2章 23話 シリルとリベルと一緒!
「今日からシリルもリベルもファルネ様も一緒のお部屋でねるの?」
「はい。リベル様やシリル様も一緒ですよ」
言って微笑むファルネ様。
神官さんたちがリベルとシリルの寝る所を用意している。
嬉しい嬉しい嬉しい。
エルディアの森にいたときみたい。
またファルネ様の寝顔が見れると思うと嬉しくなる。
綺麗なまつげにさらさらの髪がふわーっとしてとっても綺麗なんだよ。
「リーゼのベッドふかふか!ふかふか!おっきいおっきい!」
「リベルも一緒に寝る?」
「寝る!寝る!寝る!リーゼと一緒!!」
言ってベッドの上を嬉しそうに歩き回る。
でももうぴょんぴょんはしないよ。ベッドを壊してラーズ様に怒られちゃうもの。
リベルと一緒にコロコロするの。
二人でコロコロして遊ぶんだ。
やっぱりいいな。お友達と一緒っていいな。
リベルと一緒だと楽しい。
「明日は舞踏会楽しみだね!」
私が言えばシリルが
『本当に行くのかい?』
「うん!雰囲気だけでも見てみたいの。
皆で踊っている所見てみたい!」
『……仕方ないね。踊りまでだよ』
シリルがやれやれとため息をつくので私はウンウンうなずいた。
楽しみだな。楽しみだな。
本当は私もファルネ様と踊りたかったけれど、ファルネ様が参加しちゃいけない年齢なんだって。
だから私は見学だけの予定なんだ。
踊りを見たらこの前つくったファルネ様へのクッキーを渡す予定なんだよ。
ファルネ様喜んでくれるかな?
私は嬉しくなってリベルをギューーーって抱きしめるのだった。
■□■
「久しぶりだね。クレア」
「アルベルト様」
クレアの店の前に久しぶりに姿を現したのは、クレアの恋人のアルベルトだった。
鎧姿のままクレアの店の前に馬を止める。
クレアがうれしくなって駆けよれば、アルベルトはほほ笑んで
「待たせてしまってすまなかった。
ロテーシャ様の護衛でなかなか抜けてくることができなくてね。
今日はこっそり抜け出してきたんだ」
言ってほほ笑んでくれる笑顔がうれしくて、クレアもにっこり微笑み返した。
「今年は私が護衛しているロテーシャ様が、豊穣祭の舞踏会の主催なんだ」
「ロテーシャ様が?」
「うん。今年で18歳だからね。
ロテーシャ様が王族として豊穣祭を取り仕切る儀式を行うことになっているんだ。
だから、いろいろ用意するものがあって忙しくて、なかなか抜け出せない。
それさえ終われば時間もとれるようになるから」
優しくほほ笑むアルベルトの笑顔に安心する。
最近会いに来てくれなかったのは、クレアに愛想をつかしたわけではなかったのだと。
「クレアも今年は豊穣祭に出るんだよね?
楽しみにしているよ。
それで……豊穣祭のダンスだけど僕と踊ってくれないかな?」
言ってほほ笑むアルベルトにクレアは顔を赤くする。
「で、でも、アルベルト様は警備のはずじゃ」
「その時だけ少し抜けてもいいように頼んであるんだ。
僕も今年が18歳で最後だからね」
言ってほほ笑んでくれるアルベルトの笑顔はクレアのよく知るアルベルトで。
嬉しくてクレアはアルベルトに抱き着くのだった。
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