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電子少女でも恋がしたい  作者: 古河 聖
2030年6月23日(日)
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第68話「可哀想な人たちです」

 4月10日は女性の日ですね。女性の皆さん、ご存じでしたか? 1946年の4月10日に、戦後初の総選挙で初めて婦人参政権が行使されたことにちなんで制定されたそうです。また、4月10日からの一週間を女性週間と言うそうで、女性の地位向上のための啓発活動を集中的に実施するための週間なのだそうですよ。まあ、私も今調べて初めて知ったんですけどね。私も性別は一応女性ということになっていますが、私の場合女性である以前にAIですから。ですが、同じ女性として関心を持っておくのは悪くないことでしょう。こうして関心を持つ人が多くなればなるほど、こういった活動は効果を増しますからね。

 それ以外では、駅弁の日でもあるそうです。4月は駅弁の需要拡大が見込まれる行楽シーズンで、弁当の「当」の字を取って4月10日に制定されたようです。また、数字の「4」と漢数字の「十」を合成すると弁当の「弁」の字に見えるという意味もあるそうですよ。……本当に見えますかね、それ。やや強引な気もしないではありませんが、日本で制定されている「○○の日」の中にはそういった例も多く存在しますからね。たまにこういう強引なものがあるのも調べていて楽しいので、私的には全然アリです。まあ、納得できるかと言われたらそれとこれとは話が違うこともあるかもしれませんが。

 では、スタート。



 西館の三階から二階へ降りて歩くこと2、3分。お目当ての温泉グッズをメインに取り扱っているお店へ到着します。私の案内で。

「おおー、パッと見ただけで凄い色々取り扱ってるね」

「一口に温泉グッズと言ってもこんなに種類があるんですね。これならお姉様が気に入りそうなものも見つかりそうです」

 店内は温泉でよく見かけるような手拭いや桶、浴衣に湯浴みもあれば、恐ろしい種類の入浴剤や温泉饅頭、様々なキャラクターとのコラボグッズもあるという、温泉と関わりのある物なら大抵は揃いそうなラインナップですね。需要も結構あるようで、店内もそれなりに賑わっています。

「逆にこれだけあると絞りにくそうでもあるけどね。とりあえず、家でも使えそうなグッズを見てみようか」

「なるほど、湯浴みですね」

「なんで最初の選択肢がそれなのかな!?」

 一人暮らしの自宅で湯浴みを着用する人がいないとは言いませんが、真っ先に候補に挙げるものではない気がしますね。それと、姉に湯浴みをプレゼントする弟はどうかと思いますよ。

「普通に入浴剤とか見ようよ。めっちゃ種類あるし、珍しいのが置いてあったりするかもよ」

「それは確かに。プレゼント用でなくても普通に気になりますね」

「でしょ? じゃあそっちから見よう」

 お二人が最初に向かったのは入浴剤のコーナーです。ゆずやラベンダーのような香りがするものと、草津や有馬など有名な温泉地の気分が味わえるものが主に置かれていますね。

「いい香りがする系か、温泉地の気分が味わえる系だね。どっちの方が美音ねえは好きなんだろう」

『ツエッターの傾向から考えると、お姉様は後者の方がお好きなようですよ』

「あー、やっぱりそうだよね。僕もそっちだもん」

 さすが姉弟、好みの傾向は似るんですね。

「そういえばお兄様、ゴールデンウィークは大分に行ってらっしゃいましたよね。大分の温泉はいかがでしたか?」

「どれもめっちゃ良かったよ。行ったのは湯布院とか別府のあたりだったけど、流石有名な温泉地だね。凄く癒されたよ」

「羨ましいですね。私やお姉様も連れて行ってくれれば良かったのに」

「そ、その件は散々謝ったでしょ。突発的な思い付きだったから、急に誘うのはアレかなー、と思ったんだって」

 確かに、旅行を思いついたのが一週間前とかでしたからね。急に「来週大分行くけど一緒に来る?」とか誘われても困るでしょう。二人、三人となると宿を取るのも少し難しくなりますしね。

「なら、今度行くときは前もってしっかり予定を立ててください。そうすれば私たちもスケジュールを調整しておくので」

「もうついてくるのは確定事項なんだね……」

 相変わらず仲いいですね、この兄妹は。この年頃の兄妹が一緒に旅行に行くのはまあまあレアケースな気がするのですが。本来そう言うのは恋人と……ああ、お二人ともそういうのに縁がないんですね。可哀想な人たちです。

「というわけで、この別府温泉の入浴剤を私とお姉様に買ってください」

「どういうわけで!?」

「お兄様は本場を味わってきたんですから、私たちにおすそ分けしてくれてもいいじゃないですか」

「それを言われるとなぁ……わかった、取り敢えずこれは買うよ。でも、美音ねえのプレゼントはこれとは別でちゃんと考えよう」

 人はこうして予定外の出費が増えていくのですね。

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