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迷宮深部の偽宝箱《トレジャー・ミミック》  作者: 流水一
第六章『迷宮最寄りのクラレント』
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第二話―聖&コメット&リフレク side ep ―


酒場にて、醜態を晒す聖を肴にお酒を煽り爆笑する魔女クリエイトを見るコメット。


『貴方は……いったい、なにをしてるのですか?』


本来ならコメットの声は届かないが、クリエイトの顔に白く光る痣が見えたために訪ねてみた。

案の定、クリエイトには聞こえたらしい、やはり、リフレクが自らに掛けている魔法と同じなのだろう。


「ああ、うん、笑った笑った、実はね、結構儲けさせて貰ったらからプレゼントしようと思って」

『もうけ? プレゼント?』


何の話か分からないコメットは、クリエイトが魔女帽からどう見ても質量を無視した大きさのモノを取り出すのを見守った。


「これこれ」

『これは……』


そう言って取り出したのは今回の街で活動する目的の品だった。

結構な時間と値段が掛かると聞いていたコメットは驚いていた。


「トーナメンツって賭けをしているじゃない?」

『はぁ、つまり山が当たったのですか?』

「それはもう!」


と嬉しそうにするクリエイトに何処に掛けたのか聞いてみると、なんとコメットのチームに掛けていたらしい。掛ける人が少なかったようで、倍率は5倍にまで膨れ上がったそうだ。


いくら賭けたのか気になるが聞かないことにするコメット。

そもそも、迷宮に住まうコメットにとってお金は余り重要ではないのだ。

しかし、今回は上質な結晶の代金のために参加していたが、まさかそれほど儲ける人物がいるとは、主催者の王家も予想はできなかったに違いない。


「しかも、実際は時間がかかるところを、活気溢れる会場の観客や、対戦者の漏れる魔力をかき集めたから完成もほらこの通り早くなったわけよ」


バレーボールほどの大きさの上質な転移結晶を転がしていう。


『そうですか、ではそれを伝えたら、宴会が始まったのですか?』


一瞬考えた顔をしてから、首をふるクリエイト。


「いや、街中でリフレクの噂が酷いことになっていると思って笑いに来た」

『そ、そうですか……』


苦笑して答えるコメット。


そうして、30分近くコメットとクリエイトで雑談した後、クリエイトが帰っていった。

この酒場をコメットが二人を抱えて後にし、隣接する宿屋にチェックインをした。

なぜ商店街のこんな位置に、宿屋があるか不思議だったがその理由が理解できた。


二人を部屋に寝かせ、結局無料で受け取っ上質な転移結晶をしまう。

これで目的のモノが手に入ったが、明日の決勝はどうしたらいいのだろうか。

一応、聖を説得できたら、棄権する予定だった。

聖自身の装備も全部見直さなければならない、それほど損傷を受けていた。

与えたのは基本的に一回戦の侍だ。

あのときも相手に付き合わずに、避ければよかったとコメットは思う。


『上手く説得できるか心配です……』


コメットはそう呟いた。


翌日、


宿屋で目を醒ましてたコメットは二人を起こしてみるが、二人とも頭が痛くて動けないという。

これはどちらにしても、戦えないと判断したコメットは棄権の旨を審判兼実況をしているコカトリアに念話で伝え、二人の看病をすることにした。


リフレクと聖がお酒がこれほど弱いとは思ってもみなかった。

実は、クリエイトがお酒を『造った』せいなのだが、それはその場にいないと分からないことである。

お酒に酔っていた二人は、昨日の出来事を覚えていないようだった。


もはや夕方になり、やっと動けるようになった聖に引き続きリフレクも復活した

その際に、戦わずにして結晶が手に入ったと聖にいうと、嬉しそうな顔をしたが、そのあと微妙な顔をされた。


「なぜだ、釈然としないぞ?」

『それは中途半端にモノが手に入ったからなのでは?』

「そうなのか?」

『それに、早く帰れば宝箱の評価も上がるでしょう』


コメットは聖騎士聖騎士といって騒いでいた聖をどう説得するか悩んだが、すんなり解決できてしまった。


「そうか、早速帰還しよう」


と言ってきたのだ。

唖然とした表情を作るコメットだが、聖だから仕方ないと納得した。


「リフレクさんの吐き気が収まったら出発しよう』


ということに決定した。


日が傾き始めた頃、オレンジに染まる夕焼けを背に、三人は歩き始めた。


「長いようで短く、濃厚な3日間でしたね」

「吐き気は大丈夫か」

「う、蒸し返さないでください、きそうです」

「そんなに強かったのか? それとも体質かな」


迷宮に散歩でもするように入っていく三人は、即座に12階層を突破した。


「あ!? せっっかく準決勝まで進められたのに、報酬貰ってないぞ!」

「準決勝くらいではあめ玉さえもらえないと思いますけど………」

『………』



そうして、三人はついに宝物庫の部屋にたどり着くのだが、そこにいるドラゴンの一悶着あるのは解りきったことである。



また、王家が開いた『トーナメンツ』だが、優勝は聖騎士ランスロードになった。

優勝も呆気なかった。

反対側でも棄権がでたため、戦わずして優勝という結果になったのだ。

また聖達は棄権したため表彰は受けれない。

そう、大会は『何も問題が起きずつつがなく終了した』のだった。


実際にはこの大会、色んなしがらみでややこしい状況になっていた訳だが、それを知るのは極一部の者達だけだ。


1ヶ月くらいたつと、迷宮にも人がくるようになった。

そうして、残念なことに、ダルフがまた仕事に負われる生活が始まったのだ。


「なんか前回より多くない? 多いよね? 宝箱のヘリが早すぎるんですけど!!」

「マスター頑張ってくださいよ、知名度がうなぎ登りで、魔力が膨大に増えたんですよねぇ」

「増える側から減っていくのよ!!」


文句を言いつつ涙目で手を動かすダルフであった。








ここまでお付き合いください。

誠にありがとうございました。

ざんねんながら、ネタが尽きてしまったために後半はうだうたやって来ましたが、

最後に外の町の様子も書けて満足ではあります。

しかし、終わりを目指すためのちょっとした小話の筈が、本編に迫る長さだと!

もっと添削しないとダメでしょ!!

でも、削れない!

なんて優柔不断なわたし。

でも、ここまで支えてくれた皆様。誠に有り難うございました。

次はもっとスマートに読みやすい作品を書いて見ようと思います。

仕事が忙しくなると手が止まり、その都度、設定を忘れそうになる最近のわたし。

愛着が薄れているのでしょうか。

いや、だが、愛は……


去年11月に細々と書いていたこの作品がまさかランキングにまで乗るとは思っても見ませんでした。

『この世界でこういうこともきっとあるよね』『ああこいつこうしてそう』とか『ミミック待ち伏せ』とかそんなことを思って2月まで勢いで書いてきましたが、どうやらその時点でネタが尽きたようです。くそ!

擬態影人との戦闘ですんなりエンディング迎えておけばどんなに良かったことか!

良かったことか!!

もう、そのあとはダメダメでしたね。

ごめんなさい。はい、反省してます。

これを書いてるわたしの手元には去年これを思い付いたときに書いたプロットがありまして、ええ、いましみじみと眺めているところです。

『迷宮のネコミミックさん~きっと部屋はピンク~』

ははっ、タイトルから違いますもん。

これがオリジンか。

ごくり、おれ恐るべし。

このノートを早く処分しなくては。


それでは、また次回作、既存作でお会いしましょう。


感想、評価、度々感謝しています有り難うございました。

(これを投稿して以降は感想は返しませんで悪しからず)

次回の新天地で再び見えましょう。


わたしですか?ええ、いまから焼却ですよ。

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