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電子少女でも恋がしたい  作者: 古河 聖
2030年6月29日(土)
229/310

第229話「どうしてこうなったのでしょう」

 トイレットペーパーの三角折りって、皆さんは見かけたことありますか。通常であれば部首の『うけばこ』のような四角い形になる紙の端を、両側から三角に折ることで畑の地図記号のような形にするアレです。見た目が綺麗なので、ホテルなどではトイレットペーパーを三角折りに整えているところも結構あります。皆さんの中にも、デパートやコンビニなどでトイレを使用した際に紙を三角折りするようにしている、という方がもしかしたらいるかもしれませんね。一見丁寧で素晴らしい行為のように思えますが、実は三角折りの意味を考えるとそれはやってはいけない行為になるので注意が必要です。

 三角折りというのは、そのトイレが清掃済みであり、清掃後まだ誰も利用していないという事をお客様に示すためにホテルなどでやられるようになった習慣だと言われています。些細な違いですが、前の宿泊客が利用した後きちんと清掃してある事が一目見てわかるので、その効果や反響は大きく、徐々にホテル以外の場所でも使われるようになって今に至ります。

 さて。以上の話を踏まえると、どこかの施設でトイレを利用した後に紙を三角折りにするのはよろしくないというのはわかりますね。自分が使った後であるにも関わらず、次に使う人が三角折りを見て「あ、清掃してからまだ誰も使ってないんだ」と思ってしまう可能性があります。その人が三角折りの意味を知らない可能性もありますが、知っている場合は勘違いをさせてしまいますよね。もしトイレが少し汚れているような状態でこれをやってしまうと「え、これで清掃済みなの!?」と施設側の評価を勝手に落とす事態にもなりかねません。善い行いに見える三角折りですが、その意味をきちんと理解して、自分が使った後にはやらないようにしましょう。

 ちなみに、三角折りをしてないから清掃をしていない、ということではありませんからね。清掃時に三角折りを実施していない施設も普通にたくさんあります。

 では、スタート。



 13話に及ぶ激闘の末、見事に初心者の妹様の勝利で幕を閉じた『カテン』。その時点のポイントでいうと一応私とお姉様が六ポイントで並んで二位タイ、南川様が五ポイントで四位ということになりますが、正直妹様以外の三人はどっこいどっこいです。妹様の圧勝と言うべきでしょう。独走の雰囲気を感じて割と早い段階から止めには入っていたと思うのですが、ダイス運などもあって結局止められませんでしたね。

「そっか、サポートカードで一ポイントを引いてる可能性はあったよなー。でもそれが読めたところで結局止める手段がなかったから、これはなみちゃんに完敗だね」

「もっと早い段階から全力で止めにいかなきゃいけなかったねぇ。後半に入ってからは止めても止めても愛海に資源が集まってくるからどうしようもなかったよ」

「最初に街を建てられたのと、順番が一番目だった恩恵が大きかったと思いますよ。初めての私でも、経験者のお兄様たち相手に先手を取って有利にゲームを進められたので」

『もちろんサイコロ運もありましたけどね。同じ確率のはずの6と8がそれぞれ四回と十回でかなり偏りがあって、それよりも確率が低いはずの5も六回出ているので、それも妹様に有利に働きました』

 逆に言えば南川様にはかなり不利に働いたダイスロールでしたね。まあ、サイコロ運の話でいうと8も9もそれぞれ十回ずつ出ているので、その恩恵を両方とも受けている私ももっとゲームを有利に進められても良かったはずなのですが。実際序盤は私の方が優勢だった気がするんですけどね。どうしてこうなったのでしょう。

「ユリちゃんも、石を集めてそれを港で変換して、っていう戦略は良かったんだけどね。同じことをレンガでできたなみちゃんの方が上手(うわて)だったね」

「このゲーム、結局木とレンガがたくさん入手できる方が強いからねぇ。道を伸ばさないことには街も建てられないし、その街を建てるにも木とレンガは使うし。前半は木とレンガを集めて道を伸ばして街を作って、後半は港とかを駆使してそれらを石と小麦に変換して都市に進化させるムーブが安定して強いよね」

 確かに、実際に遊んでみて木とレンガの重要性はひしひしと感じましたね。私の場合は自力でレンガを入手する手段が無かったのが最終的に大きく響いた感じがします。後手に回ると道を延ばす場所も街を建てられる場所も減っていきますし。だからこそ最初の街と二つ目の街を何処に置くかはかなり重要で、初手でベストな場所を押さえられた妹様がその後のゲームを有利に進められたのは当然だったのでしょう。

「さて、感想戦もいいけど時間がもったいないから次いこうよ。もう一回カテンでも良いし、別のボドゲをするんでも良いし。ここはカテン勝者のなみちゃんに決めてもらおうか」

「私ですか? うーん、そうですね……折角の機会ですから、いろんなゲームで遊んでみたいです」

「おっけー、じゃあなんか別のゲームやろう! カテンのリベンジマッチはまたの機会ということで」

「夕飯の前にあと一つくらいは遊べるかな」

 現在時刻は午後五時。支度の時間も考えれば確かにあと一つくらいですかね。カテンでは同じ初心者の妹様にも遅れを取ってしまいましたが、今度は私が勝ちます。

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