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電子少女でも恋がしたい  作者: 古河 聖
2030年6月23日(日)
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第64話「来年は何か予定があるといいですね(笑)」

 ホワイトデーの季節ですね。バレンタインにチョコを貰った男性諸君にとってはお返しの時期ですが、バレンタインになんの音沙汰もなかった可哀想な男性諸君にとっては普段と何も変わらないただの日曜日でしょう。来年は何か予定があるといいですね(笑)。

 ……と、こんな煽りをするためにこの話題を持ってきたわけではなくてですね。ホワイトデーというのは、バレンタインデーの注目度に比べるとかなり劣っているように感じたわけです。バレンタインにはがっつりイベントがあるのにホワイトデーにはログインボーナスがあるくらい、というソシャゲーも多いですし、メディアで取り上げるのもバレンタインの話題の方が多いですよね。対になるイベントのはずなのに、どうしてこんなに扱いの違いがあるのでしょうか。

 気になって調べてみたところ、その要因はホワイトデーが「日本発祥」であるという点にありそうです。バレンタインの起源に関しては聖ウァレンティヌスの殉教だったりローマ帝国時代のお祭りだったりと諸説ありますが、いずれにせよ古い起源をもつ世界レベルのイベントなわけです。海外では男女関係なく恋人や家族など、大切な人へ向けて贈り物をするのが一般的ですよね。一方日本では女性から男性へチョコを贈るのが一般的になっていますが、そうやって贈り物を貰ったら返そうとするのがいわゆる日本人的な感覚で、そこからホワイトデーという風習が生まれたようです。この風習はせいぜい一部のアジア諸国に広まっている程度で、世界的には3月14日というのは別に何でもない一日なわけですよ。驚きましたか? というわけなので、世界規模のイベントとアジアの一部でしか行われないイベントでは扱いの差があるのはある種当然ですよね。まあ、冒頭でちらっと言ったように、バレンタインに何も貰っていない人にとってはなんの意味もないイベントということで、対象人物が限られる分扱いにも差が出るという部分もあるでしょうが。

 ちなみに、3月14日というのは円周率の3.14にちなんで数学の日だったりパイ(π)の日だったりもするんですよ。

 では、スタート。



 前回妹様が選んだ洋服は試着の結果も良かったようで、そのまま購入してようやく最初の寄り道が終了しました。時刻は既に11時。あっという間に1時間を潰した形ですね。

「お兄様のお陰で良い買い物ができました」

「僕は大したことはしてないよ。それより、お腹は減ってない? 今食べないなら2、3時間くらい先になると思うけど」

 こういうショッピングモールのフードコートはお昼時には鬼のように混雑しますからね。今ならまだ多少空いているかもしれませんが、あと数十分もすれば全く座れない状態になるでしょう。そうなるとしばらくは昼食を取ろうにも席が取れませんからね。それを指して南川様は尋ねたのでしょう。

「私は大丈夫ですよ。お兄様はどうですか?」

「僕もまだ大丈夫かな。じゃあ、先に買い物を済ませて、それからお昼にしようか」

「はい」

 ということで、昼食は後回しにして先に目的の店に向かうことにしたようです。東館の一階から、まずは西館へ向けて移動を開始します。バカでかい施設なのでそれだけでも5分近くかかりますね。

「お兄様、最近おすすめのゲームとかってありますか?」

 道中は兄妹の雑談タイムのようです。まあ、そっちに集中していてくれた方が寄り道は少ないのでありがたいですね。

「ゲーム? 愛海がゲームなんて珍しいね。今までほとんどやったことないでしょ」

「そうですね。昔はお兄様のプレイを横で見たりはしていましたが、自分でやることはほとんどないです」

 そんな妹様が、どうして急におすすめのゲームを聞いたりしたのでしょうか。

「ですが、そろそろ就活だったり大学のことだったりであまり時間が取れなくなってくると思うんですよ。秋には教育実習もありますし。そうなると、こうしてお兄様と一緒に買い物に行ったり遊びに行ったりしづらくなるじゃないですか」

「まあ、それはそうかもね」

 そもそもこの歳になっても一緒に買い物に行ったり遊びに行ったりするほど仲の良い兄妹は希少種だと思うのですが、それはツッコんではいけないところですかね。

「そうなった時に、オンラインで一緒にできるゲームなどであれば、移動の時間なども必要なくお互い空いた時間に気軽に楽しめるかと思いまして」

「あー、なるほどね」

 ゲーム自体に興味が湧いたというよりは、兄と一緒に遊ぶツールとして気になったという感じですね。

「そういうことなら……そうだなあ。僕がやってるのにするか、あるいは新しいゲームを一緒に始めるか……ユリ、どっちがいいと思う?」

 そうですね。妹様がゲームに不慣れなことを考えるなら、南川様のやったことあるゲームを一緒にやるのが無難かとは思いますが……それだと南川様自身があまり楽しめない可能性がありますよね。慣れない妹様に合わせて自分自身が楽しめないのでは意味がありません。となれば、答えは一つですね。

『せっかくの機会ですし、なにか一緒に始めてみてはいかがですか? オンラインのネットゲームとか楽しいと思いますよ』

「お、それはいいね。あんまりやったことないジャンルだし楽しそう。なにかおすすめとかある?」

『南川様に対するおすすめであれば候補はすぐに挙げられますが、妹様も一緒にとなると少し検索時間が必要ですね』

 妹様の好みや傾向についてはまだ全然把握できていませんからね。兄妹なので似通っているとは思いますが、絶対とは限りません。アシスタントAIとして変なものをおすすめするわけにはいきませんので、ここは慎重に見定めましょう。

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