1:会議開催 ~小説の設定考えるよ!~
「あー、ちょー久々に小説書きたくなったなー。でも肝心の中身が思いつかない。そうだ。こういう時こそ日本人のお家芸、一人脳内会議を開催して内容を決めればいいんだ!」
こうして【作者】は、脳内にてみんな(全部自分)に呼びかけ、唐突に一人脳内会議を開催した。
(みんなあつまれー。新作書きたいから、自作小説の内容てけとーに考えてくれー)
(ふむ、普段好んで読んでいるジャンルがファンタジーな異世界転生か異世界転移ものであるからして、書きたいor書ける内容も、異世界物に限られるのではないか)
(それは言えてる。ろくに読んだ事もないジャンルでは、愛着もなければ知識もないしな)
(現代物とかも、コミュ障引きニートにはハードル高すぎだしね~。異世界物一択だよねん)
(では異世界物で決定するとして。転生と転移のどちらを選ぶ?)
(はーい! 転移物が良いと思います。理由は幼少期の環境設定が面倒だからです! 家族とか幼馴染みとか、一々全部設定考えんといかんの辛いわ~)
(酷い理由を見た。だが同意。幼少期はエタりやすい)
(我々は所詮は同一人物なのだから、意見には同意しかないのでは?)
(いや、そうとも限らない。なんせ一人ツッコミ一人ボケが可能なのが、日本人の一人脳内会議の特徴だからな。寧ろそうでなければこうして会議する意味もない。現に今も、疑問や意見に対して、こうして意見を述べているではないか)
(知識の大元が同じで思考が同一である以上、嗜好もまた同一であるのだからして、どうしても意見が偏るのは仕方ないところだがね)
(確認の意味合いもあるのだから、こうして会議するのもまったくの無駄ではない。会議を続けよう)
(ではとりあえず、ジャンルはファンタジー異世界転移物に決定、と)
このような経緯を経てジャンルが決定した。
さて、それでは次のお題は主人公についてだろうか。
(転移する主人公は、現代日本に住む日本人という事でおけ?)
(うむ。やはり基礎知識が書き手や読み手と共通というのは、親近感があるしわかりやすい。そこはテンプレ踏襲で良いと思う)
(あー、だけど、主人公が転生・転移する際のお約束として、神様とかが出てくるあれは、同じテンプレとはいえ避けたいと思うのだがどうだ?)
(主人公が異世界行く理由とチート能力を貰う理由、能力の内容説明、行く先の世界観の説明なんかを一挙に片付けてくれるんだから、神様って便利な存在じゃん)
(便利には便利だけど、イマイチ好みじゃないんだよねー。「神様ってそこまで一人の人間にとって都合の良い存在か?」って疑問があるしさー)
(ふーむ。別に神様の存在は異世界転移において必須という訳ではないのだから、外したいなら外しても構わないのではないかね?)
(まあ能力に関しては、理由がわからなくても、世界を渡った際に自動で付与された、という設定でいいじゃないか。説明役がいなくとも、主人公が自分で能力に気づいて理解できるなら、特に問題もない)
(あれ? そもそもチートが付与されるってゆーのは前提なの?)
(よほど特殊な能力を持っているとか、特殊な環境で過ごしてきたとかでない限り、現代日本人がそのまんま異世界へ行って、無事に過ごせるとは思えない)
(ゆる~い環境の異世界なら、平穏無事に過ごせるかもよ?)
(んでもどーせ行くなら、魔物あり冒険ありの危険な世界でしょー?)
(行き先の異世界についての詳細設定はまた後で別に詰めるとして、今は先に主人公が得るチート能力について決めようか)
(はーい。ではまず大前提。「何でも出来る」はナシで!)
(うーむ。妄想ならそれでも良いが、仮にも人に見せる前提で書く物語で、万能で何でもアリは、面白みに欠けるか……)
(それで面白い物を書ける人だっているだろうから、全否定はせん方が良いだろうけど、実質問題として、我々のような凡人が書くにはやはり、「何なら出来る」「何々は出来ない」と境界線を明確にしておいた方が無難ではないかね)
(それ、境界線をはっきりさせすぎると、後々で展開に詰まって困るんじゃない?)
(決められたルールと持てる力の範囲で何とかするのが王道なんじゃない?)
(後から「実は主人公はかれこれこういう理由でこれも出来ました~」とかって、とんでもない設定付け足すのは邪道ね)
(最初から設定としてはあったけど、あえて隠してた、ならギリ有りかなあ)
(論点がずれてきてます。チート能力を決めるのに戻って下さい)