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迷宮深部の偽宝箱《トレジャー・ミミック》  作者: 流水一
第三章『迷宮への招待状』
32/75

第 三十話『偽宝箱は問題を見つけた』


ダルフへ来た招待状の送り主は、南大陸に居を構えているようだ。

今いる場所が北大陸の最北端だから、大陸間を移動するのに、北→東→南の順でいくのか、北→西→南の順の二通りが通常の行き方だろう。

しかし、そうすると何ヵ月掛かるんだ?

6か月では済まされないするんだが......

そういえば、ダークエルフ達は『転移の魔女』の空間転移でサッと来たとそう言っていたな。

うーん、出来れば同じ手で移動したいが......ん?

移動?

......ん?

アレ?なんか流れ的に俺も手っきり行ける気満々だったけど、俺行けなくね?


生まれてこのかた、ここの台座....いや、この座標から一歩も動いていないでござる!!

やばい....

あの手紙のストーカー野郎、来いとか言っといて、俺が動けないの知らないんじゃねーの?

しかし、行かないとストーカー野郎をボコス事ができぬ.....

ダルフに任せたら、勝手に見つけて勝手に粛正してくれそうで、物凄く安心なんだけど、俺の怒りが収まらぬ.....

ただ俺も、これまでの戦闘経験ゼロだから、戦いになると予測がつかないな。

防御だけなら超一流だろうが、攻撃手段というか攻撃力が.....ない。

負けないけど勝てないを地で行ってそうだ。

ってそもそも、動けないし、行けないんだってば!!


困ったな.....


「じゃあ、コメット明日出るから、幹部連中を集めて頂戴ね」

「???」

「私の留守を幹部に任せるのよ!任せる代わりに、ある程度好きにしていいって言ってね」

「......(コクコク)」

「外か.....一体どれ程の敵が潜んでるんだ!ワクワクだな!」

「ひじり、学院の演習とかで外出たでしょ?行かなかったの?」

「行こうとしたら『防具を全部つけろ』と言われ、『断る』と言ったら居残りにされたぞ!」

「なんで、あんた卒業出来たのよ.....」

「実力だろう!?」


俺が打開策がないか考えていると、いつのまにかダルフ達は行く日にちを決め、世間話をしていた。

そんな和気あいあいとした中、俺は切り出さなくてはならないのか.....くっ

明らかなる空気ブレーカーじゃないか!


だが、報連相は大切。


俺はウイルスメールのせいで『呪われて』使えなくなったお気に入りのコミニュケーションツールの代わりに、今まで放置していた【達筆】スキルの応用技『筆圧』を使って会話をすることにした。

すべてのスキルを試した俺だが、これだけはちょっと使いたくなかった。なぜなら『消せない』からだ。


ががががががががっ.....カカッ!!

発動した技はダルフ達の足元の大理石を切削して文字を彫っていく。

スムーズに掘られる文字。

パソコン並みのフォント。

この技の有効な点は、魔方陣を物体に彫るとき瞬間的に彫れたり、魔剣を作る際も使用できる。

ただ、音が五月蝿いこれが欠点の一つだ。


「ちょっ!?」

「!?」

「わわっ」


突然の音に耳を塞ぐダルフ、コメット、聖の三人。

大理石に彫られた文字は......


≪水を射すようで悪いが.....俺動けないんだけど、なんとかならん?≫


そうして、しらっとした空気が流れたのは、当然の結果だろう。


―――――――――――――――――

コメットはてってってっと部屋に駆けていきこの場にはいなくなった。


「方法はあるのよ?でもお勧めはしないわ」

「なんだ!?あるのか?」

「ある、わね.....」


俺の近くに来たダルフと聖に、何かないか聞いてみたが......あるのか!?

歯切れが悪いダルフ.....なにか問題でもあるのだろう。

しかし、そんなことより、俺が俺として、つまりミミック出来ないことの方が問題だ。

早急に解決するために、ストーカー野郎をトッチメてやるため、リスクを払う覚悟だぞ!

通訳を任せている聖に『構わないそれをしてくれ』と伝えるように言うが......

こっちをチラッと見る聖。


「お勧めしないなら、別の方法はないのか?」


んな!?ちゃんと伝えろよ....他の手を探すなんて時間が掛かりすぎるし、【サポート・アシスタント】でも、分からないっていうんだから、ダルフの手でいいじゃねーか。


「別はないわねぇ.....どうする?」


なんかの覚悟を決めて俺を見るダルフ......


カカカッ!!


≪構わないからやってくれ!!≫


今度は自分で伝えることにした。

俺が文字を削り出したとき、聖が「あっ....」という声を出していたが気のせいだろう。

てか、なぜ邪魔するし。


「......わかったわ」


ダルフは銀髪を揺らし頷いた。


――――――――――――――――

どうやら方法は魔核(コア).....つまり心臓いや俺そのものを取り出す方法なんだとか。

俺の残った体は?

切り離された俺は?

と色んな疑問は尽きないが、(チート)側は、【サポート・アシスタント】が『解呪』を試みるそうだ。

しかし、それもダルフのやることがうまくいったらだ。

上司を信用し、すべてを任せよう。


「じゃ、いくわね?」


ダルフが俺の上蓋を開け、中を覗き込んだ。

その際、ダルフの胸が俺の中に入り込んだんだ.....柔らかい感触.....これが天国か.....

気を飛ばしそうになりながらも、俺は『(コア)』に意識を込める。

しばらくしてダルフが、俺の異次元領域をガサゴソするのを止めた。


「見っけたわ!!ーУИХЦ xwー」


動きを止めたダルフは、何かを紡いで.......


プツンっ

っと俺が......止まった。

視界は真っ暗.....意識もおち、る。

成功.....したのか?






MP:13440/27850

種族: 偽宝箱( トレジャー・ミミック)

タイプ:物質系

魔法:【 内包世界( ルー・ルーム)】......莫大な量のアイテムボックス。アイコン毎に区切られしっかりと分けられているため混ざることもない。ひとつの枠に99個まで入れられる。取り出さずに、アイテム同士を調合したり出来る。自 由度の高さは天井知らず。神【セーファ・セキュリア】の恩恵を受けている為、略奪系スキルにより盗まれることはまず無い

発動スキル:任意切り替え可。

保有スキル:【サポート・アシスタント】【時間は有限にして無限】(×)【自動警備EX】(×)【自宅警備EX】(×)【宗教撃退EX】【押し売り撃退EX】(×)【居留守】(×)【対恐怖】(×)【異常状態完全無効】【 対精神圧力( プレッシャー)】(×)【不屈の心】(×)【宝物保管】【宝石精製】【宝剣作成】(×)【加工(食)】(×)【 加工(宝)】【C言語】(×)【D言語】(×)【解読】(×)【多国語(12ヵ国)】【達筆】【転写】【 文字( コード) 化】(×)【コード解析】(×)【トライ&エラー】(×)【デバック作業】(×)【検証】(×)【総合デザイン】【電流操作】【家事】(×)【鍛冶】(×)......【その他18スキル】使用不可。

備考:現在、高度な呪い状態に掛かり、スキル及びステータスの減少中。


名前:水無月

コア:8320↓

MP:13440↓

STR(力強さ):20★(3)↓

VIT(頑丈さ):858500(30)★

INT(頭の良さ・魔法適正):1あw0★(150)↓

WIL(魔法・異常状態の抵抗):848400(7)★

DEX(器用さ):s0★(667)↓

()の中は箱を抜いた自身の能力値

呪い状態により正常値は不明。



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