表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
電子少女でも恋がしたい  作者: 古河 聖
2030年6月24日(月)
97/318

第97話「まあ、間違いなく翌日寝不足でしょうね」

 3週連続GIレース、今回が最後の天皇賞秋です。東京レース場で行われる芝2000mのレースで、ジャパンカップ、有馬記念と合わせて秋古馬三冠レースと言われたりします。要は4歳以上の馬が主に出走する、秋の3大レースのうちの1つということですね。元々は春の天皇賞と同じく3200mで行われていたのですが、1984年から距離が変更になり、それ以降は中距離の最強馬決定戦として位置づけられています。今回はそんな最強決定戦の中でも特に熱かったレースを2つ、ご紹介しましょう。

 まずは97年。この年の1番人気は前年の覇者、バブルガムフェロー。対抗馬がほぼ不在の中、96年に年上の強敵を押さえて史上初めて3歳で天皇賞秋を制した彼の連覇は濃厚とみられていました。そこに待ったをかけたのは2番人気、前年のオークス覇者、エアグルーヴ。レースはこの2頭のマッチレースになります。残り200mを切った辺りで先頭を捉えると、そこからは2頭の壮絶な叩き合いです。ほとんど横並びで最後の200mを駆け抜け、実況が『バブルか、エアか』と何度も叫ぶほどの競り合いを繰り広げた末、僅かクビ差でエアグルーヴが先着、前年の覇者を下しました。実に17年ぶり、天皇賞秋が2000mからは初めての牝馬の制覇でした。3着は5馬身後方という、2頭の強さが際立ったレースでもありましたね。

 そしてお待たせしました08年。天皇賞秋を語る上で絶対に外せない伝説の一戦です。過去最高レベルの強者が揃ったと言われるこの年の1番人気は64年ぶりに牝馬としてダービーを制した府中の申し子、ウオッカ。2番人気はそのウオッカにここまで3勝1敗、GI3勝も長期休養明けかつ初めての府中ということで少し人気を落としたダイワスカーレット。この両牝馬のライバル対決がどうしても注目されがちですが、3番人気のディープスカイはこの年のダービー馬、4番人気のドリームジャーニーも06年の朝日杯FS覇者と、彼女たち以外も豪華な顔ぶれなのです。そんな中始まったレースは、ダイワスカーレットがハイペースで逃げ、ウオッカたちが中団からそれを追いかける形で展開していきます。勝負の最終直線、人気通り後方から上がってきたウオッカと、先頭で必死に粘るダイワスカーレット。一度はウオッカが前に出るもダイワスカーレットが差し返し、両者譲らないデッドヒートを繰り広げたまま走り抜けたそこがゴールでした。4、5頭がほぼ横並びでゴールするという超大接戦に、実況も思わず『大接戦ドゴオオオン!』と叫んだほどです。13分にも及ぶ写真判定の末、僅か2cmの差で勝利をもぎ取ったのはウオッカでした。なんとこのレースの9着までが従来のレコードタイムを越えるという、超ハイレベルな一戦でした。

 どちらも実況付きの映像で見た方がより臨場感や熱さが伝わると思いますので、良ければ是非見てみてください。

 ちなみに今年の天皇賞秋も結構な役者揃いです。彼女たちのような熱いレースが今年も見られるかもしれませんよ。

 では、スタート。



 午後11時過ぎ。南川様が日課の筋トレも済ませ、そろそろ寝る準備を始めようかというタイミングで、ダウンロードしっぱなしにしておいた『元神』のダウンロードがようやく終わりました。表示通り、きっちり2時間かかりやがりましたね。

『南川様、『元神』のダウンロードが終わったようですよ』

「あ、やっと終わったんだ。でももう11時でしょ? 今から始めるとなぁ」

 まあ、間違いなく翌日寝不足でしょうね。多分南川様がハマるタイプのゲームですし。

「……ちなみに、開始1時間くらいで区切りがつけられたりする?」

『中断はいつでもできるタイプのゲームですね。全てオートセーブなのでやめようと思えばいつでもやめられます。チュートリアルもまあ、指示通りにさくさく進めればそんなに時間はかからないかと。でも……南川様、絶対脱線しますよね?』

「……うん、するね。チュートリアルガン無視で周囲の探索とか無限に始めるね、間違いなく」

『ですよね。であれば、本日はやめておいた方が良いと思います。大人しく明日以降、もっと時間が取れる時に遊びましょう』

「そうしよっかぁ。となると、この後どうしよっか。寝るにはちょっと早いんだよなぁ」

『早めに寝たらいいんじゃないですか? いつも朝起きないんですから』

「ユリ辛辣!」

 いや、起こす側からすると割と真面目にそうして欲しいです。大変なんですよ、何度も声かけるの。たまには私が起こさずともすっきりと目覚めて欲しいものです。……いやまあ、別に起こすのも全然嫌ではないんですけどね。なんというか、この『私がいないと駄目だな』感は、なんだかむしろ心地よくはあります。これがダメ男に惹かれる女性の気持ちというやつでしょうか。いや、別に南川様はダメ男ではありませんが。

「……けどまあ、することが特にないのに起きてても仕方ないか。ユリの言うように、ちょっとスマホゲームで遊んだら今日は早めに寝ようか」

 うん、それはちょっとといいつつ1時間くらい遊ぶやつなので結果いつも通りですね。明日の朝も私は私の仕事をしなければいけないようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ