これからどうしましょ?
勢いよく村を飛び出て旅を始めたのはいいが、具体的なことは何も決めていなかった。
「・・・さて、イフユ何するかね?」
「えっ、決めてないの?よくそんなんですぐ村出れたねぇ。」
何気ない言葉が俺に突き刺さる。
仕方ないじゃないか、この世界のことは分からないんだから。
「まあ、定番なのは街で仕事を探すことだけどね。」
イフユは軽くそう言った。
「仕事・・・何の仕事だ?」
「ギルドとかで貰う仕事だよ。色んな依頼の中から選んで、達成したら報酬を貰えるの。」
ああ、そういうのはよくゲームで聞いたことある。
なるほど、依頼を受けるか・・・。
「やりたいそれ。めっちゃやりたい。」
「え、・・・何急にどしたの?」
急にやる気を見せた俺に少し驚いた様子で聞いてくる。
「俺は人の役に立ちたいんだ!依頼とか、困ってる人がいっぱいいるんだろ!?めっちゃ依頼受けたい!」
「わ、分かったから、とりあえず落ち着いて!」
俺は本来は人の役に立ちたくて社会人になった。仕事に就いたらそれどころではなかったが・・・。
だから、ギルドで依頼を受けるとか、俺が望んでいたものだ!絶対に逃さないぞ!
「イフユ!街ってどこにあるんだ!?」
興奮気味でイフユに聞く。
「もう、落ち着いてってば・・・あと歩いて2時間くらいのところに割と大きな町があるはずだよ。」
「よし、そこに急ぐぞ!」
俺はウキウキな足取りで歩きだす。善は急げだ!
「もう、待ってよー!そんなに焦ったってまだ街は先だよ!」
1時間ほど歩いた。
「・・・もうだめだ・・・歩けない・・・。」
すでに俺の足は棒のようになってしまっていた。
「ええー・・・もう疲れたの?体力なさすぎじゃない・・・?」
そんなこと言っても、俺はずっとデスクワークだったし、休日もろくに運動なんてしてない現代人だ。こんなに歩いたのもいつぶりだろうか・・・。
「くそっ・・・こんな自分が不甲斐ない・・・。」
せめてもう少し体を動かしていれば・・・。
「もう仕方ないなー、少し休憩しよっか?」
「ああ・・・そうだな、すまん。」
こんな時でもイフユは優しく接してくれる。本当にありがたい。
その後、しばし木陰で休憩をはさむ。
その間、これからについて話すことにした。
「これから食べ物とか寝床とかどうしようか。」
「基本は宿に泊まって買ったものを食べる感じだろうけど、お金がなかったら野宿で食べ物も野生のものだろうね・・・。」
「そうならないようにも頑張って仕事こなさなきゃな!」
そうしてまたやる気を取り戻し、歩みを進めていく。
すると、目の前に立ち並ぶ建造物が見えてきた。
「あっ、着いたよ!街だ!」
イフユも嬉しそうに飛び跳ねている。
「はあ、やっと着いたか・・・。これだけでもう疲れたよ。」
「まあまあ、これからが本番だよ!・・・でも私お腹空いたなぁ。何か食べたいよ。」
「ああ、そうだな。俺も大分腹減ってきたし、腹ごなししてからにしよう。」
そうして二人で飲食店を探す。
しかし、たぶん神様のおかげで文字は読めるんだろうけど、未知の言葉ばかりだな。
そもそもここまで文明は開化してるんだな。
そう思っているうちに、イフユが一つの店を指さしてここにしよう、という顔をしてきた。
「お金は足りるのか?」
この世界の金の単位は知らないので聞いてみる。
「私はある分は持ってきたけど、数日は何とかなりそうなお金はあるよ。」
「へえ、なら安心だ。・・・そうだ、これっていくらぐらいなんだ?」
出発する時にもらった硬貨をイフユに見せる。
「えーどれどれ・・・えっ、凄い一杯あるよ!?どうしたのこれ!?」
「村長にもらたんだけど、そんなにあるのか?」
「うん、しばらくはこれでやっていけそうだよ!じゃあ、これ買おうよ!」
再び目の前の店を指す。
店の看板商品を二人で買って食べる。
なんかホットドッグみたいな食べ物だ。
パンに似た触感のものでソーセージみたいなものをで、よく分からないものがかかってある。だが、割とおいしい。
イフユも喜んでおいしそうに食べている。
風たりとも腹ごしらえを終え、本題に移る。
「じゃあ、ギルドに行って仕事を探そう!」
「おおー!!」
旅は本格的に始まった。




