を選ぶのか全然見当がついていなかった

「それじゃあ昼飯も食い終わったし聞きに行ってみるか?」

蓮の提案で直接本人たちに聞いてみることにした



「・・・なるほど・・・それで最初は俺達のクラスってわけか」

最初に蓮達が訪れたのは純也達のクラスだった

「それで先輩達は何に出るんですか?」

桃は率直に何の種目に出るのか聞く

「俺は無難にパン食い競争とリレーだな」

純也はこの二つの種目に参加すると言っていたが

「あれ?随分と少ないですね?」

鉄平の疑問の通りサッカー部であるはずなのに

三人に比べてあまりにも出場する種目が少なすぎたのだ

「ああ・・・うちのクラスにはあの体力バカがいるからな・・・」

そう言って純也はとある場所に目線をやると

そこには道成と喋っている匠真の姿があった

「「「「ああ・・・」」」」

その姿を見ただけで四人は納得してしまった

つまりは純也がそこまで種目に出なくていい理由は

匠真と言う体力だけが自慢の男が何でも引き受けてくれるからだったのだ

なのでもはや匠真に関しては

何の種目に出るのかは聞くに値しなくなってしまった

「それじゃあ大塚先輩は何に出るんですか?」

鉄平はもう一方の道成が何の種目に出るのか確認する

「確か道成は去年と変わらず大玉転がしと玉入れと綱引きだったな」

それを聞いて四人はは納得のいく人選だと思っていた

道成はサッカー部もさることながら

この学校でも背の高さはトップクラスなので大玉転がしと玉入れは納得

おまけにパワーは匠真とタメを張れるレベルなので

綱引きも納得のいくものだった



「まぁ去年は綱引き負けたんだけどな」



「「「「えっ?!」」」」

なんと四人の考えていたことは違い綱引きは去年負けていたらしい

「そんな・・・キャプテンと大塚先輩がいて負けるなんて・・・」

桃は二人の負ける姿を想像できないらしく信じられないと言った顔をしていた

「残念だがそれは事実だ」

するとそれを事実だといつの間にか来ていた本人達が認めた

「去年は二人で決勝まで進むことができてな・・・

 しかし!そこで奴に出会ってしまったのだ!」

匠真は去年の綱引きについて話し始めた

「一年生の頃は全くの無名で全然警戒しておらず

 俺達はその姿に圧倒されてしまった

 それでも俺達は必死で綱を引いたがビクともしなかった

 そしてそのまま綱がちぎれてしまった

 勝負は審判に持ち越され直前まで勝っていた彼らに軍配が上がった」

どうやら匠真は去年のその出来事をかなり悔しく思っているらしく

声を振り絞りながら話していた

「だがしかし!今回こそは我々が優勝してみせる!待っていろ山台字(さんだいじ)!!」

と匠真は相手の名前を叫びながら燃えていた

道成もそれなりに思うところがあったらしく

珍しくやる気になっていた

「それにしてもその山台字って人すごいですね・・・」

鉄平は匠真の言っていた山台字がどんな人なのか気になっていた

「ちなみに山台字ってあいつな?」

そう言って純也がは言っていた人を振り返って見てみると



そこには相撲取りのような体格の人がいた



「えっと・・・何があったんですか?」

大翔は思わず彼に何があったのか聞いてしまった

「何でも一年生の頃に好きだった彼女が取られたらしくてな・・・

 それでやけ食いして今の体型になってしまったんだってよ」

そう聞かされて四人は思わず思ってしまった

そりゃあ勝てるわけないわ・・・と

「まぁ結局総合優勝は変わらないから別にいいんだけさ

 それじゃあ他の奴にも聞いてきなよ」

そう言って純也は自分の教室に入っていった

「「「「ありがとうございました!」」」」



その後も四人は他の先輩達のクラスを回り

最後になった真樹と錦次のクラスを来ていた

「なるほどな・・・俺はほとんど純也先輩と一緒だ

 強いて言うならそこに綱引きが加わるな」

どうやら真樹は三つの種目に参加するらしい

「意外と普通なんですね?」

桃は意外と普通な回答だと思っていると

「悪いがそうでもないぞ?今言った種目は全部錦次と一緒だからな」

なんと真樹の参加する種目には全て錦次も参加すると言っていたのだ

「なんでですか?」

鉄平はなんでそんなことになっているのか聞くと

「あいつは俺が目立つのを阻止したいんだよ・・・

 それで毎回俺と一緒の種目に出て妨害工作してるんだ」

まさかの身内が敵のパターンだった

錦次は真樹が目立つのを嫌っており

その為にわざわざ自分で妨害工作をしているらしい

「・・・先輩も大変ですね・・・」

蓮はその真実を聞いて思わずそう慰めの言葉を言っていた

「まぁな・・・おかげでうちのクラスは宗孝のいるクラスに毎回負けてるよ」

錦次の妨害工作も結構うまくいっているらしく

他のクラスが勝っているらしいのだが

(橋本先輩の人気って今も続いているから無駄骨なんじゃ・・・)

鉄平の思っている通りいかに錦次が妨害工作をしようが

結局は真樹の魅力を引き出しているので

ファンは減るどころかむしろ増えていってるのだ

そして妨害工作している錦次はそのファンの子達からかなり嫌われていた

つまりは完全なる空回りと言うことだった



(・・・今度から松本先輩に優しくしてあげよう・・・)

そう思った鉄平なのだった

いよいよ次は本番!

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