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観戦者

今回は新しいキャラの視点です

僕・・・(くすのき) 鉄平(てっぺい)は昔からサッカーが大好きだった

小学生の頃から習い事としてサッカークラブに入り始めた

最初は辛いこともありやめたいと思っていたが

それでも父に中途半端は許さないと言われて一年間は続けることになり

僕はこれ以上みんなに笑われたくない一心で猛練習をした

そしてとあるサッカーの試合の日・・・

僕はいつもとは違いベンチでその試合を見ることになった

それでも試合に出ることはないだろうと腹を括っていた時だった

チームメイトの一人が接触で怪我をしてしまい誰かが出場することに

しかしその怪我をしたチームメイトはそのクラブの中で一番うまく

そんな人物の穴を埋めるなどベンチにいる誰しもが無理だと思っていた

僕もその一人であり絶対に出たくはなかった

だがそう思っている時ほど自分がなってほしくない通りになってしまう

「選手交代!背番号7番に変わって16番!!」

背番号16・・・それは僕のつけている背番号だった

僕は憂鬱な気持ちでフィールドに上がっていく

「頼んだぞ・・・!」

怪我をしたチームメイトは僕の肩を叩き後を任せると言ってくれた

(しかし僕にそんな実力はない・・・

 だからそんなに期待しないでくれ・・・)

そんな自虐的な考えしか浮かばずそのまま試合は始まってしまう

すると早速味方がボールを取られてしまう

そしてその選手はそのままボールを持ってゴールに向かっていく

止められるのは僕だけでありなんとしても止めなくてはいけないボールだった

(そうだ・・・僕は・・・誰にも期待されてないんだ・・・)

そんな精神状態の中で僕はボールを取りに向かう

しかしそんな中で思ってしまった



もしここで()()してしまったらどうなるのかと



僕は失敗してしまったら責められると思った

そしてまた僕はみんなの笑い者にされるのだと

(・・・嫌だ・・・僕はもう・・・笑われたく・・・ない!)

「うぉぉぉぉぉ!」

馬鹿にされたくはないそんな必死な気持ちでスライディングを仕掛けると

綺麗なまでのボールカットが出来てしまった

「えっ?」

あまりのことで僕自身も驚いてしまい足を止めてしまっていた

「鉄平!!」

監督に叫ばれて僕は正気を取り戻しボールを前線に上げる

僕はやってしまったと思い恐る恐る監督の方を見ていると

監督は親指を上げて褒めてくれた

その時こそ僕が純粋にサッカーを好きになった瞬間だった

僕はそれで自信を持てその後も活躍し見事に勝利することができた

試合が終わると僕はみんなや監督にたくさん褒められた

おそらく人生で一番褒められただろう

嬉しくなりその後両親にもその試合を報告した

しかし両親はそれくらいできて当然だと言って褒めてはくれなかった

おそらくこの時から両親との仲が険悪になっていったのだと思っている

それでも僕はサッカーを続けて中学でもサッカー部へと入部した



しかしサッカーを辞める出来事が起こった



中学で初の公式試合で僕はスタメンで出場することになった

そしていざ試合が始まり僕達は衝撃的な現実を突きつけられた

僕達のチームはたった一人の天才に圧倒されてしまったのだ

その選手に次々と抜かれゴールを決められてしまう

僕はそれでも諦めるわけにはいかないと試合を続けた

しかし他は違っていた

「?!」

他のチームメイトはすでに試合を諦めていたのだ

そんなメンバーでもちろん勝てるわけなどなく

その試合はとても口で言い表せないほど苦く辛いものとなった

家に帰るとすぐに両親に試合のことを責められた

おそらくどんな立場であっても外から試合を観ていた人間なら

同じことを言うだろう

しかし実際に試合をしていた僕からしてみれば相手が悪すぎたのだ

たった一人でもその類稀なる才能

そんな人物に凡人である僕達が何人相手になっても勝てるわけがない

すると父から僕にとっては地獄のような命令が出された

それは・・・



今後一切の()()()()()()()()()というものだった



僕も最初それを聞いた時は全力で反対しようと思った

しかし先ほどの試合がその考えを変え始めてしまう

あんな天才がいる中で僕はどれだけサッカーを楽しくできるだろうか?

たとえサッカーができたとしてもあの天才に会うことがあるだろう

そうなってしまえば僕は楽しいサッカーができない

そう思って僕はその父から出された命令に頷いてしまった



そして受験の季節になり僕はできるだけサッカーから遠ざかろうと

進学校である秀扇高校を受験することにした

ここなら僕が距離を置いているサッカーがないと判断したからだった

しかしいざその高校に行ってみると

そこには楽しそうにサッカーをしている生徒達がいた

僕はそれを見てしまいまたも考えてしまった

ここでならサッカーをやることができるのではないかと

(ダメだダメだ!僕はサッカーをしちゃダメなんだ!!)

僕はサッカーをしたい思いを振り切り学校を後にする

「まいったな・・・まさか進学校にもサッカー部があるなんてな〜・・・」

家に帰ってきた僕はまさかの展開にどうしようか考えていた

それというのも父はあれからサッカーと名の付くものは全て僕から遠ざけており

秀扇高校を進めてきたのも去年までサッカー部がないからだった

しかしもしサッカー部があると知ってしまえば

強制的にでも受験し直す羽目になるだろう

さすがにそれは面倒くさいと思い僕は全力で隠し通すことにした

(どうせサッカー部があっても関わらなければいい話だ・・・)

そう思い僕は眠りについた

しかし僕は僕自身でも気がついていなかったのだろう

本当は彼らのサッカーを見てみたいだけなのだと・・・



そして高校に入学し僕は普通に日々を過ごそうと思っていると

「そこの君!是非ともサッカー部に入らないか?!」

部活勧誘の日にとても暑苦しい先輩に捕まってしまった

「すいません・・・僕は勉強で忙しいので・・・」

我ながら苦しい言い訳だと思っていたが

「そうなのか!興味が湧いてきたら見に来てくれ!じゃあな!!」

思いの外その先輩は素直な性格らしくそのまま去ってしまった

「・・・単純な人だな〜・・・助かったけど」

去っていく先輩を見ながら僕はもらった勧誘の紙を見ていた

(・・・僕には関係ない・・・僕には・・・)



僕は否定しながらもサッカーが好きなことに変わりはなかったのだろう

結局は気になってサッカー部を見に来てしまって行った

するとどうやらサッカー部は部員が少なく廃部寸前の状態だったらしい

それならば僕がどうこうしなくても大丈夫だろうと思い何もしないことにした

しかし僕の考えとは外れサッカー部は部員を確保し

さらには練習試合もしていると言っていた

しかも相手はあの地区で最強と言われている桐山高校だった

(いやいや・・・絶対に勝てるわけがない・・・)

僕はそう簡単に勝てるわけなどない

どうせ負けて帰って来ると思っていると

その結果は外れて何とあの桐山高校と引き分けて帰ってきていた

(嘘だ?!相手はあの桐山高校だったはずだ?!)

サッカーを知っている人間からしてみればそんなことはありえないものだった

しかし彼はそれをやってのけたのだ

僕はその時からサッカー部に興味が湧いてきた

練習を見た限り天才と呼べる人はおらず

決して強くないチームがどうやって戦ったのか

それから僕はサッカー部をちょくちょく見るようになっていた

やはり天才と呼べる人は二人ぐらいしかおらず

それでも他の天才と比べると見劣りするほどだった

おそらく桐山高校の五十嵐と猪口

この二人がいて引き分けになるほど強いとは思えなかった

しかし・・・



「みんな・・・楽しそうにサッカーしてるな・・・」



見ている側からしてみれば彼らはとても楽しそうにサッカーをしていた

遠くから見ている僕はその中に混ざりたくて体がうずうずしていた

「あの〜!何してるんですか?!」

そんな時にサッカー部のマネージャーから声を掛けられた

(しまった?!)

姿を見られた僕は急いでその場を後にし去って行った

(・・・あれ?僕なんで逃げてるんだ?)

思わず逃げてしまったがよく考えてみれば逃げる必要などないことに気がついた

おそらくは隠れてサッカーを見ていたことを

後ろめたく思って逃げてしまったのだろう

それでも俺はまたサッカー部を見に行ってしまっていた

どうやらサッカー部は部員を勧誘するために練習試合をするらしい

僕は前回の試合を見ていないので大いに興味があった

それに向けてなのか練習にも一層気合が入っているように見えた

「あの!そこで見てないでもっと近くで見ないんですか?!」

そして案の定マネージャーに見つかってしまいまたも声をかけられてしまう

僕は同じくそこから逃げるように走っていくと

「おっと・・・!」

誰かとぶつかりそうになったが僕はそんなことを気にせずに走り去る



そしていよいよ試合の日になり僕は気になって観戦しに行くと

「あれ?彼はあの時の・・・」

GKにぶつかりそうになった男子生徒がいた

自分の記憶が正しければ彼はサッカー部ではないはずだった

それがなんでGKをやっているかわからずそのまま観戦していると

その理由がすぐにわかった

「・・・すごい・・・!」

彼はどんな体勢からもボールをキャッチし何度も味方のピンチを救っていた

しかし前線の選手は調子が悪いのか全然点を取れていなかった

これは引き分けで終わってしまうだろうと誰しもが思っていたが

「?!」

その考えはすぐに変えられてしまった

なんと後半戦残り半分になった瞬間

GKの彼がなんと自陣のゴールから自らシュートを放ち点を取ってしまったのだ

これには自分を含めたすべての観客が驚いていただろう

そして冷静になり気がついた

確かに彼は天才だ

しかしそれだけではない・・・

彼は絶え間ない努力であのシュートを決めたのだ

僕はその光景を目の当たりにし気がついた

自分がサッカーを諦めるだけの努力をしていなかったのだと

そして僕は決心した




再びサッカーをすることを・・・

新しい部員確保か?!

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