2章 21話 美味しい紅茶
美味しい美味しいカチェの葉の匂い。
私はカチェの葉のお茶が好き。
ファルネ様がいれてくれるあったかい紅茶。
紅茶をトポトポ入れてもらったら今度はお砂糖をいっぱい入れるの。
そうするとね。甘くて甘くてとーっても美味しいの。
「リーゼはカチェのお茶が大好きですね」
ファルネ様が言うので私はにっこり微笑んだ。
「うんうん。大好き!
ファルネ様がね、初めて入れてくれた紅茶なの!
だからそれからカチェの紅茶は大好きだよ!!」
私が言えばファルネ様は微笑んで私の頭を撫で撫でしてくれる。
「ファルネ様はとってもとっても優しいから大好き」
私がファルネ様に抱きつけば
『相変わらずだねアンタたち』
そこに現れたのは、シリルとちっちゃくなってシリルの上にちょこんと座っているリベルだった。
「シリル!リベル!」
『リーゼ!久しぶり久しぶり!元気してた!』
ヌイグルミみたいな大きさになったリベルがちょこんと降りてきて私に抱きついてくれた。
私もリベルをぎゅっとするの。
そうするとモフモフであったかいんだよ。
「シリルもリベルもどうしたの?どうしたの?」
嬉しくてリベルのお顔を私のお顔ですりすりしながら聞けば
『お祭り!お祭りに呼ばれてきた!』
リベルがむふーと目を輝かせながら言う。
『お祭りで美味しいものがあるって話を聞いて行くってきかなくてね。
仕方ないから連れて来た』
シリルがため息をつきながら言った。
そっか!リベルとシリルも連れていきたいって話したからファルネ様が呼んでくれたんだ!
ファルネ様の顔をみればファルネ様が微笑んでくれる。
やっぱりだ!ありがとうファルネ様。嬉しい嬉しい嬉しい。
私が嬉しくてリベルにもふもふすれば、リベルも可愛いお手手で私のほっぺをモフモフしてくれる。
『リーゼ会いたかった!会いたかった!
さっきカイルにクッキー貰った!リーゼが作ったクッキー貰った!
クッキーありがとう!リーゼすごい!リーゼすごい!あんな美味しいもの作れる!』
「えへへー、一杯練習したんだよ!今度リベルも一緒に作ろう!
ファルネ様がリーゼのお部屋にもお台所作ってくれるんだ!」
『作る!作る!
リベル料理大好き!!楽しみ楽しみ楽しみ!!』
私とリベルがモフモフしていれば、
『全くあんたたちは、相変わらず能天気だね……』
と、シリルに呆れられちゃう。
『リベル知ってる!シリルもリーゼ大丈夫かってずっと心配してた!』
そうなの?そうなの?
嬉しいな。
「やっぱりシリル優しい!!」
私が言えば、シリルが顔を赤くして、そんなのどうでもいいだろ!と顔を背けた。
照れ屋さん照れ屋さんシリルは照れ屋さん。
『シリルもぎゅっぎゅしたい!リーゼ!シリルにもぎゅっぎゅっ!!』
リベルが言うので私はシリルに抱きついてそのままモフモフするの。
リベルもトコトコと走って抱き着いて一緒にモフモフ。
私とリベルが抱きついてモフモフとぎゅっぎゅっしてれば、
『全くあんたたちは……』
と、シリルにすごい呆れられちゃうのだった。
■□■
『すごい!すごい!すごい!!
リーゼ、色がいっぱい舞ってる色がいっぱい舞ってる!
落ち葉みたい落ち葉みたい!』
ファルネ様が貸切にしてくれたレストランのバルコニーからパレードを眺めながらリベルが歓声をあげた。
私ももう一度見れて嬉しい!!
ピエロさんや動物さんたちの行進に、シリルはちょっと嫌そうな顔をして見ていたけれど、リベルは純粋に喜んでた。
『リーゼ、いっぱい食べ物のお店見える!お店見える!
リベル行きたい!!!』
ヌイグルミくらいの大きさになったリベルが私の前で手足をパタパタさせていう。
行ってもいい?と私がファルネ様を見れば
『申し訳ありませんが、急の事でまだ警備の準備ができていません。
屋台の食べ物は全てこちらで手配します。
ここでお待ちください』
と、ラーズ様が一礼する。
銀のオオカミのシリルは目立っちゃうんだって。
リベルだけでもヌイグルミさんのまま行けばいいような気もするけれど。
しゃべっちゃうからダメなのかな。
二人をクレアに紹介したかったのに。
これだとクレアに紹介するのもダメっていわれそう。
リベルにクレアのケーキ食べさせたかったのに。
リベルが見るからにがっかりしてるから、私は頭をナデナデしてあげるんだ。
ごめんね、リベル。いつか一緒にいけるといいね。
■□■
『美味しい!美味しい!』
レストランで出される食事にリベルが一つ一つ感動の声をあげる。
私も美味しいからパクパク食べるんだ。
でもやっぱり、リーゼが一番好きなのはファルネ様の作ったシチュー。
最近は神殿でご飯を用意してくれるから食べられなくなっちゃった。
甘くてトローリしてて。
ホクホクのお芋がはいってるの。
神殿でシチューもでてくるけれど何かが違う。
ファルネ様のシチューは魔法のシチュー。
食べるとあったかく幸せになれるんだ。
ファルネ様が隣にいるのでぎゅっと手をつなぐ。
「美味しいですか?」
微笑まれて聞いてくれるので、ニッコリ微笑んでかえすんだ。
本当はファルネ様のシチューが一番好きっていいたいけれど、私は知ってるよ。
こういう時は美味しいっていうのが社交辞令なんだって。
あれからお勉強して私も大人になったもの。
ちゃんと社交辞令を言えるようになったんだ
でも思い出したら食べたくなっちゃった。
今度台所をお部屋の近くに作ってくれるっていってたから、ファルネ様につくってもらおう。
『美味しい美味しい!小さいくなったから一杯食べれる!
リベルこの大きさ好き!』
と、幸せそうなリベルと、無言でパクパクたべるシリルを見つめ私はニコニコと微笑んだ。
やっぱり皆でいるのが一番楽しい。
誤字脱字報告&ポイント&ブクマ本当にありがとうございます!!(>人<*)











