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鉄壁のギルガⅡ ~リンゴール戦記Ⅱ~  作者: 金剛マエストロ
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その後の彼らは・・・

「獄炎!」

 術名呼称とともに、大地にいくつもの火柱が昇り立つ。

「行きます!」

 大きな背中が、戦場に向かって進んでゆく。

 火炎に巻かれ、右往左往するゴブリンたちを、片端から長剣で仕留めてゆく。

「ホブゴブリン、左から来ます!」

 背後からの呼びかけに、(こうべ)を巡らす。

 炎を物ともせず、蛮刀を振りかぶるホブゴブリンだが、それを振り下ろす前に、突進してきた盾に突き飛ばされる。

「ぐぅ・・・」

 うめくホブゴブリンの首筋に、長剣が振り下ろされた。

「まだ、弓士(ゆみし)がいます。

 注意して!」

 持ち上げる盾の、その表面で、(やじり)が弾ける。

「炎弾!」

 降り注ぐ、火炎の飛礫(つぶて)

「ぎあああッ!」

 炎を(まと)い、短弓を投げ捨てて逃げ出そうとするゴブリンを、ナイフを投擲(とうてき)して倒す。

「残りはッ?」

「・・・大丈夫みたい。

 でも、油断はしないで。」

「了解です。」

「復帰戦は、まぁまぁ上々の成果と言うところですね。」

 戦場に似つかわしくない、リーリアの朗らかな語り口調に、

「やはり、攻撃魔法があると違いますね。

 欲を言えば、弓士か、攻撃特化の剣士がいると、ありがたいですが。」

「でも、馬鹿力だけの、脳筋戦士なんてイヤですよ。

 女性と見れば、誰かれ構わず口説いてくる(やから)も、お断りです。」

「そんなのがいるんだ。」

「シャーナさんも、気をつけてくださいね。」

「大丈夫よ、リーリア。

 そういう人が近づいてきたら、きっちりお仕置きしてあげるから。」

 そう言ってシャーナは、手の平に小さな炎を出して見せた。

「悪気のない相手には、くれぐれもお手柔らかに、お願いしますよ。」

「前から思ってたけど、ギルガとリーリアって、どういう関係?」

 唐突なシャーナの問いかけに、ギルガとリーリアは顔を見合わせる。

「一緒に暮らしているわけでもないし、ただの仕事仲間にしては、妙に息が合ってるって言うか・・・」

「僕は、リーリアさんのこと、好きですよ。」

「えっ?

 それなら、リーリアは?」

「わたしも、どっちかって言うと、好きですね。」

「それなら、どうして一緒にならないの?」

「それは・・・」

 言いかけたギルガが、口をつぐんだ。

「近くにまだ、お仲間さんがいるようです。」

 そう言うとリーリアが、すぐさま詠唱を始める。

「数は多くはないけど、囲まれてるわ。」

 シャーナの杖が、紅い輝きを帯びてゆく。

「言うまでもないことですが、危ういと思ったら、すぐに逃げましょう。

 生きていればこそ、雪辱(せつじょく)の機会もあり得ます。

 たった一つしかない、自分の命なのですから、長く大事に使いましょう。」

「それに、さっきの話の続きも聞きたいしね。」

「確かに。

 わたしも、ギルガさんの答えを聞きたいです!」

 すでに、リーリアの防御魔法は展開済みだ。

 シャーナの火炎も、その威力を発揮する時を待っている。

 ギルガの(うち)の魔力も、身体の隅々にまで行き渡っている。

「それでは、行きましょう!」

 ギルガは、地を蹴って、敵の中に飛び込んでいった。

『デラとアルフのドラゴン退治』の、裏話的お話の続きです。

『駆け出し剣士の物語』に引き続き、ギルガとリーリアが登場してますが、当初の予定では、出番はなかったはずなんですが・・・

前作最終話の後書きで、短エピソード限定主人公って書いてましたが、この調子だと、まだまだ出番はありそうです。


それではまた、いつか、どこかで。

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