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革命 (最終)

「申し訳ありませんリオン様。西野の言葉の誤った使い方で誤解を招くことになってしまいました。我々は人間で獣を食しますが人とみなすものは食べません。それにこの世界にはリオン様のいう人族以外の種族は確認されていません」

「滅んだのか?それとも滅ぼしたのか?」

「どちらでもありません。元々居ませんでした」

「存在していないのか。。。すまない。勘違いをしたようだ」

「いえこちらも失礼を致しました。また明日にでも質問の続きは行いたいと思います。今日はお休み下さい」

「済まないがそうさせて貰う。休める部屋はどこかあるか?」

「付き人を付けますので紹介しておきます。高山入りなさい」


開いていた扉からメイドの服装をした美女が入ってきた。真っ黒の綺麗な長い髪で顔立ちは優しげに大きな目。メイド服はその豊満なバストを凶器に変えている。身長は高くスタイルがいい。


「高山美帆と申します。リオン様のお世話を担当します。お部屋までご案内致しますのでどうぞこちらへ」

「よろしく。リオン・フィルティモアだ」


高山について部屋まで移動する。部屋はとても綺麗で清潔感があり王室のような作りになっていた。見たことのない家具もありニトリの羽毛の長椅子もある。


「わからないことがあればお呼びください。そちらのベルを鳴らせばすぐに参ります。お食事をお持ちしますので何か苦手なものは御座いますでしょうか?」

「何でも食べれるんだがピンクスパイダーの足の揚げ物はちょっ好きじゃないんだ。それ以外でお願いする」

「かしこまりました」


頭を下げて退室したのを見届けるとベッドに横になる。マナの回復が思わしくない。自分の身体でもマナを精製しているが、大気にも含まれるマナを吸収し回復を早める効果のあるスキルを持っている。それでも回復出来ないでいる。


ウトウトしかけているとノックと共にメイドの高山が入ってきてテーブルに食事を並べてくれた。


「おーなんか美味そうだな」

「ピンクスパイダーは入っておりません」

「ありがとう。それじゃいただくよ」


ピンクスパイダーは見た目が真っピンクというのもあり食欲がわかないので苦手だ。幸い外してくれたのでありがたい。


目の前にあるパンを千切って口に入れるととても柔らかく甘い。良い小麦を使っているようだ。


鶏肉や野菜もふんだんに調味料を使われて調理されており香ばしい香りも相まって美味い。オークの肉やミノタウルスの肉を使った料理もありそれらもかなり美味かった。


「ご馳走様」

「地球の料理は御満足頂けましたでしょうか?」

「オークやミノタウルスも美味かったよ。ニトリかな?鶏肉料理もね」

「…ありがとうございます。それではごゆっくりお休み下さい」


一瞬だけ間があったが高山はさっと片付けをして出て行った。動きからはメイドの格好をしているが戦闘も出来るだろうとリオンは見抜いていた。


高山が出て行くのを確認した後、リオンは回復したマナを使って暗殺や急襲対策用の探知結界を張っていく。さっきも西野を取り押さえた時に中に入ってくるタイミングがさも覗いていたかのようだった。

監視されているのだろうがここにいる人間は大半が戦闘に慣れていない。何人か戦闘経験があると思われる男たちがいたがリオンの敵ではないし探知できれば対応は出来るだろう。

それに一晩寝ればマナも一気に回復するので魔法による戦闘が出来れば聖剣がなくとも戦いやすくなる。


「それじゃ寝るかな」


結界を張り終わりベッドに潜り込んだリオンはあっさりと眠りに落ちていくのだった。



+++++++++++++++++++



「どうだったのだ?」

「西野が下手を打ったらしいじゃないか?」

「申し訳ございません。研究者としては一流なんですがオタクでもあり趣味の話で少々。。。」

「まぁいい。それでは報告を聞こうじゃないか」


円卓に浮かぶモニターには10人の国を牛耳る政治家や資産家、裏社会などこの世界の重鎮たちでそのルーツは多岐に渡る。この異世界からの召喚実験は国家をあげてのプロジェクトだが、主導はこの10人で行われており、その実験に成功したという事は計画の第2フェーズへの移行も始まるということになる。


「それでは始めさせていただきます。

名前はリオン・フィルティモア。エデンという異世界の人族、人間であり勇者ということです。勇者の定義である聖剣と思われる剣を所持しており、金属鎧等などは地球に存在していない成分で出来ております。予測としてはオリハルコンかアダマンタイトと呼ばれるものではないかということです。召喚した際は負傷しており、本人の言葉から魔王を討ち取った直後に召喚された模様です。言葉は日本語を理解しており、小説にある互換変換能力は召喚においては自動付与になる事が判明致しました。文字が読めるかはまだわかりません。身体能力はパンチ一発で鉄合金で出来た扉とコンクリートを破壊しており、見た目からは判断できない力が作用するようです。

魔法やスキルは確認しておりません。明日の朝に実験を行う予定になっております」

「ほぅ。アダマンタイトやオリハルコンか」

「身体能力はさすがファンタジーの生物ということだな」

「魔法などを使って我々を攻撃するなどの敵対行為はないのかね?」

「性格は温厚であると思われます。西野の件も彼が獣人を食べると勘違いを起こしたことで怒らせてしまったものであり、勇者という基本スペックとして正義感は強いと思われます」

「どこまでこちらの攻撃が効くのかも実験しなぅてはな」

「我々の本当の目的を悟らせてはならん。明日以降は慎重に進めるように」

「かしこまりました」

「期待しているぞ」


一方的にモニターが消えていく円卓へ頭を下げた白石は顔をあげると深いため息を吐いた。これから起こることについて。。。。


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