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電子少女でも恋がしたい  作者: 古河 聖
2030年6月25日(火)
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第102話「予定外の仕事が増えるのは最悪です」

 皆さん、SEというとどんなイメージでしょうか。もちろんサウンドエフェクトの話ではないですよ。システムエンジニアの話です。なんとなく『理系の職業』とか『ずっとパソコン弄ってそう』とか、そんなイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。なので本日はそんな皆さんのイマジンをブレイクしてあげましょう。

 まずは『理系』のイメージですが、実際に比較してみると別に理系出身の方が圧倒的に多いとかそういう事はありません。企業によっては文系出身者のほうが多い事も全然あります。何故かといえば、別に理系出身だからといってSEへの就職が有利になるわけではないからですね。だって、理系の人が全員プログラミング経験者だったりパソコンに強かったりするわけではないでしょう? なので基本的には文理関係なく就職してからプログラミングやパソコン知識を研修等で本格的に学ぶ事になるので、どちらの出身でも別に差は無いのです。プログラミングにはロジカルシンキングが求められるので、そういう意味では理系的な頭の方が能力的に向いているかもしれませんが、文系だろうとできる人はできますからね。南川様も文系出身ですが、数学が得意なので研修での覚えも早かったようです。最近ではプログラミングが教育に組み込まれているので大半の人がプログラミング経験者になる事もあって、今後文理の差はますますなくなるかと思われますね。

 そしてもう一つの勘違い『パソコンばっかり弄ってる』というイメージですね。実際、下請けがメインのシステム会社ではそういう事もあるかもしれません。こう作れと言われたものを作るだけですからね。ですが、お客様とのやり取りを自社で行うようなシステム会社の場合、存外パソコンを触る以外の時間も長いです。まずはお客様の要望を聞いて、それに合わせてシステムを組むわけですからね。相手方にとっては決して安くは無い買い物になるので、お客様との対話、打ち合わせは大事になります。一度システムを完成させた後でも、実際業務で使ってみて出てくる要望などもあって定期的に打ち合わせをしたりする場合もあるので、実はそこまでパソコンばっかりってこともないのです。まあ、それでも大部分はパソコンと向き合う事になりますが。意外とコミュ力が必要になる事もあるので、就活の際は参考にしてみてください。

 では、スタート。



 朝の電車内で無事に推しを引き当てた南川様は、引いた直後こそ車内で叫んだ恥ずかしさから小さくなっていましたが、徐々に推しを引けた喜びが勝ってきたのか、終点に着いて電車を降りる頃にはすっかり上機嫌になっていました。

「うん、やっぱ良いことがあった後ってどうしたって気分が良くなるよね」

『それはそうですね』

 今回はまあまあの確率で真逆の事象が発生していた可能性がありますが、私は機嫌の良い主人に水を差すようなクソアシスタントではないので、無難に頷いておきます。

「特に今日はお客さんのところに行かなきゃいけなくて面倒だと思ってたから、おかげでだいぶ気分良く仕事できるよ」

『そういえば、本日は16時から客先での更新作業でしたね』

「そうなんだよー。会社からリモート接続でできれば楽なんだけどね」

 これはお客様によりますが、システム制作会社がリモート接続で客先にアクセスするのを許可している場合としていない場合があります。いかにセキュリティ技術が向上している2030年であっても、インターネットが100%安全というわけではありません。なので当然リモート接続も、インターネットを介さなければいけないという点で100%安全とは言えません。機密情報も扱う社内システムにネットを介して悪い輩に侵入されるリスクが僅かながら生じてしまいますからね。あるいはシステム会社内に悪い輩がいたらそもそも一発アウトですが。そういうリスクを避けるため、社内システムに利用するネットワークは社内でしか使えないクローズドなものにしている会社も多くあります。そうなると、バグ修正などシステムの更新作業をしようと思った時に、わざわざ客先まで出向いて更新作業をしなければいけないわけですね。作業は素早く簡単ですが僅かなリスクが伴うリモート接続か、作業は面倒で時間も掛かりますが安全な非リモート接続か。システム会社サイドとして圧倒的に楽なのは前者ですが、お客様サイドとして考えると後者の方が良いですよね。

 と、長い解説になってしまいましたが、つまりは社内からネット経由ではできない作業もある、ということですね。南川様の関わっているお客様では月に1、2回程度ではありますが、人によっては毎日のようにどこかしらの客先に出向いている先輩もいるようですね。

『まあ、16時からの作業なら終了後に直帰できるので良いじゃないですか』

「まあ、そうなんだけどね」

 南川様の会社の就業時間は18時までなので、客先から会社に戻るのが18時を過ぎそうな場合は客先から自宅へ直帰していい規則になっています。そのため普段よりもはやく帰宅できる可能性があるため、毎日のように帰宅RTAをしている南川様にとっては大歓喜イベントのように思いますが。

「でもあのお客さん、更新作業できただけなのに別の作業頼んで来たりするからさ。何時ごろ帰れるか正直読めないんだよね」

『あー』

 それは嫌ですね。予定外の仕事が増えるのは最悪です。お客様との関係性もあるので断るのが難しい場合もありますしね。なにも無いことを今からお祈りしておきましょう。フラグではありません。

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