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アイス買いにいったら、知らないうちに人間辞めてました  作者: 森宮 桧
第二章 人間辞めても心は人
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第一話 人間辞めました

いよいよ本編です。


いつもお読みいただきありがとうございますm(_ _)m


「ほう、お主が勇者か。くくっ、とてもそうは見えんが、そういうもんだしの」


 錫杖を持った女性が僕に向かってそんなことを言った。

 僕は突然のことに呆然とするしかなく、そんな女性の言葉もどこか遠いものとして聞いていた。


 女性と僕の他には誰もいない、豪華で広すぎるホール。ごてごてした感じはなく、デザインはとても美しい。所々にハートのエンブレムらしきものが見える。

 そんなところに僕は一人座り込んでいた。



「いい加減立て、そこな稚児よ。我を待たせるでない」



 女性の威厳に満ちた声。

 そんな、思わず従いたくなってしまうような声を聞いても僕は立てなかった。ちょっと腰が抜けてたんだ。

 僕が立ち上がらないのをを見て、女性は眉を顰める。



「ふん……『立て』」



 次の女性の声には従った。単純に恐かったからである。

 女性が声を発した瞬間、女性から何かが拡散した気がしたのである。

 きっと、威厳とか、覇気とか言われるものだろう。

 きっとこの女性はかなり偉い人だ。

 僕の思考にを読み取ったか、立ち上がった僕に女性は機嫌よく笑った。



「やはりな。そうでなくてはな。……さて、我はグリュナー聖王国5代女王、アイリーン・ガルブベルク・ギルナード・アルメタロ=クインである」



偉い人どころか………女王様だった。



        ☆



 僕、青葉佑哉は高校2年生のまともな男子である。

 家族は四人暮らし、両親、僕、姉。

 姉、青葉遥香は優しい理想の姉。

 シスコンじゃないけど、尊敬している。


 友達はいつも五人でつるんでいて、更に言えば変人が多く、陰では(ていうか公然の秘密)『奇人五銃士』とか言われてるが、まあその中でも僕は普通の方だ。


類は友を呼ぶと言われればそれまでだが、僕は普通であろうとしている。


 毎日のように楽しく学校で遊び、たまにテストの点で争っていた。今は夏休みで、昨日も遊んだばかりである。


 今日は予定もなく、宿題をちまちまやっていた最中であった。


 エアコンが効いていないんじゃと疑うような暑さにやられ、僕はレポートを終えてアイスを買いに行ったのである。


 そして、僕は家の敷地から一歩でて………この場にいたのだ。


 一歩踏み出した瞬間に視界が白くなり、次の瞬間はここにいた。


 正直言ってまだ状況は把握できていない。



        ☆



「ほう、お主はアオバというのだな。ふむ、そして生まれはチキュウと………よしよし。では次だ!」



 アイリーンなんとか女王様が名乗ってから、僕は質問攻めにあっていた。


 名前、年齢、出身地。あとは白い光に包まれたとき気持ち悪くないかとか、そんな謎な質問だった。

 そのたびに僕も女王様に質問していた。

 ここはどこかとか、どうして一人しかいないのか、などである。


 曰く、ここはグリュナー聖王国という場所で、女王はここを治める最高権力者である。

 民主主義ではなく、中央集権国家であり、様々な民族の暮らす国である。


 ちなみに民主主義を知らない女王様に民主主義を説明したら、


「効率が悪いこと甚だしいな……」


 と、呆れてらっしゃった。

 その辺は難しい問題である。


 また、奴隷制度はあれど、差別はない。人間以外の種もいるのだが、皆自分のできることを分担して仲良くやっているらしい。魔術もあり、生活の補助として主に運用されているようだ。


 女王一人でこの場にいるのは、いちいち貴族に口出しされたくないから。

 帰る方法は確実にあるようだ。信用はできないが、文献を取り出して説明しようとしてくれた。


 そして、ここに喚び出した理由。


―この大陸に巣食う魔を滅してほしい。


 簡単に言えば、体のいい徴兵。

 あと、知識も提供させられそうだ。

 女王様もストレートに滅ぼすためと言ったわけではなかった。でも、


「最強と言われる勇者に微力ながら神敵を滅ぼす手伝いをしていただきたい」


とか言われたらもうそれは、そういうことでいいと思う。


 しかし今は、女王様に色々質問仕返して情報を知るべきだと僕は感じた。

 普通ならば貴族とやらの顔色うかがいもするべきだろうが、それを見越したかのように女王様しかいない。



「次の質問だ、アオバ。お主、兄弟はおるか?」



「はい、陛下。姉がおります」



 女王様はその言葉に嬉しそうに目を細め、とんでもないことを言った。



「姉とな!姉も、お主のような―


 《エルフ》


 なのか?」


………………………え?



「陛下申し訳ありません、今なんと?」



「いや、血が繋がっておるなら、お主の姉はエルフなのだろう?お主がそうであるように」



 僕は衝撃のあまり固まってしまった。



「奇妙なことをいったか。お主のその耳、明らかにエルフだと見受けるが」



 僕はそっと耳に触れる。


 手が触れたのは、人間の耳ならざる、尖った耳だった。



 僕の体はエルフになってしまったのだった。





エルフになっちゃいましたー!


やっと題名通りのことが起こせました。


ちなみに、青葉君はあんまり小説とか読まない高校生(休日はパズ○ラかス○ブラしてる)設定なので、テンプレだなんだと騒ぎません。


むしろまだ夢かなんかだと思ってます。

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