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電子少女でも恋がしたい  作者: 古河 聖
2030年6月22日(土)
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第55話「もはや熟年夫婦の域ですね」

 成人の日が近いので、それにまつわる話でもしましょう。成人の日とは、1948年施行の祝日法によって定められた国民の祝日の一つですね。現在はハッピーマンデー制度により1月の第2月曜日が該当します。そのお陰で確実に3連休になりますので、その連休の真ん中にあたる日曜日に成人式を開催する自治体が多いようですね。20歳というと大学生だったり既に働いていたりで地元を離れている方も少なくないでしょうから、そういった方たちが帰省、式への出席がしやすいという意味では良い事だと思います。実際、成人の日が1月15日に固定であった1999年以前では、単日の休みになることもあり帰省や式への出席を諦めるケースがそれなりにあったようですからね。その時代を思えばほとんどの人が参加しようと思えばできる現状は悪くないでしょう。

 ですが、だからといって過去を忘れていいわけではありません。みなさんは何故、成人の日が元々1月15日だったかご存知ですか? 由来は日本の『小正月』という行事にあります。豊作祈願などの農業に関連した行事や家庭的な行事が行われる日であり、かつての日本で成人を示すものとして行われた元服の儀を行うのもこの日でした。そのことから1月15日が成人の日として制定されるわけです。

 年明け早々の3連休で喜ぶのも、かつての友人たちと大いに盛り上がるのも構いませんが、たまには自分の生まれた国の歴史や伝統にも目を向けてみてください。成人(おとな)になるというなら尚更、です。何故成人式は1月にやるのか、のような疑問を疑問のままにしないことが第一歩ですよ。

 では、スタート。



 目的のゲームを購入した南川様は、再び自転車を走らせて自宅へ向かいます。家に辿り着いたのは、ちょうど9時になろうかという頃でした。平日よりも遅い帰宅になってしまいましたが、カラオケ後は毎回こんな感じです。ここから夜ご飯を作って食べ、お風呂に入って少し遊んでから就寝という流れです。早速今日から『バイオ・パニック』を遊び始めるのかどうかはわかりませんが、ひとまずは食事とお風呂ですね。

「夕飯はなににしようかな~。お腹は減ってるけど、疲れてるし明日も出かけるしであんまり手間も時間もかけたくないんだよね~」

 南川様は部屋着に着替えを済ませると、キッチンへ向かいながら本日の夕飯を考えます。そういえば、明日は妹様とお出掛けでしたね。現地に10時集合というところから逆算すると……起床は8時くらいでしょうか。平日よりは断然遅いですが、今日よりは早い感じですね。とはいえ、そこまで時間に余裕がないわけではないと思うのですが……まあ、料理をしたくない言い訳みたいな感じでしょうかね。私と交互にとはいえ十時間歌った後ですし、疲労はだいぶ溜まっているでしょう。時間のかかる料理を作るほどの気力は残っていないはずです。こういう時の南川様は冷凍炒飯を温めがちなのですが、即決しないということは今日は炒飯の気分ではないのでしょうか。であれば……そうですね、この辺がいいでしょうか。

『なら、パスタはどうですか? 大した手間はかかりませんし、ちょうど期限の近付いてきたレトルトのミートソースがあります』

「お、それ採用。どこにあるっけ」

『冷蔵庫の隣の棚の二段目の引き出しです』

「りょーかい」

 私が示した場所から乾燥パスタとレトルトのミートソースを取り出すと、ミートソースは電子レンジに入れ、パスタを茹でる準備をしていきます。

「ユリ、いい感じのタイミングで温め開始しといて」

『承知しました』

 指示がだいぶざっくりとしていますが、恐らくはパスタの茹で上がりに合わせて温め終わるようにやってくれ、ということで良いのでしょう。3ヶ月とはいえその間毎日一緒にいますので、このくらいは汲み取れます。もはや熟年夫婦の域ですね。

 とはいえ意志が汲み取れても実行出来なければパートナーとして不甲斐ないので、南川様がパスタを茹でる様子をしっかり確認しておきます。パスタの茹で具合、南川様の好みやこれまでの傾向を考慮すると……今くらいでしょうか。南川様は割とふにゃふにゃのパスタを好みますので、指定の茹で時間よりも少し長く茹でることを考慮してやや遅めにレンジを起動します。結果、その微調整が功を奏して、南川様がパスタをお湯から上げるのとレンジが温め終了を告げるベルを鳴らすのはほぼ同時でした。できる嫁過ぎますね、私。

「さすがユリ! タイミングばっちりだね!」

『このくらいはお任せください。アシスタントAIですからね』

「ここまでくると、もはや家政婦とかメイドの域だけどね」

『なるほど……つまり私にメイド服を着ろと?』

「どうしてそうなったの!? スマホにメイド服着せるとかだいぶヤバい奴だよ!?」

『冗談です』

 褒められたことへの照れ隠しのようなものです。それと訂正をしておくと、それは「だいぶヤバい奴」ではなく「限りなくイカれたド変態」ですからね。

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