《プロローグ》
今朝、白い夢を見た。
夢の中の僕は四方八方何も無いただ真っ白な空間に立っていた。
歩いても歩いても終着点はない。
東西南北どこを向いてるかもわからない。
ここは、どこだ?
ゴールは、どこだ?
ここにいる意味は、なんだ?
僕は
誰だ?
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「ジリリリリリリリリリ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
20××年、5月15日。
A.M.6:20。
僕はまた今日も生きている。
そろそろ目覚ましの音にも慣れてくる頃か。
まったく毎朝この音には驚かされるばかりだ。
そんなことを起きたばかりの脳で何となく考えながら、僕は無機質に鳴り響く目覚まし時計を止めた。
僕がこの生活を始めて丁度1ヶ月が経過する。
いや、正確に言うのなら 僕 になって1ヶ月が経ったという所だろうか。
はあ、まだ寝ていたい、そんな気持ちを抑えながら僕は夢見ヶ丘高校の制服に手を通した。
「早くしないと また 遅刻する...」
僕は独りボソッと呟き、黙々と制服に着替えた。
カーテンの向こうに見える空は曇りでも晴れでもない。まるで今の僕みたいに。
嗚呼、また僕の今日が始まるーーーーーーーーーー。