秀扇高校VS重岡工業 練習試合
練習試合です(でも試合は終盤から始まります)
いよいよ重岡工業との練習試合になった
「さすがに早すぎたかな?」
大翔は試合のある一時間前にもう学校に来ていた
他に誰もいないか探すがやはり誰も居ずどうしようか悩んでいると
「・・・早すぎないか?お前」
「うぉ?!」
いきなり声を掛けられて驚いた大翔が後ろを向くと
「何だ蓮かよ・・・マジで心臓止まるかと思った・・・」
そこには今回の試合の助っ人である蓮がいた
「てか俺もそうだけどお前も十分早くないか?」
大翔は自分も早いが蓮も早いのではないかと聞く
「思ったより早くバイトが終わってな・・・
家に帰ってからじゃ間に合わないからそのまま直接来たんだよ」
どうやら今日もバイトだったらしいのだが
それが早めに終わって直接ここに来たらしい
「そっか・・・そんじゃまぁ今日の試合はよろしく!」
三十分後・・・
「・・・いや・・・早めに来るのはいいんだが・・・
なんでもう汗だく状態なんだよ?!」
なぜか純也が来た時には二人ともアップとは言えないくらい
汗だくになっていた
「すいません・・・嬉しくなって思わず張り切ってしまいました・・・」
大翔は汗だくの状態で謝っていた
「全く・・・ウチの部員は馬鹿しかいないのか・・・!」
そう言って純也はとある人物を見る
「なっ・・・なんだ?!」
見られていたのは匠真だったしかもなぜか大翔と同じく汗だくだった
「・・・俺言ったよな?張り切りすぎて試合前に燃え尽きるなよって?
なんでもう燃え尽きそうになってんの?」
実は匠真も今回の試合に先駆けて家でアップしてから来たらしいのだが
「普通朝の七時に起きてからずっとアップしてるとかおかしいからな?!」
どうやら純也の話では朝早く起きてそこからずっとアップをしていたらしい
「だっ大丈夫だ!おっ俺はまだやれる!」
と匠真はやる気満々とアピールするが他からして見れば全然大丈夫ではなかった
「・・・どうします?多分この二人今日は役に立ちませんよ?」
宗孝は今回の試合ではこの二人は役に立たないと判断した
「まぁこの為に一応攻撃のパターンを増やしておいたからな・・・
あとは実戦でどれだけできるかだろうな・・・」
純也はこうなる時の為に攻撃の練習をしてきたのでここで試すべきだと考えていた
「・・・つまりはぶっつけ本番ってわけですね?」
宗孝の言う通り要はぶっつけでやってみるしかないのだった
本来ならば普通に勝てるであろう今日の試合の雲行きは怪しくなってきていた
「なんだ?なんだ?!俺たちと戦う前にビビってるのか?!」
そんな秀扇高校の前に一人の男が歩いてきた
「お前・・・大口・・・!」
純也はその人物の顔を見てなぜか心底嫌そうな顔をしていた
「その通り!今回お前達と戦う強豪!重岡工業のエース!大口 畳様だ!!」
そう名乗った大口は何やらめちゃくちゃ偉そうだった
「・・・えっと・・・強豪?」
大翔は大口の言っていた強豪の言葉に首を傾げていた
なぜなら純也の話では万年一回戦で予選を負ける学校がこの重岡工業と言っていたのだ
しかし当の本人はこの高校が強豪だと言っている
一体なぜだろうと考えていると
「気にするな・・・こいつの言うことは全部嘘っぱちだから・・・」
純也があまり大口の言うことを信用しないほうがいいと言った
「それってどういう意味ですか?」
大翔はなんで信用しないほうがいいのか確認する
「あいつは目立ちたがりでな・・・毎回自分を大きく見せようとするんだよ・・・
言うならば苗字の通り大口ばっか叩いてるってわけだ・・・」
どうやら大口は自分でそう言っているだけらしく特にこれといって強くはないらしい
「ああ・・・そういうことですか・・・」
大翔はそれを聞いてなんで純也があそこまで毛嫌いをするのか理解した
要はこの大口という男は非常に面倒くさい人間なのだ
だからあまり純也は関わりたくないと思っていたらしい
「まぁ今日はせいぜい俺たちが目立つために役に立ってもらおう」
今回の試合の目的は勝つこともあるがそれ以上に部員を確保することだった
よって今日はなんとしても目立つ必要があるのだ
「・・・そういえばお前・・・なんで一人なんだ?」
純也はふとなぜか一人の大口にその理由を聞いた
「ふっ・・・貴様らなど俺一人で十分だわ!」
どうやらこの人だけ勢い余って先についてしまったらしい
「・・・いや・・・一人じゃ試合できないですから・・・」
大翔は冷静に畳に対してツッコむのだった
「なんだが随分と楽しそうな奴だな・・・」
蓮は遠くから先ほどまでに会話を見ており大口のことを馬鹿だと認定した
「まぁな・・・でもあの人が重岡工業のエースってのは事実だ」
するとそこに真樹が近づいてきて大口の話をし始めた
「あの人は実力こそはないが人を惹きつける魅力がある・・・
あのポジティブさが逆に味方にとっては良く働いてるんだ」
どうやら大口のあの性格は多かれ少なかれ味方の励ましになっているらしい
「いつもは俺たちと同じ地区大会の一回戦で消えるけど・・・今回はどうだろうな?」
真樹は大口という男の実力をそれなりに評価しているらしい
「そうですか・・・まぁ一点もやる気はないですけど・・・」
しかし蓮はそれを聞いても油断はせずにゴールを守りきると宣言した
「ふっ・・・そうか・・・それなら俺達も俺達の仕事をしよう・・・」
真樹はそう言ってアップを始めた
「・・・それにしても・・・やっぱり集まりは悪いな・・・」
蓮は観客側の方を見て思ったのは集まりの悪さだった
先日も言った通りあまり観戦希望者はいなかったので覚悟はしていたが
それでも今集まっていたのは二十人そこらだった
これでは試合が始まる時にいるのは桃が言っていた通りの五十人くらいだろう
「はぁ・・・まぁ仕方ないか・・・」
蓮はそれでもやるしかないと気持ちを切り替えてグローブを取りに向かう
「はい!どうぞ!」
すると既に桃はグローブを持っており手渡してきた
「悪いな・・・提案しといてなんだが・・・そんなに集まらなくて」
蓮はグローブを受け取りながら今回の提案は失敗だったと謝る
「ううん!全然失敗なんかじゃないよ!みんなも後で驚くよ!」
「?」
蓮は言っている意味がわからず
とりあえずそのまま試合開始の時刻まで待つことにした
そして試合開始十分前・・・
「おいおい・・・マジかよ・・・」
蓮は先ほど桃が言っていた通りに驚愕していた
なぜなら先ほど前二十人くらいしかいなかった観客が
その五倍の百人くらい来ていたのだ
「ね?驚いたでしょ?」
桃は驚いていた蓮に近づいてどうか確認する
「・・・一体どうやって集めたんだ?」
蓮は素直にどうやって集めたのか聞く
「実は連絡網を使ってみんなに宣伝してみたんだ!
そしたらこんなに集まってくれんたんだよ!私も予想外!」
桃は連絡網を使ってみんなに宣伝しておいたらしい
しかしそれでも一クラス三十人くらいなのでここまでの人数にはならない
おそらくはさらにそこから別のクラスなのの友達に連絡してくれた生徒がいて
ここまで集まってくれたのだろう
「さすがにここまでの観客の前で試合するのは初めてだな・・・」
純也もここまでの観客が集まるとは思っておらず緊張が高まっていた
「先輩・・・どうでもいいですけどあいつは止めなくていいんですか?」
すると宗孝がとある場所を指差しあれはいいのかと聞いていた
純也がその場所に目をやるとそこには
「へい!お嬢さん達!今日は俺の勇姿を存分に見ていってくれ!
そしてその後は・・・一緒にお茶しないかい?」
一年生をナンパしている錦次がいた
「・・・・・」
先ほどまで緊張していた純也の頭がすごい勢いで冷めていった
純也は静かに錦次の元へと向かっていく
「ギャァァァァァ?!!」
「・・・なんか試合する前からピンチじゃないか?向こう側・・・」
重岡工業の部員が秀扇高校の方を見て
本当にこれから試合するのかと疑問に思っていた
なぜなら一人は緊張で吐きそうになっており
一人は先ほど鉄拳制裁をくらい今現在お説教中
そして二人ほどがなぜか試合する前から汗だくの状態だった
これで試合ができるかどうか疑問に思うのは仕方ないだろう
しかしその疑問は始まってすぐに間違いだったと気づくのだった
「両チーム整列!」
そしていよいよ試合の開始時刻になり両チームが並びたった
「「よろしくお願いします!」」
挨拶が終わり両チームはそれぞれのポジションにつき
試合開始のホイッスルが鳴った
「最初から全力でいくぜ!!」
最初のボールは重岡工業に行きそこから大口にボールが渡される
「オラオラオラァ!吹き飛ばすぞ!!」
大口はボールを持ったままゴールまで直進していく
「通しませんよ」
その前に真樹が立ち塞がる
「残念だが俺は止められないぜぇ!!」
しかし大口は関係なく進もうとして
「しまったぁ!」
真樹にあっけなくボールを取られた
「宗孝!!」
パスをもらった宗孝は味方と敵の配置を見てどうするかを考える
(おいおい・・・マジで疲れきってるじゃねぇかよあの二人・・・)
味方の配置を見た瞬間FWであるはずの二人が全然いつもの場所に居らず
いつもの攻撃パターンが封じられた
(仕方ない・・・ここは!)
宗孝はしょうがないと思い今回はあの二人を頼らず
「秋田谷先輩!頼みました!」
MFの三年生を頼ることにした
「おっしゃ!任せろ!!」
周平はボールを受け取ってゴールまで向かって行き
「オラァ!」
シュートを放った
「チィ!外した!!」
しかしボールはバーに当たって弾かれてしまい
得点は取れなかった
「悪い!決められなかった!」
周平はパスをくれた宗孝に謝ると
「いえ・・・さすがにそんなうまくいくとは思ってなかったので大丈夫です
今はとりあえずさっきのような攻撃を続けましょう」
宗孝もさすがにぶっつけ本番の一回目で決まるとは思っておらず
このままさらに攻撃して一点を決めれればそれでいいと考えていた
「てかむしろ俺に謝らなくちゃいけないのはあの二人です・・・」
そう言って宗孝が見ていたのはシュートを決めるチャンスで全然活躍していなかった
FWの二人だった
こうして何やらおかしな雰囲気が漂う部員勧誘試合が始まったのだった
FWが使えない状況でどうやって点を取るのか?!




