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闇夜の道

作者: 日ノ本 柳

二つ目の短編小説です。

感想等、聞かせて頂ければ幸いです。

────暗い。ひたすらに闇の道を走る。

「はぁっ!はぁっ!」

既に息は荒く、しかし終わりは見えないそのマラソンに水を指す少女の声。

「だからぁ、言ったじゃないですかぁ。あいつらはぁ、あなたを殺そうとしますよってぇ」

間延びした少女の声を無視して、俺は走る。



 新月の夜。田舎の道には街灯もない。

俺は消耗する体力に死への恐怖で抗う。

「まだ追ってきてるよな……はぁっ!くっそ!」

「そうですねぇ。見えはしませんけどぉ、追ってきてますよぉ?殺気はぁ、消えてませんからぁ」

肩に乗っているそいつは、後ろを見ながら喋る。


 どのくらい走ったのかもう分からない。

体力も気力も、もうすぐ尽きる。何かのキッカケがあれば、俺はもう動けなくなるだろう。

そんなことを考えながらとにかく走った。

そして、何かにぶつかった。

「……??」

混乱。壁は無かったはずだ。きちんと前は見ていたはずだ。まずい。足が止まってしまった。どうする。もう走れない。死んでしまう。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死ぬ。死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死。


目の前に大きな男が立っていた。2mはあろうかと思われる身長。全身筋肉で武装しているとしか思えない体。その体躯と同じくらいの巨大な槌。ニンマリと笑う顔。まさに恐怖だった。

「やっと止まったか」


最後に俺の視界に入ったのは、巨大な槌を振りかぶる男の姿だった────。







「……っ!!」

ガバッ!っと体を起こす。いつものベッドの上。いつもの見慣れた自分の部屋。揺れるカーテンの隙間からは朝日が差し込んでいる。

額に伝う汗を拭い、安堵する。

「夢か……」

「なにがぁ、夢なんですかぁ?」

「…………っっっ!?!?!?」

間延びした声。顔を上げると、目の前に手のひらサイズの少女の姿があった。

「初めましてぇ。いきなりなんですけどぉ、あなた、命狙われてますよぉ?」


俺は顔を引き攣らせた。



                   ────完

夢オチと思いきや、というのを書いてみました。

文章に飽きない内に終わらせられるように短くしました。

感想等頂ければ嬉しいです。

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